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レーシングカー・ガレージからの声
レーシングカーガレージへの立ち寄り
ふらりと立ち寄ったレーシングカーガレージ、「オートルック レーシング ファクトリー(ARF)」
場所は、茨城県の筑波サーキットの真ん前。ガレージは年々きれいになり、発展しているのが実感できる。
レーシングカーガレージと言ってもピンと来ない人も多いと思うが、馬に例えれば、レーシングカーは競走馬、そのガレージは競走馬の厩舎、指導者は馬の調教師であり騎手であるドライバーの育成者と言えば、イメージしやすいと思う。
社長兼指導者の代表・佐藤力さんとは旧知の中である。不意の訪問にもかかわらず暖かく迎えて下さった。人の温かみは嬉しいなぁ~。
モータースポーツの代表格は、ラリーとレースである。
私はラリーの世界からモータースポーツの世界に入った。でも、のちにはフォーミュラカーも2台所有し、会員さんを走らせたりしてきた。
一方、佐藤さんはレースの世界から入った。でも佐藤さんはアフリカ・サファリーラリーのスバルのサービス隊長の経験もあり、ラリーのことも十分分かる人だ。
つまり二人とも得意分野がそれぞれあるが、他方も分かる。
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オートルック レーシング ファクトリー(ARF)にて
ラリー
ラリーは、広範囲にわたるエリアに決められたコース上の何十か所ものチェックポイントを、誰が車を壊さずに、如何に正確に来るかを競うものである。
若い頃、自動車に興味を持った私は、自動車ラリーにのめり込み、当時ラリの頂点だった日本アルペンラリーでも入賞し、結局そのラリー主催者のコース設定者としてラリーを職業にした。英国で開催された1979年の世界選手権RACラリーにも出場しクラス6位になった。
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トヨタに車を運んでもらって出場した。
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だから最高速でも160㎞/h位しか出ない。
これはSS(スペシャルステージ)走行中で、SSは所用タイムが減となる区間。
つまり速いものが上位になる。
メーカーチームのフォードエスコートなどは大馬力で、
アクセルを思いっきり踏むと、加速Gで首が痛くなるくらいの速さを誇る。
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例えば北京からパリまでの数千キロの陸路を、途中のチェックポイントを決められた時刻に正確に通過し、ゴールまでたどり着くかの正確さを競うものである。大会によりルールは異なるが、基本の考え方はそのチームの予定通過時刻に対し早遅1分につき1点の減点となる。
だから参加者は、主催者の設定した内容への挑戦である。参加している他のチームは競争相手ではなく、仲間である。順位はその正確さへの誤差で着く。
ただ時代の変化と共に、商業化したラリーは、昔ほど広範囲にわたらず、こじんまりした範囲に、たくさんのSSを設け、そこのタイムで勝敗を付ける形態に変わっている。 同じSS(スペシャル ステージ=速いものが優位となる区間)を2回目は反対から走るようにすると運営が楽だし、スポンサーの看板設営やテレビ放映もやり易い。観客も移動しなくて済むから、割と狭いエリアで行うようになった。
だから昔のグランドツアー的なラリーをして来た一流ラリーストはの中には、「なんだ、今のラリーはジムカーナをやっているのと同じじゃないか」と言う人もいる。私もそう思う。
それはさて置き、それほどラリーにのめり込んだが、モータースポーツにはラリーとサーキットでのレースに加え、スピードイベントの3種類があるが当初私はレースの世界はあまり分からなかった。
サーキットレース
サーキットレースは、専用の周回レーシングコースの周回数を、相手よりも如何に早く走り切るかで決まる。だから他の参加者との直接対決である。言い換えればタイムはあまり関係ない。相手よりも早くゴールすればよいのだから、自分がトップを走っているとき、2番手と大きく差をつけていれば、自分は限界ギリギリでの走行はせず、スピードを少々落とす。すると安全にゴールする度合いは高まるのである。
レースカーは ハコ車とフォーミュラ
そしてサーキットレースに参加する車両は大きく分けてハコ車、フォーミュラカー、その中間に位置するビータなどのレース専用車の3つに別れる。
ハコ車と言うのは、ビッツやマーチ、マツダのロードスターなど、市販車をベースにしたレース用の改造車である。いわば乗用馬を競走用に仕込み、競争大会に出しているようなものだ。
