第3回東大本番レベル模試 世界史所感
総評:標準
第1問:標準
2020年東大世界史第1問と同様、史料が付された問題でした。今回のように、同時代の別々の国や地域の展開、いわゆる「横の歴史」の理解を問う問題は頻出です。普段から教科書や史料集を読む時に、「横の歴史」について意識しながら読むことが出来ると良いでしょう。
本問は、19世紀末から1920年代初頭にかけての中国、インド、ロシアにおける政治運動について問う問題でした。問題文の第1段落を読めば、3国それぞれをどのような状況におかれた国として、どのようなことを解答すればよいのかが分かったと思います。指定語句や史料については、おおむねどこの国を説明するときにどれを用いればよいか判断しやすかったといえるでしょう。ただし、「ザカフカース」をどのように解答に入れるか、史料Aが具体的には何を指すのかが分かりにくかったかもしれません。
模範解答に書かれてあることはどれも教科書レベルのことですが、実際に600字近い解答を書いてみると、なかなかうまく書けるものではないですし、今回出題された範囲は覚えければならない出来事が非常に多く、複雑です。知識に抜けや自身のないところがあれば、この機会に解説や教科書などを読んで確認しましょう。
第2問:標準
問(1)
(a)リキニウス=セクスティウス法、ホルテンシウス法の2つの法が出された順番や内容を混同しないように気を付けましょう。
(b)重要度が高い問題です。抜けている箇所があった人は、この問題を優先して復習しましょう。
問(2)
(a)少し難しめです。余裕がある人は復習の際に歴代中国王朝の都の名前に加えて、特徴も確認すると良いでしょう。
(b) 教科書で明の北京支配の終焉から清の北京支配に至る過程を読んだことがあっても、模範解答のようにすべての要素を不足なく解答するのはやや難しかったかもしれません。
問(3)
(a)侵入した時期や王朝をひとつひとつ覚えるのは大変でしょうが、重要事項です。知識に抜けがあった場合は、問(1) (a)と同様、優先的に復習しましょう。
(b) 近現代史について学習済みであれば、確実に点を取りたい問題です。高3生でまだ近現代史までの学習に取り組んでない人は、早急に取り組みましょう。
第3問:やや易
今回出題された問題は、教科書に載っている基本的な語句を答える問題ばかりで、満点を狙いたいところです。覚えていないところが見つかった人は、ぜひ教科書や単語帳を確認しましょう。
高3東進生の方は、「東大世界史第三問演習」を活用して、東大世界史で求められる「歴史を俯瞰する視点」を修得しましょう。
(3)「グプタ朝の最大領域を実現した君主」というところから、正答を導きましょう。
(4)「法学研究」「北イタリア」というところから、「ボローニャ大学」が正答であることを導きましょう。南イタリアにあり、医学を中心としていたサレルノ大学も、合わせて確認しましょう。
(10)近現代史の学習まで手が回っていない人は、答えられなかったかもしれません。上記にもありますが、高3生でまだ通史の学習を終わらせていない人は、早急に終わらせましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?