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USMLE Step1をM4でPassした道のり(勉強開始から当日まで編)

 こんにちは。私自身が経験したことを基に、皆様のお役に立つ情報を提供できるように記事を執筆しています。渡米界隈で小銭稼ぎしてる人が、何となく好きになれなくて、無料で情報発信しています。「いいね」やフォローをいただけると、大きな励みになります。みなさんと一緒に米国への臨床留学の目標を達成したいです。


M3スタートと同時にUWを2年契約

 3年生が始まり大学の授業で臨床医学が始まりました。その4月の第一週にUWorld USMLE Step1の二年契約をしました。「達成したければ期日を決めよ」みたいな事はよく言われるので、まずいつまでに達成するのか期日を決めました。UWは期限付きなので、これで二年後の4年生が終わるまでにはPassできるぞと思いました。RxやAnkingも知ってはいましたが、全てやるのは大変だと思いUWのみで勝負することにしました。より優先順位の高いものに絞って選んだという事です。
 UWを解き始めてたのは良いものの、そもそも臨床医学の知識がない状態では全く内容も単語も理解できませんでした。それでもFirst Aid・病みえ・大学の定期試験の過去問などで勉強して、1日数問でもいいからなんとか進めました。Chrome拡張機能のMouse Dictionaryも知らずに単語をポチポチと英次郎に打って読んでたので、進捗状況は絶望的でした。

M3の大晦日に絶望する

 9ヶ月が経った12月末、まだUWを700-800問しかないこなせてない事に気づく。月100問未満という絶望的なペースでした。この期間は、UWに集中してたわけでなく、英会話や研究に注力していたので問題数を積めるわけがなかった。このままだと、2年間でPassできないと悟った。年明け元旦から、完全にUSMLEに集中しようと心に誓いました。

絶望の9ヶ月の中で良かった事 & 悪かった事

・良かった事(Systemsで絞り大学の授業進度と並行して勉強)

 UWは1周目をランダムで解けるわけなく、Systems(範囲)で絞って進めていった。どの範囲を選ぶかは、大学の授業と同分野を選びました。大学の授業では日本語で学び、自宅では同じ領域をUWで英語で学習しました。これはかなり効率がよかったのではないかと思っている。UWはなにも基礎医学や行動医学から解く必要はないので、今の自分に適した分野を選択して解いていけば良いと思います。

・悪かった事(まとめノートの作成)

 大学受験時から、いわゆる「まとめノート」作りは否定的な考えを持っていた。しかし、あまりにも巨大な敵(UW: 3700問)と対峙して圧倒されてしまい、まとめノートを作って覚えた気・勉強した気になってしまいました。Onenoteにまとめていましたが、結局範囲が膨大すぎてページ数ばかり増えて何の役にも立たず膨大な時間を溶かしてしまった。
 王道の勉強は1つしかない。情報がまとまったものはFirst Aidがあるのだから、それに書き込んでいけば良いのである。これは、別に日本人特有の勉強法ではなくて、スコア制時代にトップAMGもやっていた方法である。現在から振り返ってみると、結局M3時点で4~12月はFAを理解することが出来ず、FAを読むことから逃げてオリジナルの教材(まとめノート)を作ろうとしていた。本当に無駄だった。ただただノートアプリが動作重くなって使いづらくなっただけでした。

UWに本気になった11か月間

 M3の1月~M4の11月くらいまでは、ひたすらUWを解く事に集中した。この時期に3000問解いて1周を終わらせたわけだが、どうしても大学の定期試験の前や友人家族のイベントを優先しなくてはいけない日がありペースが落ちた日もあった。しかし、頭のどこかにはいつもUWを置いていたことは間違いない。
 ちなみに、この期間にCBTもあり、定期試験と被ってる日程だった。正直、CBTを勉強している余裕がなかったので完全にノー勉でCBTを受験してしまった…。何が出題されるか、CBTがどんな試験かも分かっていない受験生は自分だけだったと思う。成績は70番台だった。CBT成績表に書いてある他の数字は、何を示してるのか良くわからなかった。というかCBTに関心が一切なかった…。今から振り返ってみると、ポリクリ班メンバーでCBT学年2位の学生をみると知識量の多さに驚かされる。自分もちゃんと皆と競い合ってれば良かったと後悔している。

受験日が決まる

 夏明けの9月~10月頃から申し込みを勧め「2023.3.26(日)」が決戦の日に設定した。なぜこの日にしたかと言うと、M4でStep1 Passするという自らの目標があったからです。また長期休みである春休みの後半に試験日程を置く事で、勉強時間の確保と体調を整えられる事も利点であった。
 ここで失敗したのが、申込時の設定期間を「1月~3月」にしてしまった。このせいで超直前期に試験日程を容易に延期することができなかった。設定期間を「3月~5月」として、間に合いそうもなく無理だと判断したら5月のGWに延期できるという保険をつくるべきだった。この保険があれば直前期の精神は安定したと思います。

いよいよ模試を解き始める(直前期)

 M4の11月以降は模試を解きしっかり直した。少し期間を空けて、また次の模試に挑戦するという事の繰り返していた。模試と模試との間のインターバルでは、UW(リセット済)の二週目をランダムで40問セット解きをテスト形式で行った。本番を意識して40問セットで一気に解く事を意識した。ちなみに、最終的に二週目は33%くらい問題を消化して、各セットの正答率は60-80%くらいだった。

さて 以下に、模試の結果を示す。

  • UWorld 1周目完: 46% (Systemごと絞った正答率)

  • Form25(100日前): 54 (受験トラブル)

  • Form26(80日前): 63 (大晦日&コロナで絶不調)

  • Form27(60日前): 60

  • Form28(30日前): 67

  • UWSA1(20日前): 232 (あれ?受かる?)

