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ブランディングと人材育成でサスティナブル経営に挑戦

『No.1サウンドカンパニーへの挑戦!』ということで、昨年12月23日のブランディング事例共有会で発表いただいたヤマハサウンドシステム株式会社の代表取締役社長 武田信次郎さんの発表内容を共有してきましたが、自社には、どのように置き換えられるのか? 再現性は何か? などをまとめてみようと思います。

BtoBの受注型ビジネスは、「信頼」でしか受注できる理由がない。特に重層下請構造の業種は、価格競争に陥りやすく差別化しにくい。このような業態は、特に独自性や脱価格競争を図る必要がある。

合弁会社の重点テーマ

合弁された会社の場合、当初は全く違うルールブックで走っていた会社が1つのルールブックで事業活動を始めることになるので、強いトップダウンでスタートする必要がある。
ただ、そのトップダウンが長く続くと、結果的にボトムアップが弱い組織となり、さらには、企業文化の対立と硬直化によって変革も弱くなる。
このような合弁会社には、能動的に企業文化を醸成する必要がある。その際に、守り続けていくことは企業のDNAで、変えるべきことは革新だ。その際の重点テーマとして、ブランディングと人材育成を掲げ、挑戦していきたい。

子会社にとってのブランディング

親会社にブランド力がある子会社にとっては、ブランドに対する愛着と誇りが弱くなる傾向があるので、独自のブランドバリューを実現する必要がある。
ただ、親会社のブランディングの方針に対して、子会社の立ち回り方としては、ブランドプロミスの内容を深く踏み込み、子会社にとって、どのように変換できるかを検討していくことが重要だ。

変革期のリブランディングのプロセス

変革期のリブランディングの際、まずは、企業としてのあるべき姿である経営理念とブランドの理想像を策定する。策定後、エクスターナルブランディングで外に発信する。
その際、顧客が受け取る情報と体験を一致させる現行一致を強く意識する。
その結果として、ファーストコールカンパニーが実現し、このプロセスのなかで、インターナルブランディングで内面を磨きながら、企業文化も変革されていく。

変革期でリブランドする際、トップが自らミッション、バリュー、ビジョンを作り直すことが大切だ。特に、ブランドバリューについては、顧客価値をモノからコトへと変換させるのが必須である。
卓越した組織能力を発揮するためには、新たしい経営方針が必要で、コンセプトと経営戦略を明確にする必要がある。

数十名以上の組織であれば、良い人材を作るための人材育成手段として、社内大学を創設することは有効なことである。社内大学の目的は、カンやコツなどの伝承と、学び続ける重要性が共有できる社員を増やすことだ。
大学ということで、学部を作ることも有効で、企業理念の実現、業務知識の深堀り、スキルを高めることなど、自社が必要とする人材育成の目的に応じた学部を作ると大学らしくなる。社内大学での教育の方法として、リモートワークが当たり前になった今は、e-ラーニング、オンラインによるグループワークだけでなく、OJTも工夫によっては可能となる。

トップダウンが強い会社の場合は、急にボトムアップに変わることは難しく、当面は、ミドル・アップダウンを機能させるマネジメント改革が有効だ。そのためには、部長・課長を中心に研修などを行い、権限規定を見直すことも重要だ。


企業理念を発信するエクスターナルブランディングの施策

周年のタイミングは、企業方針など新たな宣言を打ち出す際に、受け入れやすい状況だ。このようなタイミングで、企業理念を中心としたメッセージ発信として有効な施策として、

1. 企業理念を中心としたこだわりを全面に打ち出した広告を打つ

2. 業界誌に企業理念を中心とした記事を依頼し、発信してもらう

3. 業界第一人者などにお祝いのメッセージをもらい記事にし、サイトなどで発信する
※安心・信頼を発信するには、BtoCであれば口コミが有効だが、BtoBの場合は、自ら作る必要がある。周年のタイミングであれば、業界第一人者などにお祝いのメッセージをもらうことも有効だ。

4.業界第一人者などとトップ対談を実施し記事にし、サイトなどで発信する
※3は、は周年タイミングしか使えないので、普遍的に使える発信の仕方も考える。

5. 会社の評価を含めたインタビュー形式の記事をサイトなどで発信する。
※特にBtoBビジネスの場合は、実績が実績を作ることができる。だから、インタビュー形式によって会社の評価をいたただいたインタビュー形式の記事は有効だ。

6. 社員の仕事に対するこだわりなどを記事にし、サイトなどで発信する。
※最も重要なのは、社員からの発信であり、仕事に対するこだわり、向き合う姿勢、心意気などの熱い想いを、ノンフィクションのストーリーとして発信していく。

7. 納入事例を記事にし、サイトなどで発信する。
※納入事例に社員が登場して、どのように取り組んできたのか、こだわってきたのかの様子を記事にする。

8. 日常業務を切り取って、企業広告を打つ
※納入時だけでなく、日常業務を切り取って、企業広告にすることも重要。こちらも、こだわりや、仕事に向き合う姿勢などを発信する。


社会課題解決もばずせない。
BtoCだと有効なものも多いが、BtoBの場合は、自社の関連する業界団体に対してできることや、コロナ禍での接触を低減する施策も考えたい。社会課題解決は、やりようによっては、企業価値をぐんと上げることもできる。

ブランディングと人材育成でサスティナブル経営へ

現在、コロナ及びアメリカの政変によって経営環境が激変している。多数の倒産・廃業・M&Aも予想され、生き残るためにはイノベーション(体系的廃棄)が急務だ。当面、厳しい状況が続くと予想され、いかにして生きのびるかといったサバイバル経営が問われる。

まずは、サバイバル経営を実践しながら、サステナブル経営の実現を目指する。


※サステナブル経営とは、環境や社会との共生を目指す持続可能な企業経営のこと。

だから、言行一致の誠実な企業体質の確立と、経営層がサステナビリティに対する確固たる信念を持つ必要があるだろう。先が読めない未知の時代では、ブランド価値が企業の「らしさ」といった抽象的な世界観を確立することと、想定外の取捨選択の際に示しておく指針を持つことで、ブランドの耐久性をつけることができる。それがブランド・ロイヤリティに大きく寄与する。

このように現在、企業にとっての重点テーマがブランディングであり、そして、人材育成だ。

参考できることは取り入れ、応用などもしつつ、自社にも上手く活用していきたい。


※この内容は、第1回ブランディング事例共有会の発表の一部をまとめたものです。ブランディング事例共有会では、チャレンジし、試行錯誤し、奮闘している実践事例の発表より、このプロセスから受け取る気づきやアイデアはもとより、元気と勇気をもらえます。

次回は、2月25日(木) 16時~ に開催ですので、お知り合いの方をお誘い合わせの上、ご参加ください。※参加費無料

■第2回 ブランディング事例共有会 ※参加費無料
https://form.k3r.jp/brand_manager/seminar02

本編終了後には、当日の発表事例を振り返り、発表者を囲み学びを深めるディスカッションとして、オンライン勉強会を1時間ほど予定しています。こちらも、ぜひ、ご参加ください。お目にかかれれば、うれしいです!


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