フォーミュラカーと言うのは、或る規格のもと、レース専用に作られた競走用のマシンである。馬なら競走馬専用に育てたサラブレッド種である。
フォーミュラには「規格」という意味がある。
昔の言い方であれば、フォーミュラカーの頂点がF1で、以下その下のクラスのF2、F3、F4、FJとなる。時代によって呼び方も規格内容も変わるが、概要としてはこのようになる。
だからレースの世界では、「レースやっています」というと、「あなたのやっているのは、ハコ車、フォーミュラ、どっち?」と聞かれることも多々ある。
関連して言えば、フォーミュラをやった人はハコ車には十分乗れるが、ハコ車をやった人がフォーミュラにすぐに乗るのは難しい。慣れが必要だ。
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市販車をベースに、レース用に手を加えたマツダ・ロードスター
ハコ車とは異なるフォーミュラカー
例えばフォーミュラの登竜門となるFJでいえば次のように異なる。
① フォーミュラカーにはラジエターはあるが、冷却ファンはない。
走っている風圧で冷やすのである。だからエンジンを掛けたままピットで少し止めていると、すぐにオーバーヒートとしてしまう。
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を外した状態のフォーミュラカー。
タイヤは晴れた日ようの溝の無いスリックタイヤ。
(使い込んでタイヤ溝が減った訳ではありません)
② バッテリーはあるが、充電装置はない。
コース上でスピンし、エンジンを掛ける行為を何回もすると、バッテリーの電気が無くなり、エンジン始動は不可となる。
③ 停めているとき用のパーキングブレーキも無い。停めているときは、タイヤにチョーク(歯止め)を噛ませて動かないようにする。
④ エンジン回転計はあるが、スピードメーターが無い。今スピードが何キロ出ているかよりも、エンジン性能の限界付近で走っているのだから、その状態を把握するのが重要だからである。不要なものは一切装着されていない。
⑤ ハコ車はハンドルが外れないが、フォーミュラカーのハンドルは脱着式である。乗り降りの時、ハンドルがあると邪魔になるからだ。乗り込んでからハンドルを付ける。車から出る時はその逆をする。
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ベルトは5点、又は6点式のフルハーネス(締め具)となる。
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私がベルト装着等のサポートをしているところ。
筑波サーキットコース1000にて
⑥ ハンドルの切れ角が全く違う。ハコ車で握りこぶし1つ分を切る時、フォーミュラなら小指一本分となる。だからハンドル操作はとてもシビアだ。
フォーミュラはこのように、走ることだけを目的に造られているマシンだ。
ハコ車とフォーミュラの中間に位置するビータなどのレース用マシンは、フォーミュラに近い存在だ。
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ビッツの1500CCエンジンをリヤに搭載している。
カラーリングはオーナーの好きなようにできる。
私の考えでは、自分の腕を上げたい人は、フォーミュラ車やビータなどのレース専用車で練習すれば、上達も早い。
何故なら、市販車はドライバーがミスした時でも、車がそれをカバーしてくれる。でもフォーミュラはドライバーのミスをカバーしてくれない。だからフォーミュラカーは繊細に扱う必要がある。結果腕は上がる。その身についた技能は、市販車を運転するときに十二分に役立つ。
気になる費用だが、考え方によっては安い。例えば1500CCの最新ビータは新車で約400万円。
これを3年使って売るとき、約300万円~350万円。つまり3年で50~100万円の償却と極めて少ない。
レンタルマシンでの走行も可能である。
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これに指導料、マシンメンテナンス代、ガレージ代、レース出場費用などが掛かるが、逆に税金や保険料は掛からないから、500万円以上する高級車に載ることを考えれば、むしろ安いと思える。
本当に分かっている人に訊くのが一番重要
そんなことも交えて二人で話をしているとアッという間に時間が経った。名指導者佐藤さんの指導を受けることは可能である。関心のある方は、ARFにコタクトされると良いと思う。
佐藤さんと私は「近い将来、そんな上達ノウハウを、二人の対談ライブでアップしましょうかね。もっと知りたい人もいるでしょうから」と話して、ガレージを後にした。
#オートルックレーシングガレージ #ARF #フォーミュラカー #佐藤力 #ビータ