再試験までの復習~構造・法規編~

前回、設備編を書いたので今回は構造と法規編です。
構造と法規は苦手な方はあまりいないと思いますが、(学科でも十分やってきている分野ですし、なおかつイメージしやすいため)ここも理解なしには図面と計画の不整合や矛盾が生じる部分ですので復習してきましょう!


1.構造はフレームで考える

突飛な事をしない限りは成立することができるので、構造が苦手な人は少ないように感じます。

しかし時たまこれは成立しないと思われる部分を含む図面を描いてくる人がいます。

構造が苦手な人は、ちょっとここはどうやるんだろうと思ったら、その時は必ず「フレームで確認する」事をクセづけてください。ラーメン構造は簡単に言えば柱と大梁・小梁で構成した立方体を重ねてできています。この立方体が構成できない部分は構造的に問題あると思ってください。

そして覚えてほしいのは片持ち梁は3m程度は可能。そして片持ちスラブはスラブ厚の10倍程度まで可能ですので試験対応では2mは可能です。これは頭に入れておいてください。

また小梁の位置もイメージしながら解答例を見ると大きな吹き抜け部分、EV周りも構造がどうなっているか理解できます。

この製図試験はきれいにグリッド内で納まるように問題が作られています。
いつも構造的に悩んでしまう人はエスキス時にうまくグリッドが設定できていないという面もありますので、グリッドをきっちり組めるように構造の復習と同時進行でグリッドの選択を意識的に見てみてください。

資料があるのなら梁伏図などで勉強するのも効果的です。


2.長スパンのPC梁はどうかける?

ただ一言、大空間の短い方向にかけて下さい。それが安牌です。


3.法規はテキストで覚える

法規は高さ制限が計算しづらい部分ですので、まず住居系・非住居系の数値を覚えるのがまず第一です。

そして後退距離等の計算があやふやの人は(この時期はもういないと思いますが)計算できるように解答例で確認しながら計算の練習をしましょう。

その他の重要な法規は2方向避難の重複距離等がありますので、それも確認復習を行ってください。時たま重複距離の考え方が間違っている人がいて、重複距離は”一番長くなる”部分で計測する形なので間違えないように。

オーバーになりそうならばエスキスをやり直してください。法規関係の違反は一発失格の対象となりますし、今年の試験では避難に関する要求も事前に発表されています。要注意です。


4.覚えたら実践

法規の数値や計測の方法等を覚えたらあとは実践です。実際の問題で前面道路の幅員が広く問題がない場合でも高さ制限などを必ず計算して確認してください。必要が無いと思われる場合でもきちんと確認する事で、それが練習になります。
特に2面接道の場合は要注意です。全面道路の緩和規定などがありますので計算が複雑になります。自分が持っているテキスト等で確認・復習を行ってください。

またいつでも確認する習慣が身につけば、本試験で迷わせる出題が来ても確認してそして安心してエスキスに臨めます。これは大きな分かれ目です。


5.高さ関係は余裕を見て

高さ制限の計算を終えた後ですが、高さ制限ギリギリで建物を計画するのはやめましょう。

例えばその部分での高さ制限は15mだったとしましょう。建物の階高は5+5+4=14mパラペットが0.6mとして計14.6m。余りは40cm。充分そうですが、図面の縮尺は1/200。線の位置がずれてしまっただけで、パラペットをちょっとだけ道路側に描いてしまっただけで、法規に抵触する可能性があります。また高さ制限は芯ではなく有効で図りますので余裕を持っていないと足元をすくわれます。また屋上庭園の手すりなども気をつけないといけません。

ですので法規関係の制限については余裕を持って計画しましょう。もしギリギリになってしまったら、計算式を記載して法規内に納まっていることを証明しましょう。


6.もう一度言います!法規はきちんと計算を

この部分は前面道路の緩和規定がないから、天井高の高い部屋は無理だな。
はいちょっと待って。それ本当に無理ですか?ちゃんと計算しましたか?

この確認なしの思い込みがエスキスを難しくしてしまう要因の一つです。本当に確認しないでうまく行かない人が多いのです。

高さ関係を計算もせずに難しそうだなと決めつけて、自分の首を締めてしまう。そんな事が多々見受けられます。法規関係は計算して確認してエスキスを行ってください、それだけで一発失格の防止に繋がります。


7.階段の段数気にしていますか?

皆さんは階段の段数気にしていますか?多ければ一応法規の違反にはならないかもしれませんがそれは使いやすいですか?

過剰な段数はきちんと考えられていない証拠になります。そこまで考えてこその一級建築士。そして階段は避難で重要な部分になります。そこが使いづらいと意味がありません。


以上、法規・構造編でした。今まで学科も通して学習してきた部分なので間違えやすい部分で復習して欲しい内容を書いてみました。これに自分の弱点である部分を補強して知識として定着させてください。


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