アーティストTシャツについて思う
昨日、最寄り駅の近くにデフレパードのアーティストTシャツを着ている女性がいました。たぶん20代くらいに見えたのですが、着ていたのはパイロメニアのツアーTシャツ、パイロメニアはデフレパードの3rdアルバムで80年代前半のリリースで、彼女がオンタイムで購入しているわけはありません。恐らくは古着屋さんでゲットしたのでしょう。
彼女がデフレパードの音楽か好きかわかりません。もしかしたらデフレパードがバンドであることすら知らないかもしれません。バンドを理解して着ているのなら別にいいのですが、そこに宿るカルチャーを知らないで着ているのはもったいないと思うのです。
Tシャツアズメディアという企画もありましたが、Tシャツのデザインはある種、その人の意思表示でもあると思います。
デザインがカッコいいとか面白いだとかもあるとは思いますが、それ以上にこのアーティストを好きだという意思表示やそこにまちわるカルチャーへの愛情であったり、今、その情報を発信する事で、エッジ感であったり自分の立ち位置を示すものだと思うのです。
私の息子は、今、ぼのぼののTシャツを愛用しています。息子はスパイファミリーなど今人気のマンガも読むのですが、今、あえて中学生でぼのぼのを好きな人間である、という立ち位置を表明しています。そのセンスには好感が持てます。小学生の頃からライダーTシャツとかフォートナイトTシャツとか彼のお気に入りを買って与えていた結果、自己表現の手段として理解したのかもしれません。
ユニクロでよくアーティストTシャツが売られています。ニルヴァーナなんかのはよく見かけます。でも、ニルヴァーナなんか知らないだろ?と思うような人が結構着ていたりするのは幅広い顧客層を持つユニクロのなせる技なのだと思います。それがアーティストイメージのマイナスになる側面もあるとは思っているのですが、そこから、購入した人が、そのアーティストやイラスト、マークの由来などに興味を持って世界が広がるのなら、それはとても良いことだと思っています。