ドイツで賃貸詐欺にあったという話(2019年最新の手口)
本日は、サッカーから離れまして、ドイツで出くわした、ネットにも載っていなかった詐欺についての話です。
これから海外に移住しようと考えている方や、ドイツで部屋探しをされている方に、この情報が届き、被害者が減ることを望んでいます。
はじまり
話はドイツ移住から2週間程の事。
エージェントの方が部屋を渡航前から探してくれていたものの、外国人で、尚且つ言葉も喋れず、まだ現地にも住んでいないという状態だと、部屋を借りるのは相当難しく、部屋探しが難航していると。
渡航当初は、ゲストハウスの地下暮らしで、費用も当初より100ユーロ近く高くなっており、これは流石に厳しいと、自分自身で部屋探しを始めたところに始まります。
拙いドイツ語と、辞書やグーグルを頼りに、現地の人も多く利用しているという部屋探しサイトのIMMO SCOUT24というサイトのアプリをダウンロードし、1日に30件以上もの内覧希望のメールを毎日書いていました。
内覧可能との連絡
数百件のメールを書いたものの、返信が来ない事が普通で、
返信があっても、給与明細が必要であったり、雇用証明が必要であったりと、貯金を元手に学生としてドイツに来ている自分には満たせない条件のものも多く、丁寧なお断りのメールが来たら親切な方で、ほとんど鳴かず飛ばずの状態でした。そんな中、いくつかの物件からは返信があり、現在住んでいる物件も、その中の一件でした。そして、早く部屋を決めて新生活をスタートしたいと焦る自分にとって、悲劇の始まりとなる詐欺師との出会いもここから…
トントン拍子に進む話
メールを見て、返信をし、ほんの数通のやりとりで、その週の内に内覧が決まりました。当初の自分からすれば、本当に一筋の光明といった感じで、案外探せば見つかるもんだなぁ程度に考えていました。
会社名は AGG IMMOBILIEN
代表の名前は Lars Magnus Nillson
みなさん絶対にここだけはダメです!
普通にネットで調べても詐欺という情報は出てきません!
手口もネットに載っている手口とは違い、色々と予備知識として詐欺対策をしていましたが、見破れませんでした…(早くちゃんとした生活をしたいという焦りが、判断の甘さを生んだのも事実…)
実際の手口①
メールの返信も早く、こちらが働いていないことや、貯金で生活しているため、給与明細等も無いという部分も理解をしてくれ(今住んでいるところもですが)非常に好印象。
よくある詐欺のパターンは、外国にいるから〜というくだりで、内覧させて貰えず、鍵を渡すから費用を〜といった定番の流れがあるのですが、この詐欺は、内覧ができてしまうんです。そして、ネットで調べても、今も会社がGoogleでヒットしますし、どこからどう見ても見破れません、この段階では。そして、実際に内覧をし、代表者自ら、物件の紹介をしてくれました。まだ人が住んでいる段階なので(ドイツでは次の人を探すときに、前の人が住んでいる状態で内覧を普通にします)、写真は撮らないでと言われ、確かに生活している感のある部屋の状態で、しかし部屋はとても綺麗で、大きなバスタブがあり、とてもいい部屋でした。
家賃もゲストハウスと同程度で、そうであればなるべく早く引っ越したいという旨を伝えると、契約が完了したら、すぐ住めるよとの事。(内覧の日に貰った契約書には6月1日からと書いてあったものの、こちらが5月頭に引っ越したい旨を伝えると、OKの返事が。これも若干おかしいですよね)
手口②
内覧が済み、家具も揃っていることや立地なども悪くなく、とりあえず、一番早く引っ越せそうなところに引っ越そう。といった感じで各物件の担当者と話を進めていき…。この詐欺師の物件が一番スムーズに話が進み、数日後には契約書が郵送されてきました。(会社がベルリンにあるので、そちらに郵送してほしいとのこと)
外国人という理由で、デポジットの額が通常より1ヶ月分高かった事や、キッチンを買い取らなけらばならない事など、内覧時に聞いていたのですが、まぁ雇用証明等も無い中で無理を言っているし、妥当か。と言った感じで、その条件で契約書にサインし、用意ができた旨を伝えると、では、契約書を郵送してほしいとの事。そして、契約書と、デポジットの支払いと、初月の家賃の支払いが確認できたら早速鍵に引き渡し等を行うとの事で、書類を郵送し、費用を指定の口座に振り込みました。ここからが悪夢の始まりでした。
