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日本全国の工場巡り〜埼玉比企郡の最高級コート生地〜

こんにちは!ファクトリエ代表の山田(tocio_yama)です。

ファクトリエは「語れるもので、日々を豊かに」をミッションに掲げるファッションブランドです。日本のこだわりを持った工場と一緒に「良いものを長く着る」をテーマに商品を作っています。※100%日本製です

"長く愛用して頂く"ため、

-縮み、色あせなどの品質
-シルエットにこだわったデザイン
-適切な修理(交換) 

を心がけています。

日本各地のアパレル工場へ

さて、日本のアパレル産業は、染めや織りの伝統と手の込んだ技術によって、世界に誇る高品質な商品を生み出してきました(今も生み出しています)。このnoteでは、毎月様々な地域を訪問し、「ぜひ知っていただきたい」と思う素晴らしい技術を持った工場をご紹介しています。

直近で訪問した秋田岡山長崎石川・富山熊本大阪福岡愛知、広島を訪問し、ご紹介しました。さて、今月は「埼玉」です!


最高級生地を生み出す

The Craftmans 超高密度GIZAギャバジンステンカラー/ベージュ

日本国内で流通するトレンチコートやステンカラーコート。その中でも特に高級ラインのコートに使用されるギャバジン生地は、スタイルテックスが一手に引き受けています。同社は、糸の選定、染め、織りといった全ての工程において職人の厳しい目を通して生地を作り上げ、その品質の高さが国内外で評価されています。

The Craftmans 超高密度GIZAギャバジンステンカラー/ダークグリーン

1893年に埼玉県で創業されたダイワインターテック株式会社(旧・野原工業株式会社)を前身とする同社は、2012年に設立されました。野原社長ご自身の経験を活かし、先染めコート地に特化した製品を手掛けています。高い技術力と豊富な経験を基に、スタイルテックスは国内外のブランドに高品質なコート素材を供給し続けてきました。

The Craftmans 超高密度GIZAギャバジンステンカラー/ネイビー

最高級の1万本の糸を限界まで打ち込む

ここでしか作れない日本最高級のコート生地

スタイルテックスの生地の特徴はその上質さにあります。世界三大コットンの一つ「GIZA綿」を使用した非常になめらかで心地よい風合い、そして1万本の糸を隙間なく超高密度に織り上げることで生まれる品のある光沢感。本来、凹凸のあるコットンをここまで高密度に織り上げることで、表面がフラットになり上品な艶が生まれます。

1万本の糸をまとめ上げる整経(せいけい)工程

整経(せいけい)後の糊付けを一切行わず、コットンの膨らみ感や素材の特性を生かした織りを実現しています。糊を使用しないことで、非常に微細な隙間が生まれ、高密度に織り上げることが可能となるのです。この工程は決して簡単ではありませんが、スタイルテックスの職人たちはその技術を駆使し、高品質な生地を作り上げています。

唯一無二の先染め・高密度へのこだわり

密度が高いため、わずかなミスも許されない緊張の現場

スタイルテックスが使用するスレン染料は、日光に対する強い耐性を持ち、特にコートのような屋外での使用が想定される製品には最適です。しかし、この染料を使用して糸をムラなく均一に染めることは非常に難しく、高度な技術と経験が求められます。この染料を使いこなすことができるのは、スタイルテックスの知見と培われた技術の成果であり、その美しい生地感はアパレル業界で長年高く評価され続けています。

すべて改造された織り機が並ぶ工場内

ベルギー製の改造ピカノール織機を使用し、染色された糸を限界まで打ち込み、高密度に織り上げることにこだわっています。このプロセスは、トレンチコートやバルマカーンコートなど、防風・保温性能が求められるアイテムには特に重要です。染色から織り上げまでの工程で何度も人の目で品質を確認し、ムラのない織り上がりを実現。その結果、同社の製品は光沢感や色合いが非常に美しく、仕立て上がりも抜群です。

ファクトリエ提携工場とのタッグ

縫製はコートで日本トップクラスの腕を持つ日貿産業が手掛ける

今回、スタイルテックスの高密度生地を縫製するのは、ファクトリエとも取引のある日貿産業です。50年以上の歴史を持つ日貿産業の縫製技術は日本トップクラスであり、これまでのスタイルテックスとの協力関係により、高品質なコートが作られています。両社の連携は、まさにベストタッグと言えるでしょう。

生地はすべて人の目によって確認される

品質を維持するための妥協を許さない姿勢は素晴らしく、原料手配から染色、製織、縫製に至るまで、細心の注意を払いながら品質管理を徹底されています。例えば、1本の糸の不具合がビーム全体(約500着)の使用不可に繋がる可能性があるため、厳密なチェックとメンテナンスが行われています。このような品質への強いこだわりが、同社の高品質なものづくりを支えています。

いかがでしたでしょうか?

ファクトリエでは今年の秋からスタイルテックスさんと取り組みを開始しています。ぜひコートをチェックしてみて下さい。^^

現場からは以上です。
最後までありがとうございました!^^

また来月も、よろしくお願い致します。

山田

《これまでの記事》
1.D2C創業、最初の壁を超えるための5つの基本

2.ものづくりについて
→D2Cブランドの99%はプロダクトで決まる

3.ファンづくりについて
→お客様をファンに変える。熱エネルギー型のブランド論

ファクトリエ《ベストバイアイテム

(最後に)
私自身がアトピー性皮膚炎であることから、肌悩みを持つ方向けの商品を開発しています。

現在は主にレディース中心ですが、もし洋服に困っている方がいましたら、ぜひ気軽に私のSNS宛(山田のTwitter)にご連絡ください。繊維の面から情報も記載しています。


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