最短で医学部に入りたいのであれば再受験よりも医学部学士編入をおすすめします
2023年度名古屋大学医学部学士編入試験で正規合格をいただいたとしと申します。
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大学在学中や卒業後に医学部を目指す場合、医学部再受験と医学部学士編入という2つの方法があります。
このnoteでは、その合格に必要な両者の勉強量の差について考察していきます。
私は大学受験の時、一般的に簡単と言われている私立大学医学部を含めて、のべ10校以上に落ちています。
その経験や、今年受けた全統記述模試の偏差値、これまで一般入試で落ちた医学部などの情報を踏まえて合格に必要な両者の勉強量を徹底的に比較していきます。
再受験と医学部学士編入のどちらが良いのか悩んでいる方の参考になるかと思います。
結論から申し上げますと、医学部学士編入試験の方が勉強量は圧倒的に少ないです。
医学部学士編入試験では単純な学力だけなく、バックグラウンドが求められます。
それを形成するのに必要な時間を含めれば、医学部学士編入の方が間違いなく対策に必要な時間は多いと言えるでしょう。
しかし、純粋な筆記試験対策に必要な時間だけで言えばかなり差があると感じました。
面接・小論文に苦手意識がなく、最短ルートで医学合格を目指すのであれば、医学部学士編入試験を選択すべきです。
筆記試験で最低限の点数をとれ、なおかつ光るものがあれば合格をいただけることもあります。
同じ理由で勉強時間の確保が難しい方も医学部学士編入試験をおすすめします。
医学部再受験の特徴
医学部再受験とは、大学在学中や大学卒業後に医学部を目指すことを指します。仮面浪人などもこれに該当します。
医学部再受験の特徴は以下の通りです。
勉強量が膨大
受験のチャンスは年2回しかない
面接で高得点は難しい
面接が苦手でも合格できる可能性がある
競争相手は受験に専念している高校生
勉強量が膨大
医学部受験は一般的に、共通テスト(旧:センター試験)の得点率が重要です。
そのため、二次試験で出題されることはほとんどない現代文や古典、社会なども取りこぼしなく得点する必要があります。
必然的に、勉強量は医学部学士編入に比べて多いです。
受験のチャンスは年2回しかない
国公立大学の医学部を受験する場合、前期と後期の2校を受験できます。
しかし、後期はそもそも実施している大学が少なく、共通テストの点数によってはほぼ合格不可能です。
実質、年1回勝負と捉えても良いでしょう。
面接で高得点は難しい
年1回勝負の筆記試験で点数をとれたとしても、面接落ちのリスクがつきまといます。
少なくとも私が受験したころは浪人しただけで面接点を引かれる大学も存在しました。
しかし、面接点の占める割合は医学部学士編入試験よりも一般的に小さいです。
そのため、面接が苦手でも筆記でずば抜けた点数を取ることで合格できる可能性があります。
競争相手は受験に専念している高校生
ここが一番大きな違いであると思います。当たり前ですが、医学部再受験で競争する相手は受験に専念している高校生です。
夏休みまでは部活動などに取り組む学生も多いですが、秋以降は基本的に受験に専念しています。
大学の勉強や仕事を継続しながら受験する場合、どうしても受験生よりも勉強時間は少なくなるでしょう。
つまり、要領よく勉強に取り組める人か、もしくは仕事や大学を辞めて受験に専念できる人しか医学部再受験で合格するのは難しいです。
医学部学士編入試験の特徴
医学部学士編入試験とは、大学で所定の単位を修めた大学生や大学を卒業した人、卒業見込みの人を対象とした試験です。
全ての大学が実施しているわけではなく、一部の大学のみ実施しています。
医学部学士編入試験の特徴は以下の通りです。
勉強量は再受験よりも比較的少ない
競争相手は何かと並行して受験している人
面接・小論文の点数が重視される
1年に10校以上受験することも可能
受験費用が高い
勉強量は再受験よりも比較的少ない
医学部学士編入試験の筆記試験の出題範囲はほとんどの大学で明示されていません。そのため、膨大な勉強量が必要であると勘違いされている方もいます。
しかし、どの大学でも割と出題範囲はある程度決まっているので、過去問分析が重要です。
こちらのnoteでは、約10大学の過去5年分の筆記試験のレベル感や出題範囲を紹介しています。
