俺のTCC|モード設定ver.6
※この記事はタスク管理ツールTaskChuteCloudの「モード」機能に関するものです。
TCCを使って3年。24時間ログを取るスタイルは一貫していて、その上で各機能の使い方についてはこれまでに5パターンくらい作ってきた。
最近「モード」の設定を変更したことでさらにタスクシュートが快適になり、またテンションが上がっている。私の発信や発言をよく聞いてくれている人は耳タコだと思うけど、本当にタスクシュートはどれだけ使っていても飽きない、楽しいツールだ。「今の自分」に柔軟に対応してくれる自由度がある。
今日はそんなモード設定の、以前のバージョン5の狙いと失敗例、そしてバージョン6の狙いとオススメする理由について書いていく。
v6は「全ての時間のログをつけていて」「登録ルーチン数が多い」人には特に効果がある。早く設定だけ知りたい場合は目次から「ver.6では」に飛んでいただけたら。
モード設定ver.5の狙いと失敗
前回のモード設定v5の狙いはどちらも大失敗だった。振り返って書いてみるとけっこう恥ずかしい。
「それはうまくいかんだろ〜〜」と、今なら思えるのだけど、考えた時には大マジ。きっと誰しもこういうことは起こり、避けるには事前に「失敗例」を知っていることは役に立つと思う。もし参考になれたなら嬉しい。
v5の狙いと失敗:"理想の状態"でタスクを実行したい→現実では"状態"をコントロールするのは難しい
狙いの1つ目は、「そのタスクをこういう状態で実行したい」という理想を、モード名&色で割り当てて、実際にそのように実行するというもの。
たとえば、食事はゆったり食べたいから黄緑(リラックス)、ブログは集中して書きたいから青(フォーカス)、人と会う時間は楽しみたいから橙に(JOY)、という感じだ。
しかしこれは、試してみると3つの問題があり失敗に終わった。
問題①:タスクの種類を瞬時に識別できない
私はルーチンタスクが毎日70ほどあり、それを「タスクプール」のように使っている。「タスクの実行順」を厳密には決めず、その時のノリでプールから選んで来るため、v5の色分けルールだとパッと見で「タスクの種類」がわからずに不便だった。
「あるタスクをこなした次に、何のタスクを持ってくるか?」たとえば「長い時間かけてハードなタスクをこなしたから、次はルーチンタスクの中から短く簡単にできるタスクを選びたい」のだけど、いちいち「どれが簡単にできるタスクか?」を探すために、タスク名を読んで識別するための0.5秒の負荷。
簡単なタスクも難しいタスクも、楽しんで取り組みたいものは橙だったし、集中してやりたいものには全て青をつけるなどによって、タスクの山から一瞬では「簡単なタスク」が発見できない。こういうほんのちょっとの不便がかなり負担だった。
問題②:事前に決めたようには実行できない
「このタスクはこういう気持ちで取り組みたい」という事前の理想は、実際には叶えられることが少なく、実行後に「ホントは集中して取り組みたかったなのになあ」といった、先に決めておかなければ1mmも想起することのない感情が生まれるのも問題だった。
特に、集中してやりたいとか全力を尽くしたいと思ったタスクに対しては大失敗。逆にリラックス系は比較的うまくいった。
リラックスして実行したいタスクに黄緑色(マスカット)をつけていれば、その色のタスクを実行する時はパブロフの犬的にやあyリラックスして実行できるようにはなった。
しかしこれが機能したのは「がんばらなくてもできる」タスクに対してだけで、なんというか「重力に逆らう」ようなタイプのタスクには効果がなかった。
「このタスクを実行する時にはいつも全力でやるんだ」という気持ちで赤(ローズ)をつけていたが、全力でやれることなんてよほど状態がいい時でないと難しく、最終的には「今は疲れていて全力ではできないから、このタスクはまた後でやろう」と先送りする始末。「モードを設定しているばっかりに先送りが発生する」という笑い話。
ということで、モードを使って自分の状態をコントロールしようとするのはうまくいかなかった。
※細かく言えば、リラックス指定のモードは◯。わりとうまくいく。楽しい気分でタスクを実行しようというのは△。ぼちぼち機能した。集中系がまったく✗で、その時の自分の状態がほぼ常に優先された。
問題③:実行後の設定変更がめんどい
先に指定していたモードと実際の実行モードが違った場合、いちいち実行後にモードの配色を変えるのが手間だった。
そしてだんだんモードを変更しなくなり、そうすると配色に記録的価値がなくなるため、最終的には色自体が意味を失いつつあった。
これらはまさに禁忌である「タスクシュートを"理想的に"使おうとして失敗した」という典型的な例だ。
v5の狙いと失敗②:タスクの実行順を最適化してパフォーマンスを上げたかった→色分けが機能しなかったので失敗
モード設定v5のもう1つの狙いは、タスクの実行順序を最適化してパフォーマンスを最大にすることだった。
たとえば赤の全力モード(意志力が必要な実行タスク)がどれだけ続けた時に、緑のリラックスモード(無でできるもの)のタスクを入れれば、もっとも調子がよくなるか?といったことを把握できないかな?と考えた。
しかし前述の失敗(狙った状態の色通りにタスクを実行することも、実際に実行した時の状態の色を正確に記録することもできず)で、計測不能になった。
ver.6では
v6の設定はシンプルに「タスクの種類で色を分ける」
