意外と面積が大きい上腕筋
上腕二頭筋に覆われる形で付着しており、表面からは触診できませんが断面積は意外と大きい筋肉になります。
鍛える事で盛り上がりのあるバイセップスを構築できそうです。
付着位置
起始
上腕骨前面中央
停止
尺骨粗面 ☚ここポイントです。
作用
肘関節屈曲
付着の特徴
上腕骨中央前面に起始部を持ちますが、結構後外側から付着しています。
と言うもの、外側・中央・内側に筋繊維が分かれていると言われており、外側繊維が上腕骨後外側から付着しています。
肘関節屈曲作用
肘関節屈曲作用を持つその他の筋は上腕二頭筋、腕橈骨筋が存在します。
上腕筋は尺骨粗面に付着している事から、前腕の肢位に左右される事なく、肘関節屈曲に作用します。
前腕回外位では上腕二頭筋の起始と停止が向かい合い、効率よく動員されます。
前腕中間位では腕橈骨筋の起始と停止が向かい合い、効率よく動員されます。
上腕筋を狙って鍛えるなら、前腕回内位と言った所でしょうか。
いわゆるリバースカールですね。
ただ、重量を扱う事が難しい点がボトルネックです。
筋と腱の構造
通常筋肉は起始・停止に近づくにつれ筋腹が腱に移行しますが、上腕筋は腱部分が限りなく短いのが特徴です。
一方下腿三頭筋は腱部分がとても長く、アイソメトリック運動を得意とします。
上腕筋は腱部分が短い事からアイソメトリック運動を苦手としており、肘が曲がった状態でキープしている姿勢を長時間行う事で痛みやしびれが生じます。
派生して肘や手首の痛みも考えられます。
赤ちゃん抱っこ姿勢や、ボクサーが常に構えている様な姿勢が当てはまります。
尺骨粗面を圧迫しながら、肘の曲げ伸ばしを行うと良いと思います。
支配神経
筋皮神経の支配を受けています。その他肘屈筋群と同じ神経ですね。
また一部橈骨神経の支配を受けているとされています。主に外側繊維です。
橈骨神経とは上腕三頭筋の支配神経になります。
橈骨神経とは腋下神経の枝分かれした神経であり、三角筋の支配神経になります。
支配神経から考えても外側繊維はかなり後方から付着していると言えます。
肘関節インピンジメント
肘関節屈曲時は上腕二頭筋が内側から、上腕筋外側繊維が外側から引っ張る事で、スムーズな肘関節屈曲動作が可能になります。
おわり。