城山公園のプチ整備&植生勉強会
今日は約1年ぶりに、本山城址公園周辺を歩きました。
というのは、
今年から、高知県本山町の森林関係の分科会委員になってまして。
具体的には、「土佐本山コンパクトフォレスト構想」に関連する委員。
一般的に森林の管理は、所有者単位で管理方法も個々に扱われてきた。けど、現在、森林の管理を加速しないと、どんどん荒廃が進むぞ!というフェーズにある。そこで、町内の森林をえいやと一枚岩として見たときに、効率よく場所場所の特性を活かしつつ、包括的かつ戦略的な管理をしていくための地域計画といったイメージ。
その1つの分科会である「城山公園整備」の委員に「有識者」として配属されてます。(初めて有識者って言われて、若干あせる)
今日は、講師とともに植生を学びつつ、整備作業もしよう!の会。講師は、牧野植物園の職員で、栽培も保全もできるスーパーウーマンと尊敬している藤井さん。昨年度は、帰全山公園の整備も関わってくださり、先月の「大地の再生講座」にも参加してくれて、学びを共有しながら進んでいるのが心強い。
城山周辺で見た植物。一部紹介
そんなわけで、今回教えてもらった植物を紹介しよう。
そう。今は、シカ食害というのが、ほんとに脅威なのだ。
ここは、人里近いこと、まだシカが及んでいない(吉野川の向こうは結構食べられてる印象)。
本来、ここに植物がいるということは。水、光、土、風、(場合により生きもの)といった「環境条件」が揃う必要がある。タネが落ちて、根を下ろし、芽が出て、大きく成長する。長いプロセスが滞りなく流れていくための、「環境」があったわけで。
でも今は、環境があっても、鹿にパクパク食べられちゃってすぐ消えてしまう可能性が高まっている時代。
「ふつう」に生えているものが、どんどん「ふつうじゃなく」なっているようだ。
「里山の植物」。昔は畑や田んぼの作業とともに、草を頻繁に刈ったり、落ち葉かきをすることで、生きる環境が保たれてきた植物たちがいる。
ノコンギクも里山っぽい植物だけど、ほかにもたくさんあって。
写真はないけど、クサノオウ(黄色い花が咲き、茎から黄色い汁が出るかわいいやつ!有毒だけどね)が、道端に生えているということも、「すごい!」とのことだ。
ちなみに、クサノオウの私の印象は、都会でもちょっと湿った感じでいい土があるところにチョロっと生えてるイメージ。
藤井さんいわく、「本山町はベースがいいから、環境をちょっと整えていけば、すごい植生になるはず!」だそうだ。
わたしも、そうだと思う。
藤井さんいわく、ここは北向き斜面で、吉野川が近くにあることが、「いい感じ」の植生をもたらしているのでは。ということ。
北向き斜面は、日光が適度に当たること。
吉野川から上がってくる「霧」が乾燥から守ってくれること。
このあたりが、わたしのような植物好きが多様性を感じてウキウキしてしまう、要因のようだ。
展望に到達
整備タイム。ツツジを剪定した
つる性植物がいろいろ絡んでいたり、
木が間から生えてきていたところ…
つるを取りのぞき、
枝を透かした。
周りの草は、「風の草刈り」でほどほどに刈ったり、
スコップでちょっと土に穴を開けたり。
30分くらいだったかな、作業時間。
少しのことでも、みんなでやっていくと、達成感があっていい。
枝をみていると、
カキ、ヤブムラサキ、クマヤナギ、ソヨゴ、アラカシ、ヒサカキ…
いろんなのがあって、
多様性が高いのだなあ~とわかる。
植栽も自生も混ざってるだろうけど、賑やかさがある。
さいごに
一緒に登ったメンバーは、歴史に詳しく、本山城としての歴史の名残りを教えてくれたりして面白かった。0歳児から高校生、おじさんまで、幅広いメンバー10人くらいで登って学んで作業して。あっという間の2時間半。
みんなで歩くと、学びが拡がり、楽しみを共有できる。
くっつき虫(植物のタネ)にくっつきまくられたり、身体を動かしながら他愛のない話をしていくこと。
こういう場は、一人でやるより楽しみがいくつものレイヤーにまたがって厚みが出てくるから、とても好きだ。