侍タイムスリッパーを観る
侍タイムスリッパーは、単館で上映された映画が評判となり、上映館を拡大していった低予算のインディーズ映画で、かつて大ヒットしたカメラを止めるなになぞらえた,というか第二のカメラを止めるな,的なプロモーションを行っている映画で絶賛上映中です。
カメラを止めるな、変なホラーとそのネタバラシみたいな構成になっていて、なぜ変だったのかがわかっていくことで二度美味しい、みたいな作品になっていました。
一方、侍タイムスリッパーは、幕末の志士がタイムスリップをして現代にやってきて、時代劇の切られ役になるという物語です。
物語には似通ったところはほぼほぼありませんので、無名のマイナー作品がその面白さによって注目を集めて、上映館が増えて評判になっていった,というところだけをなぞらえてプロモーション展開を行っているようです。
実際、プロモーションサイドの思惑通りに着実に興行成績も伸びてきているようです。
ただ個人的な見立てで言えば、この作品がカメラを止めるなほどのヒットにはならないと思います。
私はどちらの作品も劇場で観ましたが、カメラを止めるな、の方が面白いと思います。映画の軸になるアイデアが秀逸てました。
逆を言えば、侍タイムスリッパーの方が作品はこなれているように感じました。それなりに有名な役者さんたちの出演する作品としてになってもおかしくない作りだと思います。
これは穿った見方なのですが、単館でスタートしてから広がっていく流れがすごくきれいなような形に見えました。もしかすると,ある程度展開を見通して単館で上映に踏み切ったのではないか、と。当然、その広がりを考えてわざと低予算で無名な役者さんを使って、というところも制作段階から計算されていたのではないでしょうか。制作に予算をかけなければ、失敗しても損害が少ない、というところで脚本の出来が良いところで、その戦略を考えたのではないか、と思いました。
まあ,実際のところどうかわかりませんが。