東川という町の魅力
写真展「Kamuy」は本日無事に初日を迎えることができました。緊急事態宣言中にも関わらず、1日中途切れることなくご来場いただきました。おかげさまで楽しい時間を過ごすことができ、心地よい疲れに包まれています。
この写真展は美瑛の隣町、東川町の企画展として開催されています。つまり、この写真の彼らが企画し、準備し、この場を作り上げてくれたのです。作品の多くは品川キヤノンギャラリーSで展示したものではありますが、そもそもそういった発想ができるだけでもすごいことですよね。町民でもなく、言ってみれば個人の写真家のためにこれだけの人が動き、準備してくれる。写真を担当する課があるのですからね、ちょっと東川町というのはいい意味で変態です。
彼らと会話をしていて気づいたことがあります。それは、絶対にネガティブな発言をしないこと。やってみます。考えてみます。なんとかします。そういった言葉が先に出るんです。僕は元公務員ですから、その言葉がどれだけすごいかがわかります。公務員って前例主義ですから、新しいことはまず否定することから始まります。前にやっていないことは予算もつかないし、決裁も降りないから難しいと思います。そう答えてしまうものなんです。僕もそう教えられていました。そんな在職当時に僕がとっていた作戦は、「それはできないけれど、こうしたら可能性はあるかもしれない」という代案を出すこと。結果、お客様は納得してくださるんです。
僕は決して優秀な職員だったわけではありませんが、東川の彼らの働きぶりをみていると、いい意味で公務員らしからぬ前向きさを持ち合わせていて、これはきっとトップを始め、役場全体がそういう雰囲気なのだろうなと想像できます。
写真を町おこしに使うことについては当時賛否両論あったことでしょう。今でもあるのかもしれません。でも、こうした彼らの働き方をみていると、写真をきっかけに、生きがいのあるまちづくりを東川は目指しているのだなぁということを実感できるのです。つまり、写真の先を見ている。ギャラリーに在廊していると、町民の方がフラリと来場され、花が咲いたから見においでといった会話がされています。こんな役場ありますかね。役場はめんどくさいところ。東川町民にはそんな感覚はきっとないのだろうと想像します。
そんな素敵な彼らに会いにいらしてください。森山大道Tシャツを着てお待ちしています。