8/21(日)「パーソナルコンピュータの父」Alan Kay論文発表50周年記念シンポジウム開催
日本時間で2022年8月21日(日)10:00〜12:00、米国西海岸時間で2022年8月20日(土)18:00〜20:00、第20回めとなる 「グローバル・デジコンサロン 020「パーソナルコンピュータの父」Alan Kay論文発表50周年記念シンポジウム〜「あらゆる年齢の子供たちのためのパーソナルコンピュータ」の歴史的意義〜」を開催します。
お申し込みは、こちらから(参加費無料です)↓
https://global-digicon-salon-020.peatix.com/
今から50年前の1972年8月、「パーソナルコンピュータの父」Alan Kayは、論文「A Personal Computer for Children of All Ages(あらゆる年齢の子供たちのためのパーソナルコンピュータ)」を発表しました。当時は、大型コンピュータの全盛期で、今日では当たり前となったパーソナルコンピュータも、スマートフォンも、タブレットも、誰も実現できるとは思っていなかった時代です。そんな時代に、ゼロックスのパロアルト研究所で研究をしていたAlan Kayは、「将来、コンピュータは誰でも、たとえ子供であっても使えるような簡単に操作できるものとなり、ちょうど私たちが本を持ち歩くようにタブレット・サイズにまで小さくなり、ワイヤレスでネットワークに接続して、どこへでも持ち運べるようになる」という驚くべき予測をし、これを「ダイナミックな本」という意味で「Dynabook(ダイナブック)」と名づけたのでした。
そして、AltoというミニコンピュータとSmalltalkというプログラミング言語を用いて「暫定的ダイナブック」というプロトタイプを開発。1979年、その「暫定的ダイナブック」を見たスティーブ・ジョブズは、「なんてすごいものを開発したのだ。君たちは何故、これを製品化しないのだ!」と驚き、1984年、マウスを使って誰でも直感的に操作することができる、いわゆるGUI(グラフィカル・ユーザーインターフェイス)を搭載した、世界初の商用パーソナルコンピュータ、Macintoshを発売したのでした。そして、1995年、マイクロソフトがWindows 95を発売したことで、GUIベースのパーソナルコンピュータが世界標準となりました。
私たちは、ともすればパーソナルコンピュータとスマートフォンとタブレットを別の製品と思いがちですが、実はいずれも基本的な仕組みは全く同じで、Alan Kayが予測したパーソナルコンピュータが姿形を変えたものなのです。では、それらのパーソナルコンピュータは、Alan Kayが未来の理想的なパーソナルコンピュータとして描いたDynabookを超えることができたのでしょうか? 答えは「NO」です。世界を変えた歴史的論文発表から50年経った今でも、私たちはAlan Kayの未来ビジョンを超えることができないでいます。
たとえば、スマートフォンの爆発的普及は、さまざまな深刻な社会問題を引き起こしていますが、Alan Kayはこれを「商業主義が撒き散らした原爆よりも危険な凶器」といって強く批判しています。また、私たちは今、Web3だ、メタバースだ、NFTだ、ブロックチェーンだと言って騒いでいますが、それらは人類史の中で「本」が果たしてきた歴史的貢献と比較して、一体どれほどの歴史的貢献をするものなのでしょうか? Alan KayのDynabookは、まさにこの問いに答えられるものなのです。
今回のGlobal Digicon Salonでは、Alan Kayがビデオメッセージを寄せてくれるとともに、Alan Kayと長年一緒に仕事をしてきたCroquet Corporation共同設立者の大島芳樹さん、Smalltalkの熱烈なファンにしてアマチュアGUI史・オブジェクト指向史研究家の鷲見正人さん、IT革命史に造詣の深い元『日経パソコン』『日経MAC』編集長の林伸夫さん、数々のアップル関連、IT関連の著書・訳書を手掛けてきたテクノロジーライターの大谷和利さんの4人にお集まりいただき、論文「A Personal Computer for Children of All Ages(あらゆる年齢の子供たちのためのパーソナルコンピュータ)」の歴史的意義や、Dynabook Conceptの私たちの遥か先をゆく未来ビジョン、そして、Alan Kayの最も有名な言葉「The best way to predict the future is to invent it(未来を予測する一番いい方法は、自らそれを創ることである)」の深い意味などについてディスカッションしたいと思います。
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