一斉に咲いて、一斉に散る。キンモクセイの不思議
昨日2024年10月19日、東京都心では午後1時半過ぎに最高気温が30.1度となり、季節外れの「真夏日」となって、「もっとも遅い真夏日の更新」があったそうです。
用事があり、昼頃出かけましたが、目的地に着くころには汗だくになっていました……。
しかし、翌日の今日は、ぐんと朝夕の気温が下がってきました。寒暖差で体調を崩さないよう、気をつけたいものです。
キンモクセイが花盛り。オレンジの花が映えます
秋晴れの空に、満開のキンモクセイが街の風景に映える時期になりました!
ここまで咲くと、遠くからでも香るし、見ればオレンジが目立つので、とても探しやすくなります。
香りが好まれるせいか、いたるところに植えられていて、ただの生垣だと思っていた木が、
「実は私、キンモクセイでした」
「俺も!」
「僕も!」
ってくらい、自己主張をし始めます。
日本のキンモクセイは雄株だけ
「俺も」「僕も」と書きましたが、日本のキンモクセイは雄株だけなのだそうです。
理由は、雄株の方が花つきがいいので、好まれたからだそうです。
江戸時代に中国から輸入され、人気になって増えたものの、持ち込まれたのが雄株だけなので、現在日本で普及しているキンモクセイは雄株だけ、咲いているのも雄花だけ、なのだそう。
イチョウやハナミズキを見ていても、実がなる雌株と、実がつかない雄株に分かれていますよね。
雌株には雌花が、雄株には雄花が咲きます。
両方がないと、交配して実ることがありません。
キンモクセイに実が実るのを見ないのは、雄株ばかりだからなんですね。
満開の前後の観察も楽しんで
雄花だけ、と聞けばなるほどです。
キンモクセイの十字形の花は、花ごとぽろっと落ちて、そのあとには何も残りません。
雌花であれば、花びらだけが散って、そのあと実になるところがふくらんできそうなものですが、そうしたことがありません。
キンモクセイの、毎年「いきなり咲いて」「一斉に散って消えてなくなる」のが不思議で、何年かじぃっ……と観察しながら、いろいろ調べて得た知識です。
私たちが「秋の自然」と思って楽しんでいる風景も、実は本当の自然ではなく、江戸時代以降に始まった園芸人気の結果、作られた景色なんですね。
おそらく桜のように、地域によって咲くのが早い、遅いという違いもあるのでは? と思います。
近所にキンモクセイが咲いている、という方は、ぜひぜひ観察してみてくださいね。
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