エスキスの時のスパン決め。(初年度の人へ)
皆様、製図試験の勉強はいかがでしょうか?
もう佳境に入ってきて、充実した準備が着々と進んでいると思います。
今日は一つのテーマだけ。
結構差し迫った時期でも迷う人がいるこちら。
スパンはどういうふうに候補を絞り、いつ決定するか。
このテーマで書いていこうと思います。
1.外部空間から予想を立てる。
まず読み込みを行って全体を確認した後、課題文の敷地図と外部空間の計画(仮)を行います。
ここで重要なのはあくまでも(仮)だということです。うまく行かなかったら違う案を出しましょう。
敷地からへりあき2mを取って、庭・駐車場・駐輪場などの地上の外部空間の仮配置を行います。ここで重要なのは外部空間の寸法は最小で行うことです。ここで余裕を持たせると計画できないように本試験はできていますのでご注意を。仮配置が終わると大体の建物が建てられる範囲が絞られます。
この範囲の中で南北と東西で6~8m(9mも可)のスパンがいくつできるか計算しておきましょう。
例)
東西42mの範囲で建物を建てられるのなら、
8mスパン✕5グリッド=40m…2m
7mスパン✕6グリッド=42m
6mスパン✕7グリッド=42m
これがスパン候補になってきます。
再度言いますが、候補が出てもスパンが決定したわけではありません!
2.大きな面積の要求室からも候補を絞る。
要求室の中で面積が大き室からも候補を絞っておきましょう。
以前はよく要求室は50㎡の倍数か40㎡の倍数かどちらかが多いかでスパンを決定していましたがそれでは昨今の試験は難しくなってきました。
ここでは候補を絞っていくのに、大きな面積の要求室(150㎡以上)の部屋を確認していきます。
①その部屋は整形でなくて良いのか、否か。
②整形にする場合は4グリッドか6グリッドか
まず ①その部屋は整形でなくて良いのか、否か。
講演会などを行う場合は整形及び無柱空間でないと有効活用できません。
逆に展示室で講演などの用途に供さないなら、L字型でも問題ありません。
整形しないといけないのならそれもグリッドを絞る為の要素の一つです。
次に ②整形にする場合は4グリッドか6グリッドか
他の面積の小さい要求室の倍数と合わせた場合、その面積の大きい要求室が4グリッドになるか、6グリッドになるか確認しましょう。
これはラフプランニング時に確認していきますが、4グリッドの場合は問題ないことが多いです。隙間にすっぽりハマったり。
しかし6グリッドの場合は 1.外部空間から予想を立てる。で候補としたグリッド数と関係してきます。特に短辺3スパンだと端の部分は大空間に占領されて縦動線は通せません。また短辺4スパンの場合は残り1グリッドがあまりとなり、設備系を噛ませるか、倉庫とか利用するか、状況を見てその1グリッドをうまく活用しないといけないので注意が必要です。
3.要求室の面積傾向からグリッドを絞り込む。
その他の面積の小さい要求室からもグリッド割を絞り込んでおきましょう。
40㎡で組みやすいのか、50・60㎡が組みやすいのか、上記の絞り込むのと同時進行でそのグリッドなら上手くいくか少し予想を立てます。
4.ラフプランニングをして大丈夫ならグリッド決定!
以上のことを考えてきましたが、結局は主要な要求室が入らないって動線や関係性がクリアできないと意味がありません。
ですので大まかなラフプランニングをして、主要な要求室・縦導線・その他の導線・関係性が問題なく成立しそうならその時点でやっとスパン割・グリッド決定です。
まとめます。
①敷地・外部空間などから候補を出しておく
②大空間からグリッドの後を絞る
③その他の要求室からグリッドの傾向を読む
④絞り込んだグリッド候補からラフプランニングして成立すればその時点でグリッド決定
もしラフプランニングで成立しないようなら、なぜ成立しないのか考えなくてはなりません。
そして必要に応じて①からグリッドを考えていきます。
そんな時間ない!とおっしゃる方がいますがそれは違います。うまく行かないグリッドでやる方がものすごく時間がかかるのです。
やり直すならラフプランニングの時に直すのが一番です。
ラフプランニングなら5分でやり直せます。
だからラフプランニングで無理そうなら早めに違うグリッド・スパン割を試しましょう。
その時絶対に前にやったラフプランニングは消しゴムで消さないように。もしかしたら時間がなくてそっちで図面にいくしかないかも。
ご質問がある方は気軽にどうぞ。