誰でもお金をデザインできるけどどうする? と問われたので考えてみた。 #お金のデザイン
こんな問いを与えられることはなかなかないと思います。私自身「お金」について深く考えたことなんかなかったし、今でもなんの疑問もなくJPYを使ってます。
しかしながら、ブロックチェーン技術の発展に伴い、誰もが通貨のようなものを発行できる時代におり、お金の意味について考え直す絶好の機会ではないかと感じています。
まぁ考えることがあったとすれば、「あぁ早くキャッシュレスにならないかな」ってことくらいで、クレジットカードが使えないお店に出会った時、手持ち現金がなくて辛い想いをする程度でした。
最近では日常的にKyashやLinePayを使うようになって、友達との割り勘みたいなこともスムーズにできるようになって嬉しくあります。
目次
1. お金ってなに?
2. ビットコインの登場
3. ビットコインに価値がある理由
4. 現存する地域通貨
5. お金のデザイン
a. 税の仕組み
b. ベーシックインカムの仕組み
6. 経済圏を作る取り組み
7. まとめ
お金ってなに?
私は金融について勉強したことはなく、お金に関する専門家でもなんでもありません。
ただ、お金は大事だなと思います。かなりバカっぽいですが、大事だと本気で思っています。
それは、お金に価値があることを共通認識としてみんな持っているし、それでお買い物ができる世界に生きている私たちにとっては至極当たり前な感覚だと思います。
ただし、国家という枠組みの中で資本主義社会というお金稼ごうぜルールがあるからこそ、お金の大事さが強調されています。
そして私はそれが苦手です。
世の中にはもっと大事で価値があるものがあるはずで、それを同じく大事だと感じる人々の集合体(コミュニティ)で流通させることで経済を回すことができれば、こんな生きやすい社会はないなと感じます。
また、そのお金の仕組みも単純に価値の交換をするだけではなく、そのコミュニティに共有されてる価値観を軸に、独自のルールを設計し創意工夫されたものを生み出したいなと考えています。
ビットコインの登場
2016年。
なんてことない日常を過ごしていた私の目の前に現れたのがビットコインでした。
最初はただの怪しげな投資商材で、周辺にはお金にギラギラした人々がゴロゴロといました。SNS上でもチャートに一喜一憂する人々があふれかえり、みんなが自分の推しトークンがmoonすることを願っていました。
(moonはめっちゃ価格上昇すること)
私はその熱狂の理由が知りたくて、ビットコインを買ったり売ったりしていました。というか当時それくらいしかできることが思いつきませんでした。
市場の勢いは止まることを知らず、2017年にはその期待の高まりから仮想通貨全体で大幅な価格上昇を起こしました。
まさにビットコインを中心とした仮想通貨バブルのど真ん中という感じです。
ビットコインに価値がある理由
なんでこんなに熱狂するのか。
私はなにがそうさせるのか知りたくなりました。
そして、ビットコインにはブロックチェーンという技術が使われていることを知りました。そしてこの技術こそが価値の源泉でした。
この技術によって、ビットコインに代表されるような「お金」をインターネット上で扱うことを可能にしました。さらにはコピーされてはいけない、それ自体に価値があるものの利用をも可能にしてくれます。
それって何?と感じる方は、まずブロックチェーンでどんなことが可能になるのかを知るためにこの動画をおすすめいたします。とても夢が広がります。
私はこの技術と出会い、ブロックチェーンで資産的価値があるものを取り扱うことができるようになったことに驚き、またそれ自体が中央の管理者を必要としない構造であることにさらに驚かされました。
そして、これらの技術の発展により、誰でもビットコインのような「お金」を生み出すことができる時代になったということを理解しました。
これをきっかけに、ブロックチェーンの学習を開始し、今ではイーサリアムブロックチェーンを活用したサービスを作っています( ISSHO )。
現存する地域通貨
ブロックチェーンという技術にふれ、お金に興味を持ち始めた私は、「お金が作れる」という点に注目しました。
そして、その勉強の過程で「地域通貨」というものの存在に出会いました。
地域通貨とは特定の地域でのみ流通する通貨的なもののことです。お遊びではなく法定通貨と同じ価値のように取引されているものもあります。
そして、日本に現存する地域通貨の代表が「萬(よろづ)」です。
この地域通貨はLETS方式を採用しており、紙幣や硬貨は存在せず、ノートに+-を記載していく形です。
私はこれをみて衝撃を受けました。
お互いに台帳をチェックしながら承認しあい、取引の履歴を記録していく。
いやっ、ブロックチェーンじゃん。。。
昨年は孫泰蔵さんも地域通貨とブロックチェーンについて言及されております。
