サウンドオブフリーダムを観る
サウンドオブフリーダムを観ました。
コレ、私はほぼ予備知識ない形で観に行きましたが、なかなかの力作でした。
私がわかっていたのは事実に基づく話だということと何だかサスペンスっぽいということです。
主人公は刑事なので実話に基づいたクライムサスペンスなのかと思っていたのですが、社会派の映画でした。
取り上げられていたのは、日本ではあまり話題には上らない小児性愛犯罪についてです。まあ、ロリコンとかショタコンとか日本で語られることもありますが、世界に目を向けてみるとレベチのように感じます。もしかしたら日本でも同じような状況なのだけど、報道されていないだけなのかもしれませんが。
要するに人身売買目的の児童誘拐に焦点を当てた作品でアメリカで児童誘拐の捜査を担当していた捜査官が、仲介業者を検挙してから、被害者の少年を助けたのを気に、コロンビアまで行って人身売買組織を逮捕し、少年と一緒に誘拐された彼の姉を助けるまでの話になります。
作品としてもしっかり作られていますが、エンターテイメントというよりはジャーナリズムを追求した作品なんだと思います。人を楽しませる、ではなく、人に訴えたいテーマが強い映画です。
アメリカでは児童誘拐がよくあるから子どもの学校までの送り迎えなども親がやっているとか、誘拐の犯人のほとんどが離婚の別れた片親である、みたいな話は知られていることだと思うのですが、児童人身売買市場の一番の買い手がアメリカなのだということを私はこの映画で初めてしりました。
アメリカではやはり児童誘拐というのが、私たち日本人が想像するよりもかなり大きな社会問題であることを実感しました。
そして、映画の最後にはこういった児童誘拐による人身売買の被害者を含め,アメリカで奴隷が合法だった時代よりも今の方が世界での奴隷の数が多いのだそうです。
そういった事実も衝撃的でした。
さらにこの映画はそういった内容を扱っているためか、完成から公開まで5年もの期間を要しているそうです。それでも公開させた制作側の強い意志を感じさせる作品です。