面白かった大学の授業について
大阪校で授業運営の勤務に入ってたら、部活つながりで知り合った後輩に久しぶりに会ってびっくりしました。(しかも2人)
どうも皆さんこんにちは、理科一類2年の川島と申します。
なんと今月3日以来、中1日でのnote登場となりました。先発投手もびっくりの登板(投稿)ペースですね。
直近2回の僕の記事では主に受験勉強について語ったので、今回は大学生活について書こうと思います。
東京大学前期教養課程の授業は大きく、基礎科目・展開科目・総合科目・主題科目の4つに分けられますが、今回は主題科目にフォーカスを当てていきます。
大学の授業というものは実に多種多様なものが開講されていますが、とりわけ主題科目はそのレンジが最も広い授業だと言えるでしょう。前期課程を修了するためには必ず2単位取らなければならないので、大学2年生以上のスタッフは絶対に何かを受けているということです。
僕が取った主題科目は「考える力を養う」という授業で、トランプゲームのコントラクトブリッジを学んでプレイするという内容でした。先生は日本リーグにも参加している上級者だそうです。
コントラクトブリッジというのは4人でプレイするゲームです。四角形の卓に座り、向かい合った2人がチームとなります。まず、ジョーカーを除いたトランプを各プレイヤーに13枚ずつ配ります。次に、「自分たちのチームが13回中いくつの勝負に勝てるのか」と「切り札にするスートはどれか(切り札については後述)」を宣言していきます(これを「ビディング」といいます)。宣言が決まったら、各プレイヤーが1枚ずつ順にカードを出していき、4枚の中で一番強いカードを出した人がその勝負に勝つ(これを「トリックを取る」といいます)、ということを13回繰り返します。これが13回すべて終了した時に、、獲得トリック数が宣言以上だったときは宣言した側のチームのポイントが増え、逆に宣言未満だったときはポイントが減ります。
さらに、この「各プレイヤーが1枚ずつ順にカードを出していく」フェーズにもルールがあります。まず、2番目以降に出す人は一番最初に出されたカードと同じスートを持っていれば必ずそれを出す必要があります(ハーツをプレイしたことがある人にはわかりやすいと思います)。さらにカードの強さの判定も複雑で、基本的には「最初に出されたスートのA>最初に出されたスートのK>・・・>最初に出されたスートの2>その他のスート」なのですが、宣言によっては「切り札」と呼ばれるスートが設定され、このスートのカードは最初に出されたスートよりも強いという扱いになります。
その上で、宣言の内容によって達成した時に得られる点数も変わってくるのですが、そこまで話すと長くなってしまうので省略します。
では授業がどのような流れで進んでいったのかをざっと振り返ります。
まず第1回目はガイダンスでした。コントラクトブリッジがどのようなゲームかと、基本的なルールについて教えて頂きました。
第2回目から第5回目までは細かいルールやプレイのテクニックについて学びました。プレイのテクニックというのは、切り札の扱い方や、どのような手順でカードを出していくかの考え方などです。
そして第6回目から第10回目までで、コントラクトブリッジ最大の醍醐味(だと思っている)であるビディングについて学びます。先ほど言ったようにコントラクトブリッジは対面に座っている人とチームを組むのですが、相手の手札の良し悪しは自分からは解りません。「それだと2人合わせてどれくらいのトリックを取れそうかなんて分からないじゃないか」と思った方も多いでしょう。そこで、ビディングを通して自分のカードの強さやスートの偏りを相手に伝えるのです(たとえば「手札の強さが22TP以上ならスートの偏りによらず最初は必ず2♧と宣言する。相方はこれに対して必ず返答しなければならない。」や、「相方が1♡と宣言してきて、自分の手札は10~11TPかつ♡3枚以上あるときは3♡と返答する」のような感じです)(TPというのは絵札の多さやスートの偏りによって求められる手札の強さの指標です)。
この伝え方(ビディングシステムといいます)は実に細かく分かれていて、その分自分の手札の良し悪しを詳細に伝えられるようになっています。その分、覚えなければいけない量も多いのですが......しかしとても合理的・システマティックに作られているのですごいです。
そして第11回目でディフェンス(宣言しなかった側のチーム)の戦略を学び、第12、第13回目で試合をやる、という流れで授業は進んでいきました。
ではタイトルにもなっている「考える力」について。コントラクトブリッジというゲームでは、時に繊細に考えることを要求される場面が来ます。たとえば9トリックとると宣言した場面で、「100%9トリックとれる戦略」と「50%の確率で10トリックとれるが50%の確率で8トリックしか取れない戦略」があった場合、点数計算的に前者の戦略を取らなければなりません。「65%の確率で成功する戦略」と「50%の確率で成功する戦略」があった場合も前者の選択を取った方が良い結果が出ます。また、その戦略を立てるためにも、「このスートはもう8枚出たからあと5枚残ってるな」とか、「この場面でこのカードを出してきたからこの人はこれ持ってないだろうな」などと覚えたり考えたりしながらプレイする必要があります。正直、13回の授業では浅くしか学べてないなと思うくらい、めちゃめちゃ奥深いゲームでした。
授業内では毎回実習としてBBO(オンラインでコントラクトブリッジができるサイト)を利用した練習が行われるのですが、僕自身も「こう出していけばいける」と思いこんでたら相手から弱いスートを続けて攻められて失敗する、という経験を何度もしました。自分が考えた戦略が本当に安全か、最後に立ち止って検証する大切さ(と難しさ)を学びました。
ここまで僕が取った主題科目について長々と語ってきましたが、そのほかのも面白そうな主題科目がたくさん開講されています。もしスタッフと話す機会があればどんな授業を取っていたかなどを聞いてみても面白いと思います。そしてコントラクトブリッジに少しでも興味が湧いたという人は、是非授業を受けてみてください!!!!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?