高額な医学部編入対策予備校に通うことが難しい方は、このnoteで出題範囲を知ることができます。
競争相手は何かと並行して受験している人
医学部再受験とは対照的に、医学部学士編入試験に専念している人はほとんどいません。
多くの人は大学の勉強や仕事と並行して受験されています。
時間のない人を対象とした試験であるため、求められる学力量は再受験と比較すれば圧倒的に少ないです。
面接・小論文の点数が重視される
医学部学士編入試験の難しいところは面接・小論文の比重が大きいところであると思います。
これが苦手な人は合格までに膨大な時間がかかるでしょう。
巷でうわさされているように、経歴が重要視されるというのは1次試験通過に関してはあまり信じない方がよいと思われます。
というのも、実際に空白期間があったり研究業績がなかったりする人でも合格するケースは多々見受けられるからです。
一次試験の合否はほとんどの大学において純粋な筆記試験の点数だけで判断されているように感じました。
東大卒であればその筆記試験を通過することは難しくないため、東大生などの経歴が重要視されるという噂が広がったのではないでしょうか。
1年に10校以上受験することも可能
医学部学士編入試験は受験日程が被らない場合、1年に何校でも受験可能です。
試行回数を稼げるため、一定水準の学力があれば合格の期待値を上げられます。
医学部学士編入試験は一部の受験生が複数校に合格する傾向にあります。
そのため、一次試験を突破できていれば、正規合格が駄目だったとしても追加合格をもらえる可能性は十分に見込めます。
受験費用が高い
医学部学士編入試験のネックは受験費用であると思います。某予備校の講座を取るのであれば、それだけで30万円〜100万円ほどかかってしまいます。
出願費用は大体の大学で約3万円で、出願する大学分だけ必要です。それに加えて、移動や宿泊が必要な場合、それに付随するコストもかかります。
私は約70万円ほど医学部学士編入試験に費やしました。
医学部学士編入試験が向いている人
これらの情報を踏まえて、医学部学士編入試験に向いているのはこのような人です。
勉強時間を確保できない
面接・小論文が得意
資金的余裕がある
研究室の教授や職場の上司との関係性が良好
自己の実力を客観視できる人
資金的余裕がある
資金的な余裕がない場合、現状の制度では医学部学士編入試験を受験するのは厳しいと思います。
私も資金が前半校で尽きたため、一度は受験をあきらめようかと思いました。しかし、運よく両親が援助してくれたため受験を継続できました。
研究室の教授や職場の上司との関係性が良好
医学部学士編入試験において、研究室の教授や職場の上司による推薦書が求められることもあります。
職場に内緒で受験する場合、推薦書がネックになるでしょう。
推薦書を必要としない大学も中にはありますが、どうしても受験できる大学は限られてしまいます。
自己の実力を客観視できる人
敢えてキツイ言い方をしますが、自己の実力を客観視できない人が医学部学士編入試験に合格することはとても難しいです。
基礎ができていないにも関わらず応用問題に取り組んでも時間の無駄ですし、そもそもほとんどの大学でそのような応用問題は出題されません。
もし仮に出題されたとしても、多くの大学でそれが合否に響くことはないと思います。
実際に、2023年度の香川大学医学部学士編入試験ではかなり難しい物理の応用問題が出題されました。
一般入試で宮廷レベルの実力がある人であれば解ける高校レベルの問題です。
しかし、筆記合格者に話を伺ったところ、合格者でもそのレベルの問題は解けなかったようです。
出題範囲が明示されておらず、模試等も少ないため自分の立ち位置を正確に把握することが難しい試験です。
自己や周りの実力を客観的に分析し、自分に足りていない能力が見極められない人は合格までに時間がかかると思います。
医学部再受験が向いている人
医学部再受験が向いている人の特徴は以下の通りです。
基礎学力がある(東大・京大卒等)
数学が得意
勉強時間を確保できる
一概に比較するのは難しいとはいえ、地方医学部よりも難しい大学は京大・東大ぐらいだと思います。
これらの大学以外の方は、そのラインに到達するまでに時間がそれなりにかかるでしょう。
偏差値50の人が初めて偏差値65に到達するのと元偏差値65の人がその感覚を取り戻すのではかかる時間が圧倒的に異なります。
医学部学士編入試験と再受験の並行は可能?
