北九州市「2050 まちづくりビジョン」を考える 「第3回まちづくりサロン」を開催しました!
北九州市には、首都圏企業を中心に、多くの企業が進出!
北九州市 2050まちづくりビジョン note事務局の小倉地区担当です。
北九州市を中心に働く方々が集まり、働き方や働く場所について考える「まちづくりサロン」。今回は、2023年2月16日(木)に㈱YEデジタル本社 オフィス見学会を開催しました。
本市には、企業誘致の取組により、首都圏からの企業が多く進出しています。
「なぜ多くの企業が北九州市に集まっているのか?」
「小倉のまちで働くって、実際どうなの?」
その答えを見つけるために本市へ視察に来た首都圏企業の方々にも特別にご参加いただきました。
「㈱YEデジタル本社 オフィス見学会」について
首都圏企業のほかにも、前回に引き続き北九州の地場企業の方々も参加。さらに、首都圏を中心とした約90社の企業・団体のオフィス管理担当者が集まって、月に一度オンラインやリアルでセミナーを開催している「FM会」のメンバーも参加しました。
小倉のまちの雰囲気や環境をリアルでもオンラインでも体験していただき、働く場づくりのヒントにしてもらえたらと考えながら、私たちもこの日を楽しみにしていました。
本社移転で変わったこと
㈱YEデジタルは北九州市小倉北区に本社を置き、㈱安川電機から独立したソフトウェア開発などを手掛ける企業です。
2020年5月、八幡西区から小倉北区に本社を移転しました。この新本社は、時代のニーズに対応し、知的創造を誘発する優れたオフィスを選出する「第34回日経ニューオフィス賞」(※)に選ばれています。
※「日経ニューオフィス賞」……経済産業省、日本商工会議所の後援を得て、1988年から一般社団法人ニューオフィス推進協会と日本経済新聞社との共催で毎年実施している顕彰事業。
本社移転をきっかけに、さまざまなプラスの変化がもたらされたという「㈱YEデジタル」。現場での働き方はどのように変化したのか、同社の管理本部人事総務部長の山下敦夫さんに話を伺った後、オフィスの見学ツアーを実施しました。
【以下、㈱YEデジタル 山下さんのお話】
デジタル技術を活用した様々なソリューションの提供を担う㈱YEデジタルは、本市を拠点として全国に支社を展開。社員約560名のうち、約300名が小倉北区の本社に勤務しています。
以前は八幡西区に自社オフィスを構えていましたが、資産としてビルを持ち続けるリスクから、テナントビルを探しました。ちょうどその頃、建設が予定されており、設計の内容に関わることができたことに加え、交通の利便性が良かったことから、このビルへの移転計画を進めることになりました。
目指したのは「集まる価値のある」「行きたくなる」オフィス。移転にあたり、働き方も変える必要があると考えた結果、いくつかの「働き方改革」も実施されました。
【移転後の働き方】
■紙なし……オンライン・ストレージでデータを共有。7、8割のペーパーレス化に成功
■電話機なし……PCやスマホ、在宅でも代表電話がとれる。留守電がテキストでメールに届くように。
■専用TV会議システムなし……オフィスでも家でもWeb会議が可能に。
さらに私たちは、「行きたくなるオフィス」を以下のように考えました。
●壁のない開放的な執務エリア……いすや机のデザインを刷新
●フロアの一角には様々なかたちのフリースペース
●コミュニケーション機会を損なわない十分な数の会議室
●居住性・機能性を高めたオフィススペース・コワークスペース
=フリーアドレスではなく居場所を確保
●席でもソファでも電源を完備=どこにいても仕事ができる環境
「㈱YEデジタル」オフィスツアー
お話を伺った後、山下さんにご案内いただき、実際にオフィスを見学させていただきました。
■【1階】総合受付・応接スペース・オフィススペース
1階の通りに面したスペースには、2023年2月にリニューアルしたばかりのショーウィンドウ・ショールームがあります。本市内で進む最新技術の取組紹介や㈱YEデジタルの製品がパネルとともに展示され、暮らしに身近な科学や情報の技術について知ることができます。
エントランス側には、手入れの行き届いている瑞々しい緑に囲まれた総合受付があります。
