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「プロダクトマネジメント」を学ぶために、 自分に不足しているものを理解して、 インプット方法を使い分けた話

Flyleの荒井です。毎週noteのvol.4となりました!

先週公開した「『お金を払ってでも課題を解決したいユーザー』をどのように探し、どのようにプロダクト開発に協力してもらったか」はありがたいことに想定よりも多くの方に読んでいただき、リアクションをいただくことができました。とても嬉しく、今後の励みにもなります。

今回は、「ゼロからプロダクトマネジメントをどのように学ぶと良さそうか」について自分自身の経験も踏まえたお話をさせていただきます。

## 想定読者
・これからプロダクトマネジメントを学び始める方、学び始めた方
・プロダクトマネジメントに関する学習方法が分からない方、など

この記事では、主に下図の紹介をしていきます。

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兎にも角にも「プロダクトマネジメント」を実践しなければ始まらない

まず、自分がプロダクトマネジメントという仕事に対して「カバーしなければいけない知識・経験が多い」「事業のドメインやフェーズにおいて、取るべきアプローチが異なる」といった印象を持っていましたし、現在もその認識は変わりません。ビジネスは有機的であり、常に変化する世の中の状況に応じて柔軟に意思決定する必要があるため「これだけやっておけば万事OK!」という成功の型は存在しません。

プロダクトマネージャーとしての伸びしろを見つけるためには「プロダクトマネジメント業務を通して解決した課題、行った仮説検証に対する振り返り」が何よりも重要だと考えます。課題については単純に数の多さではなく、「課題の質」も着目する必要があります。
例えば、「ユーザーが〇〇という業務に困っており、それを解決するプロダクトをつくりたい」や「とある機能の文言がユーザーに伝わりにくいので修正したい」のように、様々な粒度の「課題」が存在します。

CPOクラスの方は事業戦略レベルの課題を扱っていることが多いですが、PMとしてのレベルアップした状態が「ユーザー・事業における大きな課題を解決できる」だとすると(非常に抽象的ですが。。。)、レベルアップするためには「大きな課題を解決できるようになるために、自分に足りていない知識や経験を手に入れる」ことが必要となります。この「自分に足りていない知識や経験」を把握するためには、実際にプロダクトマネジメントの業務を行ってみないことには絶対にわかりません。そのため、見出しに記載した通り「兎にも角にもプロダクトマネジメントを実践」した上で、自分に何が足りていないを知る必要があります。(プロダクトマネージャーとしてのスキルを分解した記事として、オカダヤスヒロさんの「プロダクトマネージャーに必要なテクニカルスキルを定義してみた話。」はとても参考になりました。)

「プロダクトマネジメント」が示すものは膨大であり、網羅的に学習するには多くの労力を要します。そのため、「自分に何が足りていないか」を明確にすることが現実的な学習の第一歩です。僕自身も、自分に足りない知識や経験を明確にしながらインプット&実践を繰り返し、こと事業の立ち上げフェーズにおいて「こうすると上手くいくのではないか」という自分のフレームができてきたように思います。

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以下では、何を得るためにどのような媒体からインプットしたかをご紹介します。

体系的・抽象的な学習であれば「本」や「オンライン学習」

自分が何かを体系的に学ぶ場合、基本的には良い本があるかどうかを探します。本の特徴として下記が挙げられます。

・その分野のエキスパートの知見が詰まっている
・体系的にまとまっている
・全体を把握した上で、必要な箇所のみ参照できる
・他者との共通知になりやすい(あの本のxxページに書いてあったよね)

プロダクトマネジメントを学ぶ上で一冊上げるとすれば、マーティ・ケーガン氏の「INSPIRED」という本がオススメです。前職で初めてプロダクトマネジメントの業務に携わる際に上司から薦められたのですが、プロダクトマネージャーとしてのミッション、課題発見、ソリューションの見つけ方、顧客との向き合い方、組織の作り方、など分かりやすい言葉で網羅的に解説されています。プロダクトのフェーズが変わる度に何度か読み返すのですが、毎度何らかの学びを得ることができます。

また、最近では「Udemy」や「Coursera」といったオンライン学習サービスも充実してきています。映像や音声を交えた効果的な学習が期待できます。

これらの「本」や「オンライン学習」は体系的に学びたい際に効果的である一方、書いてある内容は実際の業務と比較すると抽象的です。

具体的・実践的な学習であれば「webの事例記事」や「勉強会」

体系的に学ぶことでプロダクトマネジメントの役割や業務の全体像が見えてきますが、日々のプロダクトマネジメント業務の中でぶつかる課題に対する知識としては抽象的すぎるため、そのまま活用することは難しいです。そのような場合に有効なのが、「webの記事」や「勉強会」といった実際の業務上の課題をどのように解決したか、というケーススタディを元にした学びです。

