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2台のベレット
我が町のとある駐車場に、2台のベレットが並んで停まっていた。
手前にあるのが、ベレットGT(通称:べレG)。
奥にあるのが、ベレット・ジェミニ。
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この車は左ハンドル車
奥の車を、普通はジェミニというのですが、いすゞ自動車がベレットの生産を止め、後継としてジェミニを世に出した時、系譜だてを印象つけるためか、はたまたベレットの人気を引き継ぐ橋渡しが目的かは知らないが、ダブルネームの「ベレット・ジェミニ」としたのである。
だから私の目には、2台のベレットと映った。
そして、この手前のベレットは、なんと左ハンドルだった。
ベレット1600GT・・・ 若い頃、その名前にも魅力を感じた。力の象徴のようにも感じた。
三角窓に、丸型の回転計とスピードメーター。こんな車に乗って、週末何処かを走しらせるなんで、夢のようだった。
金持ちのボンボンにでも生まれなければ、とても無理だろうなぁ~とも思った。
■ベレット&ジェミニとの縁
時は流れ、後年、ベレットGTに乗る機会があった。関西ラリー500㎞のコース設定車として使うことになったのである。しかもそれはタイプRという、一番パワフルな車だった。
レーシングチューナーが手掛けたこのベレットGT・タイプRは、4,000回転から上はスムーズに吹き上がるだが、低速回転域は、なかなか乗りづらかったのが印象に残っている。
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1974年6月。和歌山県の山中にて撮影。
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この車で行き止まりの林道を2㎞バックで走ったことを覚えている。
一方のジェミニには2台乗った。最初の白いジェミニは、日本アルペンラリーのコース設定につかった。この車、走りは特段に特徴はなかったが、さすがトラックメーカーのいすゞが造っただけあって、丈夫さだけが取り柄のように感じた。何しろ悪路を走っても、ドアの建付けは全く狂わないのである。
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車両は白のいすゞジェミニ4ドアセダン
岩手県の遠野から早池峰山への向かう時の1枚。
ラリーやレースで、いすゞと接点が出来たことから、さらに後年、ジェミニを23台まとめてマレーシアのジョホールサーキットへ運び、レースのマネジメントをすることにもなった。
むかし憧れたベレGという車に乗り、後継のジェミニを海外まで運び、レースまで展開するとは、若い頃は夢にも思わなかった。
世の中の縁とは不思議なものである。
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後方の黄色い建物は、王室専用の特別席。
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そこから陸路でマレーシアのジョホールに搬入。
そして、日本からの参加ドライバーと、現地のドライバーとで約3年間レースを開催した。
今にして思えば、全てのことを良くやり遂げたものだと思う。
この場を借りて、協力頂いた全ての方にお礼申し上げます。
#ベレット #ジェミニ #ジョホール #マレーシア #シンガポール