中へ進むと応接スペースが設けられています。部屋ごとにカーペットを変え、それぞれ異なる雰囲気に仕上げられています。
オフィススペースの一角にあるフリースペースには、デジタルサイネージやミーティングボックスがあります。
オフィススペースには、個人ごとに席が設けられています。移転前は自席のみでしたが、移転後はフリースペースや6階にあるコワークスペースも使えるようになり、働く場所に自由度が広がりました。
■【3階】ビジネスDXリーディングセンター
2022年7月に増床してオープンした「ビジネスDXリーディングセンター」は、顧客のDX実現に向けた業務システム導入の企画検討・開発・実装・運用を、社内外の技術や知見とシームレスに融合して支援するための空間です。
「メタバース・プロジェクトルーム」は、場所・時間・言語を超えて世界の専門家・技術者とバーチャルにつながることができる空間です。さらに、フロア内には機密性を確保する会議室やセキュリティ環境など、大規模なプロジェクトを実施するための最先端の設備がそろっています。
■【7階】オフィススペース
7階はフロア全体がオフィススペースとなっています。移転前は横長の一連机を配置していましたが、移転後は正方形のデスクに対面で2人掛けするレイアウトに。
140cm四方と広めのデスクは、1人あたりのスペースをゆったりと設けながら、個人のスペースを明確にすることもできます。社内のコミュニケーションを促すために、人が近寄りやすい“余白”を設けることも、大きな机ならではの隠れた役割です。
働く人どうしの顔が見えやすいよう、同じ方向に整然と机を並べるのではなく、わざと交互に配置するレイアウトを選んでいます。
打ち合わせ用にも使えるフリースペースは各フロアに設けられているので、会議の内容に合わせて利用できます。こちらには昇降式のテーブルを採用し、短時間・少人数で気軽に集まれるスペースを随所に配置しました。
また、以前は圧倒的に会議室の数が不足していましたが、移転後はかなり潤沢に使えるようになりました。外資系企業では、適正な会議室数は社員15人あたりに1部屋とされている所があるそうですが、㈱YEデジタルの場合は8人に1部屋の計算です。
全ての会議室で二重ガラスを採用し、視覚クリア+防音を実現。入退室管理で予約・稼動管理をきっちりと。
Web会議も可能になりました。
フリースペースのテーブルは、どこでも電源が確保できる造りになっています。グリーンは常に美しく手入れされ、オフィスをフレッシュな雰囲気に保ってくれます。
■【6階】コワークスペース「SAKASSO!」
なかでも、社内外交流用に設けたコワークスペース「SAKASSO!」は、これまでにはなかった新しいスペースです。カフェやミーティングスペースの機能を兼ね備え、食事や休憩、打ち合わせなど様々な用途で利用することができます。
新入社員の懇親会や年末の納会などもここで開かれているそうで、社内のコミュニケーション活性化に生かされているのがわかります。
そのほか、プレゼンルームやコーチングルームなどもこのフロアにあります。コーチングルームとは、スポーツ選手が行うような、メンタル強化を目的に導入された場所です。メンタルトレーナーが常駐し、社員と1対1でコーチングを行っているそうです。メンタルヘルスとは違い、社員の強み・良い所を伸ばし、背中を押していく事を目的としています。これには、参加者からも「メンタルトレーナーの常駐、その発想は無かった!」とコメントが挙がりました。
終わりに
ツアー終了後には質疑応答の時間が設けられました。「個人ロッカーはある?」「春からのマスク着用はどうする?」「移転反対の声はなかったの?」など、リアルな質問がたくさん! 参加されたみなさんの働く場づくりへの関心の高さや熱意を、肌で実感することができました。
山下さんのお話にもありましたが、大切なのは作り上げた環境を維持し、働きかけを続けることです。働く場づくりは【ゴール】ではなく【スタート】なのだとあらためて実感した1日でした。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました!
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