あなたは信じられますか? 「2027年に私たちの前にAGIが現れる」という予想が元OpenAIのリサーチャから公表されました!
突然、びっくりするような予想が公表されました。元OpenAIのリサーチャーであるLeopold Aschenbrenner氏によるもので、人間の各分野の専門家の能力に匹敵するAGIが4年後の2027年に登場するというのです。にわかに信じがたい話ですが、早速彼の主張を見てみることにしましょう。
1.過去から現在、そして未来
未来を予想するには、まず過去から現在までどのように生成AIが発展してきたのかを知ることが重要です。ここで著者はOOMの考え方を導入しています。ざっくり言うと、1単位上がると10倍になるグラフを作成すると、その軌跡は直線になるというものです。 OOM=4は1万倍を意味します。このグラフの縦軸はコンピュータの計算量(物理的計算とアルゴリズムの効率化)を表しており、OOMで表示されています。そして現在の最高峰AIであるGPT4を基準としてます。
GPT2は2019年に登場し、その4年後2023年にGPT4が登場します。その間の性能向上はおおよそOOM=5(10万倍)という訳です。GPT2が幼稚園児とするとGPT4は優秀な高校生といったところです。これを今度は2023年を基準として2027年まで直線で延長します。するとGPT4と比較して、OOM=5(10万倍)も高性能なAIが誕生するはずだと予想できる訳です。このレベルのAIはAGIを達成できるという訳です。もし直線で結ぶことが妥当であるならば、あながち無理な予想とは言えませんね。
2.どの分野からAIの成長が生まれてくるのか?
2027年までAIが一気に性能を上げてくることを説明しましたが、どういった技術革新がそれを可能にするのでしょうか?著者は以下の3つのdriverを示しています。このグラフも縦軸はOOMですので、1単位の上昇は10倍を意味してます。
まず、青い部分はコンピュータ計算リソースの効率化によるものです。新型GPUの開発や超巨大GPUクラスタの建設により達成されます。
2つ目の緑の部分は訓練や推論のアルゴリズム改良や訓練データの改善などによるものです。近い将来、訓練データが枯渇してくるとの懸念もありますが、合成データを生成することで乗り切ることを期待しているようです。
3つ目の赤の部分は、完成したAIから私たちが必要な情報を取り出したり、正確に指示を出して、私たちが望むことをAIに実行させる技術の進歩を指しています。現在でもChain of thoughtをはじめとして、AIへの指示の出し方がさかんに研究されています。今後はAIがAgentとして機能し、さらに発展することが期待されており、そこからAIの大きな性能向上が望めるとのことです。
うーん、なんだか凄いですね。
3.AGIが実現した後はどうなる?
AGIが一旦達成されると、AIの進化は次のフェーズに移ります。ここでの主役はもはや人間ではなく、無数に存在するAIです。これらはAI開発用に訓練されており、24時間365日休むことなく働き続けることができます。従って人間に代わって、AIがAIの開発を担うことにより生産性は劇的に向上し、その結果2030年には人間を完全に凌駕するSuper intelligenceが生まれるとの予想です。その様子は下にグラフにあります。
2027年AGI登場の予想さえ理解するのに大変だった訳ですが、さすがにここまで来ると、そのとき私達の社会がどうなっているのか、正直想像の域を超えてきますね。仕事や教育、税制や医療さらには国家の安全保障まで、今とは全く違った風景になっているように思います。全人類にとってAIが明るい希望の星であることを祈るばかりです。
では最後に著者の言葉で終わることにしましょう。2027年に本当にAGIが実現しているのか、今から楽しみですね。元の論文は160ページもある大著ですが、読む価値はあると思います。下のリンクからアクセスできますので、ぜひ挑戦してみてください。
「これがリモートワーカーのようなものであり、非常に賢いエージェントであり、推論し計画しエラーを修正し、あなたやあなたの会社についてすべてを知っており、問題に数週間独立して取り組むことができるようになることを意味します。
私たちは2027年までにAGI(汎用人工知能)に向かっています。これらのAIシステムは基本的にすべての認知的な仕事(リモートで行えるすべての仕事)を自動化できるようになるでしょう。」
1) SITUATIONAL AWARENESS The Decade Ahead, Leopold Aschenbrenner, June 2024
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