その道のプロに、最強の「ふるさと納税の返礼品を探す方法」を聞いてみました
NAVICUS の代表武内さん...が、実はふるさとチョイスのマーケティング責任者をされていたご経験があるということで、ふるさと納税における最も悩ましい「返礼品の探し方」を聞いてみました。
『武内さんといえば、ふるさと納税ということで。』
武内さん「昔、ふるさとチョイスのマーケティング責任者をやってました。年末ですので、ホントにお早めに動くことをおすすめします笑。」
『笑。ふるさと納税で何を返礼品として選ぶのかは、毎年の悩みなんです。数年前までは、地元の特産品とも言えないものも返礼品としてでていたので、ベビーカーや抱っこ紐を入手したりしていました。』
武内さん「いいですね。」
『ただ、総務省の方針によって、返礼品が地場産品のものに限定されるようになり、食材を中心にオーダーするようになりました。最初はお肉から入ったんですが、奥さんがお肉をあまり食べないこともあり、結構余らせちゃったりして、今は赤ちゃんも食べられるフルーツのオーダーが多くなっています。あとは、毎月違う物が届くやつも助かっています。』
武内さん「定期便ですね。そうですね。やっぱりあの、ふるさと納税歴を重ねてくるとだんだんフルーツとかに入っていくんですよね。」
『www』
武内さん「入り口がお肉の方が多いと思います。だって明らかに欲しいじゃないですか。【神戸牛がもらえます】って言われたら、ください!ってなりますよね。」
『1000%なります。』
武内さん「そして、慣れてくると、段々とシーズナリティを楽しむようになってくるようです。最初はみんな年末に【やらなきゃ!】という動機でふるさと納税をするんですが、制度としては365日使えるもの。それに気がつくと、品ぞろえが時期によって違うって段々気づいてくるんですよね。」
『確かに。』
武内さん「春先から夏ぐらいの時の方はメロンとかめっちゃ出てるみたいな。で、秋口になるとサクランボが出てきたりとか。季節ごとの返礼品を追いかけ始めると、また楽しくなってきます。」
『原則としては、年末ではなく年間を通じて追いかけたほうがいいよってことですね。』
武内さん「そうですね。あとやっぱり単純に年末だと品切れが多いですね。」
『それはそうでしょうね...。』
武内さん「供給の準備がめちゃくちゃ大変なんです。出荷数の半分ぐらいが12月に集中するという、小売で言ったら凄いリスクのある商売を自治体さんはやっています。売れるかどうかわからないのに、在庫は大量に用意して置かなければいけない。もちろんできる限り用意はするものの、大きすぎるリスクは負えない。その結果、品切れが散見されることになってしまうんですね。もしくは、供給量を確保できる、工場のラインでバンバン作れるものがラインナップとしては増えてしまう。一方で、季節ごとにチェックしていると、【5セット限定の希少部位】みたいなものに出会えたりします。そういうのは結構楽しいですね。」
『僕や奥さんがいつも悩んでいることがあります。まず、「ふるさと納税しよう」と思ってサイトに行きます。そして検索します。そしていつも絶望するんです。とにかくいいものを探し出す検索難易度の高さが尋常じゃなく高いと思います。【お肉】で検索しても、無限に検索結果が表示される。辛いです笑。』
武内さん「どこのポータルサイトでも、やっぱりランキングの閲覧数が高いという状況になっています。結局の所、ユーザーさんはまず検索して、【牛肉を検索したら1万件表示されて】絶望して、ランキングを見に来るという流れになっていると思います。関連してですが、ふるさとチョイスで課題となっていたのが、画像の質です。」
『商品の画像ですかね。』
武内さん「そうです。自治体さんが用意できる画像のクオリティにばらつきがあります。ジャギジャギの画像しか載ってないやつもあれば。高島屋のカタログと見間違えそうなキレイな写真の場合もあります。一方で、乗っている説明文はほとんど同じだったり。そうなってくると、どうやって比べればいいのかわからなくなっちゃいますよね。そうなると、やはり【みんなは何を選んでるんだろう?】ということで、ランキングに行ってしまいます。」
『なるほど。』
武内さん「ただ、ランキングにでているのは在庫が多かったり、企画として取り上げられたり、宣伝がうまくいっていたりと、商品の質に必ずしも直結しないという課題があります。なので、例えばふるさとチョイスであれば、特集がおすすめです。とても良いものが掲載されています。」
『特集ですか?うーん。僕は特集はそのサイトが売りたいものが乗っているから質が高いわけではないと思い込んでました。なので積極的に避けてたまであります。』
武内さん「身内贔屓というわけではないんですが、ふるさとチョイスは地方の特産品を掘り返すっていうところをミッションでやってるのもあるので、特集にはかなり力を入れています。例えば間違いないチョイス。スタッフや専門家の方が少なくとも実際に食べて、触れて、評価しているものだけが乗っています。」
『そうなんですか!それはすごい。』
武内さん「間違いないとまで謳っているぐらいなので、しっかりしてます。僕も在職中に伺ったお店もたくさんあります。その界隈のコーディネーターの方をお招きして、食べ比べなどもしていただいた上で選んでいます。それに、単においしい・おいしくないだけではなく、例えばうなぎの場合は、ぱりっとしてるとか、タレの味が強いとか、細かい特徴まで解説しています。」
『うなぎ食べたくなってきましたw』
武内さん「食材のマーケティングの失敗例として、みんな【めちゃくちゃおいしいです】って言い方をするんですね。【このウナギはおいしいです】って、全くわかりませんよね。それよりは特徴を言われた方が分かりやすいはずと考えて、細かい特徴も含めて解説しています。」
『自分の好みかどうかってのも分かった上で選べるってことですね。』
武内さん「ぜひウナギの特集は見ていただきたいと思います。回し者みたいであれなんですけど、ウナギの特徴は触感のふっくら・バリバリ、味のこってりあっさり、番外編、といった様々なものがあります。それだけ特徴があるので、単純にランキングで上から見てるだけだともったいないじゃないですか。【この間ふっくら食べたから、今回ぱりぱり】。例えばそういう選び方ができると、ふるさと納税がより楽しくなると思います。」
『めちゃくちゃ勉強になりました!これはすごい情報だと思います。正直、ふるさと納税のポータルサイト上で上記の説明をされても【ほんとかなぁ】って思っちゃいますが、こうやって武内さんに言われると、ものすごい説得力があります。あららためてありがとうございました!』