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フジ林檎とサツマイモと生姜の味噌のクリームスープ 

  僕の父親は岩手県の山奥でフジ林檎と椎茸と米を作る農家の次男坊として生まれた。父は次男なので家業は継げずに高校卒業を卒業して、大学に進学する為に東京に出てきた訳だが、僕の子供の頃はその岩手の実家に年に2回か3回ほど帰っていた。特に秋の林檎の収穫時に帰省すると実家の周りが林檎の良い香りでいっぱいだった。今でも僕の記憶の片隅には僕を抱っこしながら、手を伸ばして林檎をもいで齧り付く父がたまに蘇ってくる。その時の秋風が林檎の甘い香りを運んでいる感じまで僕の遠い記憶の片隅として残っているのだ。近くには川が流れていて川魚を奪ったり、山でクワガタを獲ったり、庭の池で鯉を釣ったりと都会育ちの僕には何もかもが楽しかった。

  アメリカに移住したのは20歳の頃。今から25年ほど前なのだが、その頃からFUJI Appleは少しづつ人気が出始めて今ではどこのスーパーでも手に入る人気の品種で我が家でも毎日のように食べるのだが今回はうっかり数日間、放って置いてしまってちょと古くなってしまった。そしてサツマイモも同じような感じで早く使わなくてはいけないけど何を作ろうか?そんな中から生まれたのがこのスープなのだ。料理を生業にする者にとっては無駄を出さないというのは基本中の基本な訳だが、食材も時間も段取りもそれは家庭での料理に関しても無駄を出さないのは当然なのだ。そんな『もったいない精神』が生み出したのがこのレシピだ。

材料

どこの家庭でも手に入る食材

材料

サツマイモ(Yam Potato)  大きめ一つ
フジ林檎          一個
セロリ           一本
人参            中型一本
玉ねぎ           中型半分もしくは小一個
しょうが          大きめの一かけ
にんにく          3粒ほど
EV          
みりん           大さじ1
日本酒           大さじ1
醤油            大さじ半分
味噌            大さじ2
生クリーム          1カップ(250cc)
鶏ガラスープの素
水             

① 皮を剥いたサツマイモ。皮を剥いたフジ林檎の芯を取り除き、林檎と芋は大きめのダイスに切る。林檎の皮は捨てずに取っておく。

②次に玉ねぎ、人参、セロリを荒微塵切り。にんにくはスライス、生姜と林檎の皮は微塵切りにしておく。

林檎の香りをより多く含む皮は実と違って硬いので、他の野菜と共にしっかり火を通すことによって柔らかくする。

③大きめの鍋にEVを入れて②の野菜を塩ひとつまみを入れて良く炒める(味付けの為ではなく浸透圧で野菜から水分を出しやすくする為の塩分)。この時に火加減は中火でじっくり炒めていくこと。火が強過ぎると焦げてしまうので、ゆっくり水分を飛ばしていくイメージで。

鍋底を木べらや耐熱性のゴムベラで擦るように混ぜる。底を焦げつかせい為

④野菜が段々と炒まってくると玉ねぎが透き通ってくるのでそのタイミングで林檎とサツマイモを投入。もう一つまみの塩を入れて炒め続ける(味付けの為ではなく浸透圧で野菜から水分を出しやすくする為の塩分)。数分間、中火でじっくりと炒めていくと段々と林檎とサツマイモから水分が出てくるので、ここからは煮詰める感じで水分を蒸発させていきます。

⑤ 林檎とサツマイモの水分が1/3ぐらいに煮詰まったタイミングで日本酒、味醂を投入してアルコール分を良く飛ばします。この時にしっかりアルコールを飛ばさないと後で仕上がりにアルコール臭が残ってしまうのでしっかりと。その後に醤油を加えて馴染ませたら、ヒタヒタの水と鶏がらスープの素を加えて沸騰直前まで強火で加熱し、沸いてきたら灰汁をとりつつしっかり煮込んで野菜が柔らかくなるまでしっかり煮る。


⑤ 野菜、林檎、サツマイモにしっかり火が通って崩れるぐらいに柔らかく鶏がらスープで煮込んだら、味噌とクリームを加えて一煮立ち、すぐに火を消してから撹拌。イマージョンブレンダーなどが便利だが撹拌できればミキサーでも大丈夫。

⑥撹拌したのちもう一度しっかりスープを温めて器に盛り付ける。今回は生クリーム、レモンの皮と共に絞ったレモンEVオリーブオイルとパセリのみじん切りと共に盛り付けしてみた。スープを口に運ぶごとに生クリームの濃厚な味とパセリとレモンオイルの爽やかな香りが広がるその後に味噌の味、林檎の甘酸っぱさ、サツマイモの濃厚な甘さが口の中に広がる感じです。相乗効果というやつですね。

この料理は家庭に常備しているようなどこでも手に入る食材で出来るので是非作っていただきたいです。


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