医学部学士編入試験と再受験を並行される方をちらほら見かけます。
それに対して個人的見解を述べさせていただきます。
医学部再受験がメインのパターン
医学部再受験を考えている人が医学部学士編入試験を受けてみることは良いと思います。
医学部再受験で合格できなくても、医学部学士編入試験なら合格できる可能性はバックグラウンド次第にではありますが割とあるでしょう。
高校レベルの物理・化学・生物が出題される大学であれば、受験してみる価値は大いにあります。
医学部学士編入試験がメインのパターン
一方で、医学部学士編入試験をメインに受験されている方が再受験を並行するのは基本的におすすめできません。
筆記試験をほとんど通過していたり、大阪大学の筆記試験を通過していたりする場合は再受験で合格できる可能性も見込めるでしょう。
しかし、医学部学士編入試験の筆記試験を通過できない人が再受験の勉強をしても徒労に終わると思います。
古典や社会の勉強時間を医学部学士編入試験の勉強時間にあてた方が、トータルで見た時の勝率は高いというのが個人的な見解です。
ざっと医学部再受験と医学部学士編入試験の特徴の違いについてまとめました。
両者の勉強量の違いですが、医学部学士編入試験よりも医学部再受験の方が合格に必要な勉強量は圧倒的に多いです。
医学部学士編入試験の筆記試験を5校通過し、大阪大学の順位も約30位だったので、医学部学士編入試験受験生の中では中の上、上の下ぐらいの学力だったと自負しています。
そんな自分でも再受験で合格するにはあと500〜2000時間は勉強時間が必要だと感じました。
参考程度に、名古屋大学筆記通過までの勉強時間は400時間弱でした。
一般的に、勉強量が増えるほどそれを消化するのにかかる時間は指数関数的に増加します。
個人的な見解ですが、本当に対策が必要な範囲を見誤らなければ、医学部学士編入の生命科学は短期記憶でも対処可能です。
一方で、再受験に必要な社会などの対策はよほど暗記が得意でない限りは長期記憶の保持が必要です。
長期記憶の形成には短期記憶の形成よりもずっと時間がかかります。
両者の難易度について建設的に議論することは不可能であると思います。
しかし、筆記試験に限定すれば、一般入試における旧帝国大学や国立大学の薬学・歯学部ぐらいのレベル感であるように感じました。
一般入試の物理化学の偏差値が60を超えていれば、多くの大学で物理化学が武器になり得ます。
以降の有料部分では、大学受験時に落ちた医学部のべ10校、再受験の失敗経験、今年受けた全統記述模試の偏差値等を公開します。
再受験と医学部学士編入試験のどちらを受験するか迷われている方の参考になれば幸いです。
医学部編入で高校物理・化学・生物ができる受験生はほとんどいない
医学部学士編入試験は倍率が高く、情報も少ないので実際にどのぐらいの能力が問われるのか把握できていない人も多いでしょう。
受験成績を元に、高校物理・化学・生物の3科目をある程度できる人はかなり少ないことを証明していきます。
結論から述べると、医学部学士編入試験受験生で理科3科目ができる人は、せいぜい
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