そして6年前の2012年には家入さんも地域通貨の面白さに言及されています。
この方の知的好奇心の範囲の広さはすごいと思う。
私は、あーこんな世界があるのかと、本当にビビりました。
そうしてるうちに、Greenzには「コミュニティ経済と未来のお金を考えるクラス」ということで、地域通貨に考えつつ、ブロックチェーンにも触れる講座をやっていました。迷わずポチりました。
今でも継続している講座なので興味ある方は参加してみてください。テックの領域ではないところで面白いものが見れると思います。
地域通貨の例としては、
サイトがないのが多いのであとは割愛。
どの通貨にも明確なコンセプトがあり、解決したい課題や、その地域の価値観がしっかりと現れています。
あとはちょっと渋い動画ですが、エンデの遺言をみることで、お金ってなんだろうってことを考えるきっかけになります。
そして、ここで私が一番言いたいことは、多くの先人達はすでに自分たち用のお金のデザインに挑戦していたということです。
お金は価値交換の道具ですが、それ以上に自分たちの創意工夫によっていろんな機能を持たせることで、もっともっと自由になっていきます。
しかしながら、この地域通貨の取り組みがどれもうまくいっている訳ではありません。むしろ多くの地域通貨は自治することの大変さから、衰退してしまっています。(逆に現存している地域通貨はほんとすごい)
だからこそ、ブロックチェーンなどの技術に期待が高まっています。それは、ブロックチェーン上で通貨を発行し管理することが可能であるし、さらにはその通貨自体に多様な機能を持たせることができるからです。
お金のデザイン
2017年は仮想通貨の年でした。Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上でERC20という規格のトークンが大量に生み出され、ICOと呼ばれる資金調達手法によって多くのお金が動きました。
サービス内で活用できるユーティリティトークンや証券のように振る舞うセキュリティトークン。
トークンエコノミーという言葉も生まれ、多様なトークンによって趣味思考の違う経済圏が生まれてくることを期待させてくれました。
また、NFT(代替不可能なトークン)の考え方によって、通貨ではなくコレクションアイテムとして扱える概念も生まれました。
そして今現在でも新たなトークン設計は毎日検討されています。
トークンエコノミーという言葉を使うとかっこいいですが、私は実はよくわかってませんでした。
お金の再定義。
お金のデザイン。
こんな風に表現すると割と腹落ちがします。
自分たちが生きやすいより良い未来に向けて、私達はどんなお金をデザインするのか。大きなテーマですが、向き合うには申し分ないほど面白いテーマだと思います。
自分たちが生きていく経済圏で流通する価値を自分たちで作れる未来。
私は楽しみで仕方ありません。
経済圏を作る取り組み
最近、コミュニティコインのKOUというアプリがリリースされました。これは、「なかまの「おかね」は自由でいいとおもう。」というコピーのもと簡単に仲間内の「おかね」を発行、交換できるサービスです。
実はKOUを作ってらっしゃるツクルバ代表取締役 COO 中村真広さんも紹介させていただいた「コミュニティ経済と未来のお金を考えるクラス」の受講者です。
このサービスはブロックチェーンを使ったサービスではありません。
しかし重要なのはそういうことではなく、新たな経済圏を作ることに挑戦しているという点です。
他にも
いろんなアプローチがあり、コミュニティとお金というテーマでサービスがどんどん出てきています。
これは国家という単位から外れ、コミュニティが注目される中、その経済圏内での流通価値、すなわち「お金」の再定義の流れが加速していることを表していると感じています。
終わりに
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。今回はなるべく自分の言葉でお金に対するモヤモヤを言語化してみました。
ブロックチェーンの技術やトークン活用事例の詳細まで踏み込んでいませんが、お金のデザインということをテーマに、ブロックチェーンの概念と地域通貨を交えて整理できたと思います。
これからブロックチェーンによって社会構造は大きく変わっていきます。
生きる経済圏も自分にフィットしたコミュニティを選択していくようになるんだと思います。というかすでになっているのが加速するんだと思います。
そして、このブロックチェーン黎明期に自分は何ができるんだろうかと日々自問しています。
一緒にブロックチェーンで面白いことやって行こう!って方は是非ご連絡ください。
では。
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