思い出すこと
二年前の今と同じ時期、一番怖かったことは
余命宣告をされた父にどう向き合うかだった
だって
命が尽きる人と関わるんだよ
何をどうしたって死んでしまう人が
私の一番大事な父なんだから
でも
迷っているうちにも父に残された時間は
遠慮なく少なくなる
だから
怖さをぐっと飲み込んで毎日お世話をした
人間ってすごくてさ
死に行く人も
死に行く人に関わる人も
そのうちにその状況に慣れてくる
辛く悲しい中にも隙間を見つけ
新しい食べ物やマッサージや会話や
父の気に入るものを見つけ出し
世話をする喜びを見つけていく
何せターミナルだから
昨日良かったことは今日通用しない
でも、探す
父の最後の時間が満たされるよう探す
すなわち、それが私達の幸せだから
父と真剣に関わっていたときは
悲しいけれど幸せだった
本当に大切な人や
大切な時間を扱うときは
他人の悪口なんか言わない
そんなことをしている
時間が勿体ないから
悪口は自分や他人を疲れさせると
知っているから
人を批判してる人が多い世の中が
私にとっては一番怖い
コロナが蔓延する今の世の中
まだまだ暇な人がいる
誰かが何かするとすぐに批判する
そんな時間は勿体ないよ
本当に怖い敵と戦うときは
仲間の悪口を言ってる暇はないはず
押忍