『競馬 伝説の名勝負 2005-2009 ゼロ年代後半戦』を読んで

本を読むのって大切だよなと思いまして。
ただ、読むだけだとあんまり意味がないような気もする。
というわけで、読むごとにnoteを書くことにしました。
記念すべき第一弾。
読んだ本は、『競馬 伝説の名勝負 2005-2009 ゼロ年代後半戦』です。その題名の通り、競馬におけるゼロ年代後半、2005年から2009年までの名勝負について、26戦が記されています。
コラム等も充実していて、競馬好きには読み応えのある一冊です。

それにしても、競馬というのは不思議なもので、いろいろな顔を持っています。
日本競馬は、馬券が販売されている公営ギャンブルです。
しかし、10年以上前のレース結果が鮮やかに語られる。
そこにあるのはドラマです。
これは他のギャンブルにはないことだと思います。
それはやはり馬が関わっているからでしょう。
生き物だからこそ、絶対がありえない。
絶対がありえないからこそ、夢を見ることができる。

私が好きな馬は、テンポイントとトウカイテイオーで、残念ながらこの本には出てきません。
でも、本の中に出てくる馬たちのひとつひとつの物語には胸が熱くなります。
読んでいて、特に印象に残ったのは、レジネッタですね。
お恥ずかしながら、実はこの本を読むまで知らない馬でした。
2008年の桜花賞馬です。
小牧太騎手のGI初制覇の時なんですね。
小牧太騎手といえば、今年から園田競馬に復活しました。
元々兵庫県競馬の騎手であり、2004年、中央に移籍。
決して順風満帆とは言えなかった日々の中での悲願の勝利だったのです。
イタリア語で「若き女王」という意味を持つレジネッタを、桜の女王へエスコートしたこの物語を知ることができただけでもこの本を読んで良かったなと思います。

こういう風に、競馬は知れば知るほど本当に楽しいのです。
今回知ったレジネッタは牝馬です。
ある程度活躍した牝馬はたいてい繁殖牝馬となります。
レジネッタも繁殖牝馬として10頭の仔を産んでいました。
その仔たちはすでに引退していましたが、繁殖牝馬となっている仔もいました。
つまり、今後競馬を見ているとレジネッタの孫に出会える可能性は十分にあるのです。
例えば、その仔が園田競馬で走っていたら?
もしも、小牧太騎手が乗っていたら?
きっと私は応援せずにはいられないでしょう。
そんな日が来るかどうかはわかりません。
でも、競馬の神様はときどきそういうドラマを演出します。
その時々に立ち会えるのもまた競馬の楽しみなのです。
そんな競馬の面白さ、その欠片が詰まった一冊でした。



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