柑橘こしょう(柚子こしょうもどき)
昨日でアメリカにやって来て25年が経ってしまった。四半世紀もこの国にいる。自分が日本で暮らしていた時間より多くの時間をよその国で過ごしているというのはとても不思議な感じもする。あまりにも昔にこの国に移住して来たので日本での色々なことを忘れてしまった。そして、すでに前回の一時帰国からは10年が経過してしまった。帰ればおそらくだが、他のアメリカ人観光客とさほど変わらないぎこちなさを見せることは間違いないだろう。
他の国に母国を後にして移住するというのは、毎日が試行錯誤の連続であると思う時がある。言語、生活習慣、食べ物や文化と色々と25年経った今でも、考える事がいっぱいだ。特に食べ物は自分の子供の頃に食べて育ってきた物はよその国では手に入りにくい場合が多い。なので、自分でそれをDIYすることは当たり前なのだ。その場合は何から出来ているのか?作り方は?保存方法は?何かで代用できないだろうか?などといつもいつも考えてしまう。日本に住んでいたら歩いて行けるスーパーマーケットやコンビニで買える物でも、この国では買うことすら出来ない。日本から買って来たものをなかなか手に入らないからと物凄い大切に大切に食べたり使ったりが普通だと思う。
そんな今回は『柚子こしょう』もどきをご紹介しようと思います。日本では柚子こしょうはどこのスーパーにも大抵は置いてある調味料ですが、こちらでは日経スーパーに一種類あるかないか。でも、この作り方を覚えてしまえば、どこのスーパーでも手に入る物で作れてしまう。
材料
柑橘類の皮 セラーノペッペパーと同分量
セラーノペッペパー 柑橘類の皮と同分量
塩 皮とセラーノペッペパーの合計の重さの20%
まずは柑橘類の果実からピーラーを使って、白い部分をなるべく削らないように皮のみを丁寧に剥く(皮はレモン、ライム、オレンジなど)。そして、その皮を包丁で細かく刻む。
2. セラーノペッペパーの茎の部分と頭の硬い部分を取り除き、縦に半分に切ったら、丁寧に指でタネを取り除く。この時に必ず使い捨ての手袋を使い直接、ペッペーに素手で触らないようにしよう。肌が弱い人は確実にヒリヒリが次の日まで続く場合もあり得る。また、それで目を触ってしまったり、家族の顔を撫でてしまったり、ペットを撫でてしまったりするとその痛みは相当なもの。絶対にペッパーの取り扱いは注意!!
3. 柑橘の皮とセラーノペッペパーを包丁で細かく刻んで塩と共にMortar and Pestle (石で出来たすり鉢)の中に入れて、ペースト状になるまで磨る。日本のすり鉢がある方は勿論それでも大丈夫。とにかく時間がかかっても細かくすることが大切。
4. この柑橘こしょうは刺身、肉、野菜、汁物、麺類ととにかく合わない物がないほど何にでも合うし、和食以外にも転用が可能な万能調味料です。
5. ここまでは少量を作る工程を紹介しましたが、ここからは大量に作って保存する方法をご紹介します。
材料は勿論同じです。塩、柑橘類の皮、セラーノペッペパー。工程は2まで同じ。つまりセラーノペッペパーのタネを抜き、柑橘類の皮を削って、それを塩と共にフードプロセッサーで撹拌してしまう方法です。フードプロセッサーにかける前に包丁で細かく刻む必要はありません。
まずは皮を撹拌しましょう。皮は硬いのである程度、細かくなったら塩とセラーノペッペパーを入れて、あとは細かく細かくペースト状になるまで撹拌させるだけなのですが、時々機械を止めてゴムべらで側面についた大きいかけらを混ぜて、均一に撹拌されるように気を付ける。
6. 保存方法は小さなタッパーなどの入れ物に小分けにして入れたら、Food Saverにかけて真空パック処理を行った後で冷凍保存をします。このようにすることによって、新鮮なままの風味をかなり長い間保つ事ができます。