★好きなミスチルの話をします02
昨日の「僕」は、明日の「僕」は、「きみ」であり、「あなた」であり、「彼」であり、「彼女」であり・・・という曲。
他人のことを自分のことだと思って、身近な人たちに寄り添い、思いやり、自分のできうる限り優しくありたい。
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もし自分の葬式に何か好きな曲を流せるリクエストを出しておけるとしたら、この曲をお願いしたい曲。
毎日のうれしいこと、たのしいこと、ひとつひとつについて事細かには覚えてはいられないけれど、家族、親戚、友人、知人、行きつけの店の人たち、仕事で関わった人たち。
たくさんのことをぼくはしつこく思い出す。
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この曲のMVは、赤紙で徴兵されて戦死した父親との別れと、その父親が遺してくれたものが遺された者たちの涙で芽吹くというような描写があるのですが、実際に自分が数年前に祖父母たちとの別れを経験したときの心情と重なってしまって、聴くと今はもういない祖父母を思い出して必ず涙がこぼれてしまう曲になってしまった1曲です。
僕の父方の祖父は大陸に憲兵として派兵され、終戦後は最後の帰還船に密航して文字通り命懸けで帰国した人で(※)、一方母方の祖父は国内で戦闘機の生産をしていて終戦後はダイハツに務めた人でした。
そんな人たちがいなくなってしまった世界で、何か一つでも受け継いで芽吹いたものであれたら。そんなことを思っています。
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『ミスチルCメロに曲の本題が詰まっている説』があると思うのですが(※所説有)、この曲は特に明確だなと思っています。
諦めること
妥協すること
誰かにあわせて生きること
考えてる風でいて
実はそんなに深く考えていやしないこと
思いを飲み込む美学と
自分を言いくるめて
実際は面倒くさいことから逃げるようにして
邪にただ生きている
たぶん誰でも、「そういう風に生きた」ことはあると思いますが、それを「邪(よこしま)にただ生きている」と言い切ってしまうことで、自問自答をしながらもこの曲を聴いている人にも同時にその刃を突き刺してきていて、この曲を聴くといつもその酷薄さと切実さを思い知らされます。
背筋の伸びる思いです。
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世界は何かに擬態したモノで満ち溢れているけれど、それでも、と言える強さを手にしたい。
富を得た者はそうでない者より満たされてるって思ってるの!?
障害を持つものはそうでない者より不自由だって誰が決めんの!?
それじゃあ、またね。