北海道滞在記 エピソード8: カントリーロードのファーム・レストランへ
■胡瓜のお土産
北海道の歌志内にある「かもいホッフ」に一緒に滞在している木村夫妻は、出かけて帰ってくると、何度も胡瓜を数本ぶら下げて帰って来られる。
それで、私は「それどうしたんですか?」と尋ねた。
夫妻は「気に入ったイタリアン料理店があってね。そこは農家が営むレストランだから、食事した人に取れたての胡瓜を、無料でプレゼントしてくれるんだよ。料理も旨い。雰囲気も良い。だからまた行きたい」と言う。
そして、また胡瓜をぶら下げて帰ってくる。
すると「かもいホッフ」のキッチンに、新鮮な胡瓜が、だんだん増えて来る。それを料理して食べるが、また増える。
食通の木村夫妻が「美味しい」と何度も言うのだから、まず間違いないだろうと私の心は少し動いた。場所も隣町の砂川で、わりと近いとのことだ。
それで、「かもいホッフ」の斉藤博君に訊くと、「確かに美味しい。お勧めだよ」と言う。
それならば、一度私も連れて行ってよ・・・と切り出した。
■ 砂利道の先の農家レストラン
「えっ? この砂利道の先に、本当にレストランがあるの?」
道は舗装路から砂利道に替わり、四方八方、周りは全て農産物畑ばかり。看板は曲がり角に、小さなものが一つあっただけ。
だから私の頭の中には、映画「北北西に進路を取れ」でケーリー・グラントが平原やトウモロコシ畑を逃げ回るシーンが浮かび、ジョンデンバーの「カントリーロード」のメロディが流れてくる。
少し走ると、入り口らしきものがあった。そこを左にハンドルを切ると、本当に「あった!」
「ピノキオ」と名付けられたそのレストランは、ピノキオの話にまつわり、ログハウス調のウッディ・ハウスだった。
周りが広々としているから、建物は普通の大きさに見えたが、中は広かった。そして居心地の良さそうなレストラン内部は、まるでアメリカや、カナダのファーム(農家)レストランにいるかのようだ。
そして、入り口に並べられたお土産用の胡瓜があり、別売りの桃太郎トマトもストーブの前に並べられている。
なかなか良いね・・・と思っていると、店員さんに、我々5人がゆったり座れる席に案内された。窓からの景色は、大輪の花が咲き乱れていて,綺麗だ。
大いに気に入って外を眺めていると、100%天然の自家製トマトジュースが出て来た。これが美味い。
1,500円のランチセットには、サラダもついている。そして運ばれて来たメインデッシュの自家製トマトソースパスタ。
窓からの天然のそよ風、そしてファーム自家製の料理。大いに気に入って食していたら,お腹はもうパンパン。
近くのテーブルの人が食べている美味しそうなデザートも食べたかったが、お腹にそれ以上入る隙間は無かった。
砂利道の先にある農家レストラン「ピノキオ」。
大平原の中のレストランだが、それでも、次々にお客さんが来る。SNSの発達のせいだろう。
人気の高さを感じた。
帰路、勿論私の手にも胡瓜がぶら下がっていた。
#ピノキオ #農家レストラン #砂川
次回のエピソードに続く