二転三転する話
契約書は、2日ほどで届くとの郵便局員の話があり、お金も送金したので、いざ引っ越し!と思い、引っ越しの支度を済ませたものの、契約書は届いたか?とのこちらの連絡に対して、届いていないの一点張り。流石にもう1週間経つしおかしいだろうと伝えるも、とにかく届いてないから届くまでは引っ越しができないと。手元にあった原本をコピーし、再度書留で郵送し、追跡番号で届いたことを確認し、
「届いたよね?明日引っ越せる?」
と連絡したところ、
Nillson(以下N)「届いたが、3ヶ月分の給与証明等の書類がないじゃ無いか!」と言われ、完全に頭は???状態に。
「え?それは用意できないって内覧のときに伝えて、OKって言ったよね?」
N「そんなことは言ってないし、必要だと伝えたはずだ。」と。
ああ、これはもしかするとそういうことなのか。
「さらに3ヶ月分のデポジットを追加すれば、それらの書類はなくてもいい」との申し出があり、
「流石にそれは用意できない」と答えると、
N「じゃあ、この契約はなかった事にする」と言われ、
「じゃあデポジット等を返してくれ」と、当然の流れになりますが、
「今月分の家賃は払ってもらう。」という意味のわからない展開に。
この時は、まぁ勉強代として高くついたな、家賃1ヶ月分。といった気持ちでいました…
支離滅裂なやりとり
「じゃあ分かった。キャンセルするからお金を残り分返して」
N「いや、返せない。次の借主が見つかるまでは家賃を払ってもらう」
「????住んでも無い家の家賃を払い続ける???」
「契約しているからな」
「キャンセルするから契約解除の書類を送ってくれ」
音沙汰なし…
周りの色々な人に相談しても、詐欺では無いんじゃ無いかなぁ、そのパターンは聞いた事ないし。よっぽど意地の悪いサービスマンに出くわしたんじゃないか?
いやいや、流石にこれはおかしいだろと思い、あの手この手で調べている中、ネットでは全く情報が出てこなかったのですが、まさかの!
Facebookで名前を入力したところ、こんな投稿が。
中国語なので正確にはなんと書いてるのかはわからなかったのですが、Google翻訳等を使うと、詐欺的な文面に。詐騙みたいな漢字もあるし、あーそういうことか。
これ以外には、一切ここが詐欺だという情報も見つからず、ドイツに長く住む方に話をしても、ここまでやる詐欺は初めて聞くね。との事で、ネットにはまだ載っていない詐欺の手口であると確信。
その後なんとかならないかとコンタクトをとるも、お金は返ってこないまま。詐欺なので弁護士等でどうこうなる話でもなさそうで…
現状泣き寝入り状態です。
被害総額4560ユーロ
詐欺なのかなんだったのか。(それくらい新手の手口で、エージェントの方も全く見破れず)
悶々とした気持ちでいる中、Facebookに新たな投稿が。
ドイツの部屋探しのFacebookページに、この詐欺に気をつけろ!という投稿が。
この投稿を見たのも初めてですし、本当に最新の詐欺の手口だったんだなと。総額4000ユーロ以上の詐欺。クラウドファンディングで支援して頂いた大半の費用も水泡に帰す金額。本当に無念でしかありません。
自分の甘さはもちろん、こんな事をする奴が本当にいるんだなと。会社まで偽りのものを用意し、自ら姿も現し、堂々と詐欺をやってのける。
素晴らしい経験を積ませてくれているドイツ。
そんな国の中にも、こうしたクソッタレもいるという現実。
どうしようもできないのですが、今後はより一層自分の行動に対して、注意深くならねば、見知らぬ地では生き抜いていけないと、再確認しました。
最後に
この情報を1人でも多くの方に共有して頂き、今後同じ様な被害に遭われる方が出ない様にとの気持ちで、この記事を認めました。
情けない話でもあり、日頃支援してくださっている皆さんにご心配をおかけしてしまう内容でもあるため、記事にするかは悩みましたが、ほとんど情報の出回っていない手口のため、今後もしばらくは暗躍し続けるであろうと考えると、日本語でもこの情報にたどり着ける様に形に残し、注意喚起ができればと思い、記事を公開する事にしました。
1人でも多くの方にシェアの方ご協力いただけます様、よろしくお願いいたします。
サポートして頂いた費用は、現地での練習・試合視察の費用に活用させていただきます!よろしくお願いします!