  • UWSA2(10日前): 205 (あれ?受からない?)

  • Form29(7日前): 68

  • Form30(5日前): 69

  • Form31(3日前): 70 (よし!なんとか大台)

  • Free120(2日前): 60 (絶望…詰んだ)

  • M4/3月にSTEP1:PASS

補足説明もかねて、記憶に残っている模試について言及する。
・Form25(100日前): 54
 これは、初回受験でSec.1→Sec.2の時の休憩の取り方がよく分からずSec.2を25問ほど白紙回答で提出したので、あまり結果は正確な値と言えない。
・Form26(80日前): 63
 これは、大晦日受験だった。非常に体調が悪く頭痛と戦いながらの受験だった。受験後すぐに高熱を出しコロナ感染が発覚した。あれだけ体調絶不調で「63」とれるなら、これは好感触なのではと後日思ったりもした。
・Form28(30日前): 67
 これは、初めて65を超えた模試だった。ネット上の説によると65 overで合格の可能性が見えてくるらしい。約1ヶ月まえに65 overできたので小躍りし喜んだ。
・UWSA1(20日前): 232
 これは、春休み入り直前に受けた模試だった。実習の合間に受験して、フワフワしながら受けた割には、そこそこ点数がよくて「これは受かるな」と心のどこかで思った。余裕ぶっこいてポリクリ班と打ち上げ行ったりしてた。しかしその時は私は、ここからが地獄の入口だと言う事を知る由もなかった。
・UWSA2(10日前): 205
 「終わった…落ちる…。」そう思った。もう10日間しかないのに、いきなり危険信号を突き付けられた。あと、よーく調べるとNBME模試は70を超えないと安心とは言えないという情報が入ってきて、さらに絶望は深まった。
・Form29~31: 68, 69, 70
 元々これらの模試は、正直 Pass するなと高を括っていたので受験予定はなかった。しかし、超直前期に Fail 可能性にさらされて絶望にくれていた時に、Step1 pass & 2ck high score の先輩から、「NBMEを徹底的にやれ!あれは本番に似たような問題が出題されるし形式も似ている。超直前期における生産性はかなり高いぞ!!!」と連絡を頂いた。まさに、天から降りてきた蜘蛛の糸だった。必死でしがみつき、死に物狂いでNBMEを解いて抜けている知識は、自作のAnkiにスクショやコピペして作成した。そう、まさかのラスト1週間でAnkiを使い始めたのである。正直、賭けだった…自○行為かもしれなかった…。高速で解き、高速で解説読み、高速でAnki作成…これの繰り返しだった。休憩時間は、部屋の中をグルグルあるいて作成したばかりのAnkiカードをこなした。最終的に300枚くらい作ったかと思う。今振り返ると、直前期において「知識の穴」はかなり少ない状態であるはずだから、ひたすら最後の小さな穴を発見しては塞ぐ繰り返し作業になる。この勉強法は悪くなかったと思っている、逆に、分からないことだらけの序盤からAnkiを自作していたら、それだけに時間がとられて大量のこなせないカードが山積みになっていたことだろう。
・Form31(3日前): 70
 上で述べた勉強法が実を結び、ごり押しで70まで得点を持っていった!ギリギリ直前で滑り込んだ。精神状態も少し落ち着きを取り戻し前向きになった。
・Free120(2日前): 60
 再び地獄に落とされる。地獄の中でも最下層の「阿鼻地獄・無間地獄」に落ちた思いだった。正直、涙が出そうになった…というか、視界がぼやけたのを覚えている。二年間の努力が水の泡になり、不合格履(Attempt)歴も残るためマッチングも絶望になり渡米の夢が終わると、不安な気持ちが頭を占有しそうになった。しかし、落ち込むのは試験が終わってからと割り切った。やるしかないと腹をくくった。再び知識の漏れを見つけはAnkiカードを作成した。当日の会場入りまで自作Ankiを回し続けた…。最後の1秒まで諦めない、絶対に。

ヒント1: 模試の時は耳栓を

↑会場からの公式の注意事項↑

 会場では耳栓の持参が推奨されています。自宅で模試を受験される際も、本番と同様に耳栓を付けて慣れておきましょう。

ヒント2: 有料で本番と同じ会場でFree120が受験可能らしい

 私の知り合いで利用してる人を知りませんが、有料($155)で本番リハーサルをできるらしいです。SNSを見ているとアメリカに医学生で利用している人はいるようです。日本と異なり米国では$75で安かったり会場がたくさんあったりするので、利用しやすさの違いがあるのかもしれません。ご参考になれば幸いです。リンク貼っておきます。
https://apps.nbme.org/CBTPSRegistrationWeb/jsp/usmle_CBTPS_registration.jsp

最後に

 これでこの記事は終わりとなります。最後までお読み頂きありがとうございました。本番の体験談は、また別の記事で書こうと思っています。良かったらフォロー&いいねお願いしまう。皆で臨床渡米を達成しましょう!


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