ここで重要なのは、そのケースは自分たちと比較した場合にどれくらい参考にできるかを把握することです。例えば、toCビジネスのスタートアップをしている人が、toBのエンタープライズ規模のビジネスのプロダクトマネジメントの事例を学んでもあまり参考にはなりません。

下記は一例ですが、自分のプロダクトを要素分解して、どれくらい共通するかを判断した上で記事や勉強会での事例を参考にするとよいでしょう。

ビジネスドメイン:Vertical or Horizontal、toC or toB、成熟市場 or 新興市場、など
事業フェーズ:0→1、1→10、10→100、100〜、など
チーム、組織:内製 or 外注、予算、組織規模、など

例えば、僕たちであれば「比較的新しい市場での新規プロダクト」「プロダクト開発は内製」「Horizontal SaaS」「スタートアップ(少数、低予算)」「ITリテラシーが高いセグメントがメインターゲット」といった軸があり、これらにフィットする企業においての成功・失敗事例はとても参考になります。

注意点としては、web上に上がっている記事はどうしても概要寄りな内容になってしまう点です。実際には記事に書ききれないほど、多くの制約や課題といった背景があるはずです。どんな企業の、誰が、どのような状況で、といった前提を理解した上で、どこまでを参考にするのかを判断する必要があります。

最近はnoteなどでの発信も活発になっており、様々な企業の事例を参考にしやすくなりました。僕もこちらのnoteでプロダクトマネジメントやスタートアップに関する学びを週一で発信していくので、よろしければぜひフォローをお願いします。笑

インタラクティブに学べる「インタビュー・ヒアリング」も効果的

他社の事例を知ったり、他者からプロダクトマネジメントを学ぶ方法として、インタビューやヒアリングも効果的です。上に挙げた「本」や「webの記事」ではこちらが一方的にインプットするだけですが、会話ではこちらの仮説を相手に伝えてフィードバックもらう、といったようにインタラクティブに学ぶことが可能です。また、対話を通じて自分の考えをアウトプットしたり、自分が考えていなかった観点に気づけるといった効果も期待できます。

少し話はそれますが、僕が知人から「プログラミングを学びたい」と相談された場合は、必ず「プログラミングに関して相談できる人を見つけたほうがいい」と回答します。能力の習得に時間がかかる・学ぶべきことが大量にある場合、やみくもに学習してもなかなか成果を上げられません。「何が足りていないか」を指摘してくれる相談役がいることで学習効率は飛躍的に向上します。

僕も漠然とした課題を持っている場合は、ある程度仮説を立てた上で誰かに相談する・ヒアリングするというアプローチをよく取ります。過去を振り返っても、会話を通じて自分のやるべきことが明確になったケースがたくさんあります。

注意点としては、アポイント調整が必要になるため他の方法よりも学習までのリードタイムが長くなる点や、必要な情報を手に入れるための一定のヒアリングのスキルが必要な点です。また、一方的に情報提供してもらうばかりでいると関係性が悪くなる可能性もあるため、こちらからもお役に立てることがあれば積極的に提案したり、協力してくれた方へのお礼を忘れないようにしましょう。

学びを振り返る・アウトプットすることの重要性

1ヶ月前から自分の学びをnoteにアウトプットし始めましたが、この活動自体も自分の学びになっているなという実感があります。他人に伝えるという目的において、今まで感覚的に理解していた物事をより体系的にまとめる必要があるためです。

プロダクトマネジメントに限らずですが、多くのビジネスにおいて「過去に経験した同じ課題を解く」というシーンはほとんど無く、常に新しい課題と向き合い・解き続けなければなりません。そのような状況においても「〇〇という課題に対して、XXというアプローチをした。△△という点ではうまくいったが、□□という改善ができそう」と振り返り・学ぶことで、「あー、以前同じような課題に直面したけどどうしたっけな。。。」といった状態を回避でき、再現性のある解を自分の中にストックできるはずです。

アウトプットに関しては、過去に自分の日々の振り返りの意味も込めてブログを立ち上げては飽きて辞めて、、、を繰り返していたのですが、noteというプロダクトの性質上今まで個人で作ったブログよりもリアクションをもらえるため、続けるモチベーションになっています。

アウトプットの手段として、勉強会やイベントへの登壇も良さそうですね!

さいごに

この記事では自分がプロダクトマネジメントをどのように学んできたか、どのように学ぶと良さそうかを書いてみました。一通り書き終わって読み返しましたが、内容的には割と汎用的になってしまいました。笑

自分もまだまだ学習中の身ですので、「自分はこのように学んでいるよ!」「このようにアウトプットしているよ!」等のご意見やご感想をいただけるととても嬉しいです。

以上、ありがとうございました!

顧客フィードバックをプロダクト開発に有効活用するための「Flyle」を開発しております。もし興味があればお問い合わせやトライアル利用をお待ちしております!


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