#拝絹着脱式のタキシードがあまり知られていない理由
はじめまして、FIVEONE はオーダースーツのファクトリーブランドですが、実はタキシードに関する実用新案登録(実用新案登録: 第3189326号考案の名称 : タキシードおよびそれに用いる襟型パーツ商品 ...)をしています。
内容は、新郎様が結婚式にご着用頂くタキシードを、タキシードからビジネススーツ/ファッションスーツにリメイクする方法として、タキシードの特徴部分であるラペル(衿)のシルク(拝絹)とズボン側章のシルクモールを着脱式にしたことで、結婚式でご着用後に、タキシードをお預かりして、簡単にスーツに戻すことが可能です。
それでは何故、拝絹着脱式タキシードがあまり知られていないのでしょうか?
私達は、作り手と言われていて、職人の集団であり、過去は下請けとも呼ばれていました。
その名の通り、作るのが得意で、マーケティングは苦手です。どうしたら、こんなに良いタキシードを皆さんに知って頂けるのか分からないのです。
そのような中でも私達の提案する、拝絹着脱式タキシードをいち早くに結婚式をされる新郎様にご提案頂いたのは、総合ブライダルプロデュースの高見ブライダルです。
私達は、そのおかげで沢山の新郎様にタキシードをお届けすることが出来るようになりました。
二度お得で記念のタキシード、それが記念のスーツになる。その開発秘話をお話致します。
もともと、欧米の洋服文化として、タキシードが日本に入ってきた初期、スーツの衿に応急的にシルクを被せ、ズボンの側面にシルクモールを仮止めしたという内容が記載された書籍を見たのが最初です。
その当時、結婚式の新郎さまにオーダータキシードをご提案頂く際の問題として、お客様から、一度しか着ないからレンタルで良いと言うお話を頂く事が多くあると聞いていました。
ある時、ブライダル会社様の役員様と話をしていて、「このオーダータキシードを結婚式の後に着る方法は無いですか?」と聞かれました。
私は、その時は、なかなか難しいと考えてましたが、初期のタキシードについて、書いた書籍の事を思い出しました。あれなら、出来るかもしれない。
早速、工場長に書籍を見せて、試作を依頼、アイデアを一晩で書き上げ、すぐに特許取得を実用新案登録を依頼しました。
物作りに関しては得意なだけあり、見事成功しました。
あの時、何気ない会話でしたが、それがすべてを変えたのです。もしかしたら、その話が無ければ私達の工場も時代の波に飲み込まれているかも知れないのです。
こと消費と、言われますが、スーツも例外なく、
スーツを着用して会社に行くというだけの理由が代わりつつあり、大事な商談や、式典などのドレスコード(着用する服を指定される。ブラックタイならタキシードかグレースーツ、高級レストランはジャケット着用が基本マナー、)に合わせてスーツを着るようになってきている。
私達は、ハンドメイド主体の縫製に、こだわるのは、衿から肩、アームホール、脇を接着しないで縫製することで、肩回りの可動域が多くて、動きが楽なスーツに仕立てる事が一番大事な着心地に直結するからです。
率直に言いますが、縫い目に接着テープを張り、芯を接着して縫製したスーツは、着ていると肩がこります。スーツは疲れる理由です。
試しに、接着しないで仕立てたスーツを着れば分かります。
一生に一度の舞台でご着用頂くタキシードだからこそ、疲れない仕立てにこだわります
私自身も、店頭でフィッティングを行い、沢山のお客様とお話をしてますが、よく言われるのが「良いスーツの違いが分かった」と、
良く、オーダースーツの、種類として
フルオーダー、パターンオーダー、イージーオーダー、サイズオーダーなど様々に紹介されていますが、
仕立ての良いスーツにとは、ハッキリ言ってしまえば、【接着しないで縫製したスーツ】なのであり、
種類は、スーツの型紙に関して、デザイン、サイズ、体型補正の範囲を表しているだけで、フルオーダーだから良いとか、イージーオーダーだから悪いという話では無いのです。
私達は、作り手として、すべてのスーツ工場がせめて脇肩だけは、接着しないで縫製してくれたら、オーダースーツは、着心地が良いという評価が上がり、オーダースーツ業界全体の利益にもなると考えます。
テーラー様、専門的様、セレクトショップ様で、興味を持って頂けたら幸いです。
そして、結婚式でタキシードを、ご着用される新郎様、おめでとうございます。
着心地の、良いタキシードを選んで疲れない結婚式にしてください。
©️FIVEONE