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★「機動戦士ガンダムGQuuuuuuX」のネタばれあります

気にする方は回れ右。

今まで「機動戦士ガンダム」を冠した作品は「架空歴史戦記」と言って差し支えなく、そのバックボーンとして例えば「宇宙世紀」があり、面倒くさいガンダムのファンたちは少なからずそれらを楽しむ一環として「架空の歴史の整合性」を求めてきたわけです。

で、今回のジークアクスの世界観設定はいわゆる「マルチバース」と言ってしまってもまあ問題がないでしょう。初代ガンダムのパラレルワールド。
年代的には宇宙世紀0085年とのことで、正史であればデラーズ紛争(0083年)とグリプス戦役(0087年)のちょうど間くらい。
本来であればデニムとジーンとスレンダーのザクⅡ3機がサイド7に潜入して、戦果を逸ったジーンが先行した結果アムロがガンダムに乗ってしまう流れになりますが、ジークアクスの世界ではジーンのザクが故障してサイド7への潜入ができなくなった結果、シャアとデニムとスレンダーが潜入のメンバーになり・・・という。

もはや「語るまでもないはずだった」、
第1話「ガンダム大地に立つ!!」の冒頭のシーン

マルチバースってもう国内ですら当たり前の手法になっているにもかかわらず、「ガンダム」はゲームや書籍媒体等で宇宙世紀という背骨の周囲で延々と「また新しいガンダム漫画かよ、一年戦争中にこんな機体あるわけねーだろw」とかやってきたわけですね。まあそれはそれでいい。
「それはそれ」を楽しめる人たち向けの作品群でした。
市場そのものはバカデカいですが、率直に言ってクローズドサークルだったんですね。僕もその閉じた世界の中でキャッキャしてたタチですし、恐らくバンダイ自身も閉じた世界が膨れ上がっていくことを認識していたと思います。例えそんな世界の中でも売上があって食い扶持を稼げていればそれでいいよ、既得権益の何が悪いんだ、というのはまあ産みの親である富野監督が嫌がった姿勢ではありますが。

で、ジークアクスはそこに風穴をブチ空けた初めての作品になりました。
去年でガンダムは45周年だそうで、マルチバースの作品がガンダムから産まれるまでに、実に約半世紀かかったわけですね。
地球の周囲の巨大な人口宇宙都市が人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいくくらいの時間が経過したわけです。
そしてそれをやるにはスタジオカラーという土台が組み上がる必要があった。
バンダイがこの閉じた世界に穴を空けることを許す、もしくは膨れ上がった風船の中の空気が淀んでしまったので、風船を破裂させて外の世界の新しい空気を吸うために助けを求めたのかもしれませんが、とにかく「スタジオカラーによる機動戦士ガンダムGQuuuuuuX」という作品はそういう立ち位置にいる、と僕は思っています。

富野由悠季監督は「未来を生きる子供たちに『今の世界はゴミカスみたいなものでこのままではお前らに未来なんて無いんだぞ』ということを今の世界を構成してきた大人として言えるわけがないから、じゃあこういう方法なら未来はあるんじゃないか」という提示を作品を通してずっとしてきたわけですが、それがいわゆる「ニュータイプ論」だと僕は捉えていてそれがとても好きなので、「スタジオカラーの機動戦士ガンダムGQuuuuuuX」もそれを受け継いでくれているものであったらいいな、もしかしたらそれ以上のものも見せて欲しいな、なんて思っています。イチ視聴者の無責任な希望です。
以上。

ジークアクスのネタバレあったか?まああったろ。
それじゃあ、またね。


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