v5の狙いをひとことで言うと、「意識状態をコントロールして各タスクの効能や生産性を最大化する」ことだった。
しかし、①「先に理想的な状態を指定する」逆算式に実用性はなく、②「『どう』実行したかで最終的な色を変える必要がある」運用方法は負荷が高かったため続かなかった。
v6では「適宜解釈が必要」な使い方をやめて、単純にタスクの種類に応じた色を固定でセットする、というだけのシンプルさ。
狙いは「次にやるタスクを見つけやすくする」こと。これによって結果的に「1日全体の生産性や豊かさを最大化する」ことだ。
これは「原点回帰」と言えそうな基本的な設定方法だと思うので、ベテランには物足りないかもしれない。
私はこれまでさんざんモード設定をこねくり回してきてやっとこの使い方を試したのだけど、まず1番にこれやっとけばよかった、、、となっている。
逆に初級者の方は、この方法をトレースしていただけるとTCCはかなり使いやすいはずだ。
実際の設定
実際の設定はとてもシンプルだ。
「体を使う」ものはキャロット、「集中が必要」なものはターコイズ、「今日絶対にやる」ことにはチェリー(これをやらないと先送りにカウントする)、「生活や家事」はリーフ、「休憩や遊び」はマスカット、「仕事」はエメラルド、といった分け方。
タスクの山をパッと見るだけでタスクの種類が識別できる。
そして実査に使ってみると、これが快適で効果がバツグンだった。
「タスクプール」式でTCCを使っている私にとって、ルーチンが70あるタスクの山から、今の状態に応じて次にやれるものがポンポン選べる。これは手動にも関わらず、快適な「下り坂」運用を実現してくれる神設定だった。
また、予定になかった新規タスクはモードをセットせずに無色で使うため、何が事前の予定で、何が突発タスクかもわかりやすい。
1日の終わりまでに、あとどれくらい負荷の高いタスクが残っているか?もパッと見でわかるのも助かる。
v6設定の利点まとめ
最後に今回のモード設定のよいところをまとめる。
1.「必ずやるタスク」を見失わず実行できる
例:今日絶対にやりたいものは赤にしておくことで、仮に100タスク残っていたってすぐに見つけられる。
逆に、必ずやる赤いタスクが50くらいあるような使い方では意味をなさなくなるので、そういう場合は赤をつけるタスクを厳選するか抽象化して少なくする方がいい。
どうしても減らせない場合、「絶対にやること」の中でも種類をつくり、それらを「赤」系で統一するなどはいいかもしれない。プラム、グレープ、ローズ、チェリーなど。
しかし「絶対にやること」を多くセットするのはあまりオススメしない。し、だんだんとTCCに入れているものは全部やれるようにもなるので、いちいち赤つけなくても大丈夫にもなる。
2.「今の状態に合わせたタスク」をすぐに選んで実行できる
例:エネルギーがある時は青や赤、通常モードでは淡緑、ちょっと疲れた時や休憩時には緑、リフレッシュしたい時には橙の体を動かす系や黄緑の遊びやリラックタイプのものを選ぶ、ということが瞬時にできる。
v5の失敗だった「タスクを実行する自分の状態を指定する」のではなくて、「自分の今の状態で実行できるタスクに着手する」という仕方、これが現実にフィットして大変使いやすい。
これによって、タスクからタスクへと切り替えていく速度が上がり、選ぶタスクを「今に最適化」できることでパフォーマンスも安定する。
たとえば、以前だとハードなタスク(赤or青)のあとは寝転がって休憩を入れていた。タスクプールには回復できるようなタスクもあったが、疲れている時に「そのタスクがTCCのどこにあるのか」を探す一瞬の手間がめんどくさかった。
v6にしてからは、ハードなタスクのあとは緑か黄緑のタスクでまだ未消化なものをさっと選んで実行していれば回復する上に今日やるタスクが1つ終わるので、とても快適になった。
さらにそうしていると、今の自分の状態ではどれを選べば回復が起こるか?という感覚も育っていき、この疲れ具合ならば、橙(散歩)か、緑(家事)か、黄緑(珈琲淹れて趣味の本読む)か、黄(瞑想)か、といったタスクの選び方が上達する。タスクの最適な実行順序を見つけやすくなる。
これは結果的にv5で狙った「各タスクの効能や生産性を最大化する」が実現していて、やっぱり「理想に現実を合わせる(逆算)」のではなく「現実に合わせて理想に向かう(順算)」方が成果が出しやすい。
3.結果的にタスク管理のエネルギーコストが下がってラクになる
これはそのまんまの意味。
TCCを使うようになって「生活はラクになるどころか記録で大変になった」とか、「仕事のパフォーマンスは上がったけど使うのが大変だよね」といった声も聞く。
これは扱うタスク数が多いからだと思う。数が多いものにはその数ごとに0.1秒分ラクになるだけでも変化がある。このモード設定によって1日に行うタスクの識別や仕分けが簡単になる。その結果「ラクに、より多くのタスクを、より質高く(ついでに楽しく)実行できる」ようになる。
今までいろんな設定を複雑に作ってきたけど、シンプルかつ成果の出る方法が1番だ。モードを使っていない方は、ぜひこの設定を試してみてといえるものができた。
何かわからないことがありましたら質問は大歓迎。実際に使って効果があったり、より「こうしたらいいよ」というものがあったら教えていただけると嬉しい。
毎晩21:40〜22:00にクラブハウスで「タスクシュート実践会」という作業部屋もやっているのでお越しください。作業部屋としてのご利用や、質問や雑談なんでもOK。たまにjさんも出現します。