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スタッフが語る ~東大地理 勉強法~

現役東大生スタッフが地理の勉強法を紹介します!

皆さんこんにちは、東大特進スタッフで文科二類二年の角田です。東大特進スタッフになってはや1年と少しが経っていますが、実は今日がはじめての登場になります。はじめまして。最近文二から農学部への進学を目指し単位集めに奔走しているので、もしかしたら進学選択の記事なんかでまた皆さんのお目にかかる機会があるかもしれません。

 社会2科目での受験が必要な、数少ない(唯一?) 国公立大である東大の受験生を除けば、そもそも二次試験で地理を用いる人はそうそういません。なので、需要と供給の関係というもので、必然的に二次試験向けの論述問題集だったり、論述を意識した参考書だったりがなかなか見つからない、あるいは皆さんの通っている学校次第では、論述対策の指導をしてくださる先生を探すのにも苦労するかもしれません。そのため、何を勉強したらいいかわからない、どういった学力が二次試験で必要とされるのだろうかといった悩みが、昨年の1年間生徒の皆さんの学習指導に関わる中で散見されました。そんな中、自分が強くおすすめしてきた(個人的)最強問題集とその活用法があるのでご紹介しようと思います。

 センター試験(共通テスト)の過去問集です。いやマーク式でしょって話だよねって思った皆さん、考え方が逆です(逆ではないです)。マーク式だと論述問題と違う思考プロセスや知識が必要となるかというと、全くそうではありません。結局マーク式で回答する際には、1)データや地図を読み込み、2)そのデータや地形が形成されるに至った要因を考察し、3)複数個の選択肢の中から1つを選ぶというプロセスをたどるわけですが、ゴールが3)になるのがマーク式で、2)を回答に用いるのが論述問題というだけの話です。そのため、マーク式問題集をやり込み、解いた問題で必要となった知識を資料集あるいはデータブックに探しに行き読み込む、その繰り返しが論述にも共通する知識の網羅につながります。復習ベースの受注生産方式で学習を進めるべき科目だという認識です。ただしセンター試験では取り扱われにくい地誌や、その他頻出分野外の分野には、個別での対策が必要です。これは正直出そうなところを予測するしかないですが...

 また、このように学習を進める中で意識するべきポイントがあります。日本史の回ですでに石原さんが素晴らしすぎる説明をしてくださっていますが、「意味を考える」ということです。地理の場合は何故そのデータになっているかです。例えばアルミニウムの生産国の顔ぶれと、その原料たるボーキサイトの産出国のそれは一致しないことが多いです。ボーキサイトの精錬には膨大な電力が必要で、発電に余力がある/発電コストが安い国々でないと産業化が難しいからです。そしてその余裕を生む要因として豊富な産油量に任せた火力発電、あるいは地形を生かした強力な水力発電があげられ、さらにそれらの資源を生むに至った新期造山帯などの分布...と、ちょっとしたデータにも掘り返せば無限の背景があります。その背景について可能な限り深掘りを進めることが、そのデータそのものの記憶にも繋がりますし、そのデータと関連する膨大な量の知識もまた同時に脳内にインプットされます。この過程で体系化された知識と、醸成された思考プロセスが論述において必要とされるもののすべてだと思っています。

 こうしてマーク式の問題の有用性について熱弁してきたわけですが、受験戦略上でも強力なツールになると思っています。というのも、当たり前ですが共通テスト対策になるからです。一般に地理を選択される方は世界史との組み合わせが多いですが、世界史はとにかく完成までに時間がかかり、地理に割ける時間が生まれるのは秋以降になる、というのは現役の皆さんには起こりやすい話です。ですが、共通テスト対策と論述対策が同時に行えるとなれば、そう両立にも苦労しないはずです。もとをただせば二つの試験で求められる能力が同じだからというところはありますが...そして、それで余裕を生めれば世界史も強化できて、総合力でダブル史選択にも打ち勝てるはずです。

 以上個人的におすすめする地理の学習方法でした。最後に東大特進のブログということで東大特進コースの宣伝をしておこうと思います!東大特進コースで開講されている村瀬先生の「東大地理特講」は、そうしたデータの背景を重視される素晴らしい授業です。そして、勿論t-POD(映像授業)でも開講されているので、時間的、あるいは地理的に厳しい方でもPCスマホ一つで簡単に受講できます。是非とも受講してみてください、地理の正しい学び方について実感できると思います!ではまた!

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