ドッグマンを観る
これは宣伝に思いっきりミスリードされてしまいました。
ダークヒーロー誕生とかじゃないでしょ!
まあ、下敷きにはジョーカーがあるのは確実なので、ジョーカーをダークヒーローと呼ぶならば、といった感じですが。あとは下敷きには、101匹わんちゃん大行進なんかもありますね。クライマックスはレオンぽいと言えば、そうなのかもしれません。
リュックベッソン作品はルーシー以来久しぶりに観ました。やはり、グランブルー〜フィフス・エレメント辺りのノリノリのリュックベッソンを期待してしまうのですが、最近はなんか迷走気味な気がします。
ドッグマンに関してはミスリードされていなかったらもっと違う印象を持ったと思います。まあ、もしすると観てなかった可能性もありますが。
犬が活躍するのだからもっとコミカルなものでハッピーなものの方がいいような気もしますが、まあ、それは完全な個人の好みです。
主人公の成り立ちからダークな設定なので、そこを否定したらこの企画は成り立たないのだと思いますが。
恐らくこの作品はジョーカーのヒットに触発されて企画されたのではないかと想像します。ジョーカーのような社会的弱者にスポットを当てながら、ダークさを失わず、そこをいかにプラスに転化していくかが肝だったのではないでしょうか。
だから主人公は障害者であり、DV被害者であり、性的マイノリティであり、動物であったのだと思います。
そして、そこから逆転のハッピーエンドになると嘘くさく見えてしまう時代を考慮して、ああいう形に落とし込まれたのでしょう。
格差社会を反映すれば、ハッピーエンドばかりは描いてられない。ただ、ジョーカーはあれでよかったにせよ、アンチモラルだけに暴走するのも危険です。そこで、法は犯すものの弱者を救うというところに希望を見い出しているのではないでしょうか。
ただ、なかなか落としどころの難しい作品ではあると思います。