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💙とことんユーミン💙流線形'80


1978年11月5日リリース、ユーミン6枚目のオリジナルアルバム。

* イラストレーターの矢吹申彦さんがジャケットのイラストを手掛けました、
* 帯コピーは
「新たなる衝撃!! これこそ完成されたアルバムと言えるでしょう。」
* キャッチコピーは
「まだ見ぬストリームライン(流線形)がユーミン・シティを駆けて行く」でした。
* 発売当初、カセットの収録順は「ロッヂで待つクリスマス」「埠頭を渡る風」「魔法のくすり」「Corvett 1954」「12階のこいびと」「キャサリン」「入江の午後3時」「かんらん車」「真冬のサーファー」「静かなまぼろし」
1981年の再発時には正式な順序に戻されました。

1ロッヂで待つクリスマス
2  埠頭を渡る風
3  真冬のサーファー
4  静かなまぼろし
5  魔法のくすり
6  キャサリン
7  Corvette 1954
8  入江の午後3時
9  かんらん車
10 12階のこいびと

1ロッヂで待つクリスマス

2  埠頭を渡る風

3  真冬のサーファー

4  静かなまぼろし

5  魔法のくすり

6  キャサリン

7  Corvette 1954

8  入江の午後3時

9  かんらん車

10 12階のこいびと

さて前作「紅雀」はコアなファンには
たまらない魅力あるアルバムですが、
売り上げはそれほど伸びずに終わりました。
ここで起死回生の一発!とも言うべき
6枚目のアルバム「流線形‘80」が登場しました。

1978年という年を見てみると・・・
成田紛争で大波乱の末、成田空港が開港しました。
映画「サタデーナイトフィーバー」が封切られ、
ディスコがブームとなります。
私でさえ赤坂のディスコに行ったほどです。すごく流行りましたね。
キャンディーズが「普通の女の子にもどりたい」と言う名文句で解散。
そんな時代でした。

1 ロッヂで待つクリスマス

1987年の映画『私をスキーに連れてって』では
インストゥルメンタルバージョンが使われた。懐かしいですね。


2 埠頭を渡る風

12枚目のシングルとして発売。
ここでの「埠頭」とは晴海埠頭のこと。
私はてっきり本牧埠頭を思っていましたが。
稲垣潤一 with EPO(2010年)のカバーヴァージョンも素敵ですね。

3 真冬のサーファー

山下達郎がバック・コーラスなんてすごいですよね。
1991年映画『波の数だけ抱きしめて』挿入歌。
お時間あったら映画見てね!

ユーミンのお姉様が嫁いだ千葉銚子・飯岡の海のサーファーたちが
モデルと言われていますね。


4 静かなまぼろし

1978年にフジテレビの『ミュージックフェア』で
共演した沢田研二への提供曲です。
緊張し切ったユーミンが可愛いです。
この動画 好きすぎて、何度も見てます。

5 魔法のくすり
「男はいつも最初の恋人になりたがり、
 女は誰も最後の愛人でいたいの」
この言葉の元祖はオスカー・ワイルドの名言の
「男は愛する女の最初の男になる事を願い、
女は愛する男の最後の女になる事を願う」

Men always want to be a woman's first love.
Women like to be a man's last romance.

名訳ですね。

6 キャサリン

ユーミンが立川の基地で遊んでいる時、仲の良かった友人がモチーフ。
レイバン似合うなんて羨ましかった。
シングル「埠頭を渡る風」のB面。

7 Corvett 1954

シボレー・コルベットをテーマにした来生たかおとのデュエット曲です。
当初のタイトルは「Corvett 1953」でしたが、メロディーに載せると語呂が良くないということ、またユーミンの生まれた1954に肖って、
レコーディングの途中で「1954」となったそうです。


シボレー コルベット1953年モデル


8 入江の午後3時
11枚目のシングルとして発売。ここでいう入江とは三浦半島の油壺の入江。
シングルのジャケットは神奈川県に所在する葉山マリーナで撮影されました。


9 かんらん車
雪も舞う寒い冬に独りで閉園前の観覧車に乗るという
失恋ソングの定番。
世田谷・二子玉川園の観覧車がモデルです。

wikiより


10 12階のこいびと
明るい曲なのに、自殺を示唆するラスト。
のちに16枚目のシングル『星のルージュリアン』のB面の曲として収録されました。

男を見ている女


今から10年前2013年、
酒井順子さん著書「ユーミンの罪」を
テキストにしています。
「流線形‘80」のタイトルは「恋愛と自己愛のあいだ」です。

ユーミンの曲に見られる「助手席性」についての視点が面白いです。
「ロッヂで待つクリスマス」の主人公は
ゲレンデで見ているけどスキーに参加してない。
「真冬のサーファー」の主人公も
魔法瓶にあたたかいコーヒーを用意しながらも、
サーファーたちを見ています。

「参加しないが、共にいる」見つめてる行為で満足するのが助手席性。
男たちはスキーなりサーフィンに夢中で、彼女は二の次って感じですよね。

「私はこの頃から日本の若い女性が「○○をしている男の彼女としての私」という自意識を強く持ち始めたことを示すのではないかと思います。それはスキーやサーフィンをしている彼が好きというより、スキーやサーフィンをしている彼を持つ自分が好き、という感覚です。スキーやサーフィンのみならず、スポーツカーに乗る彼を持つ私」でもいいし、「X X大学に通う彼を持つ私」でもいいのでしょう。どのような彼を持つかによって自分と自分の青春との価値が決定するが故に、女性達は車種や大学名やスポーツといった、彼に付帯する状況を厳しく選ぶようになっていきました」 

ユーミンの罪 P65〜P66


この時代、女は男を「見て」いました。助手席から、浜から、ロッヂから、そして別れた後はかんらん車から。しかしそれは、ただすがるように見ていたわけではない。「この男は、私に価値を与えてくれるのか」と女達は見定めていたのであり、彼女達のそんな男性を通して深める自己愛が、この先もどんどん肥大していくことが予感されるのでした。

ユーミンの罪 P68




そうでした。
あの頃 世間の女の子は
車で、学歴で、趣味で
男の子を選んでいました。
適当に遊んで、
さらっと結婚していく友人もたくさんいました。

私は助手席より運転席で、
全てをコントロールしたかったのだなあと
今人生を振り返って思います。

いつからか、女性たちは私のように
助手席でなく運転席を選んで、
結婚もしなくなっていきました。

欲しくてたまらなかったシルビアS10
5速マニュアルが欲しかった・・・


1979年に新東京日産に就職して中古で買ったのはブルU 2000GT



このアルバムはSURF&SNOWの始まりだったと思います。

1980年代を前にして、あの頃、あなたは何を感じていましたか?


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