ビジネスマンに勧める資産形成(株式投資)⑨~キャリア戦略に資産形成が有効な理由~

「ビジネスマンに勧める資産形成」に戻ります。
前回の「個々人の株式投資が国をエナジャイズする因果関係(正の循環)」に関して、ご紹介したいことがあります。

(↑は当日のPPTスライド)

10月に発行された「松本大の資本市場立国論(著者:マネックスグループ松本会長)」を先日読んでいたところ、大変僭越ながら自分の主義主張とピタッと合うコメントがありましたのでここでご紹介させて頂きます。

(以下引用)
日本にはまだまだたくさんの金融資産があり、かつ人材の質だって決して諸外国に負けていません。そうであるにもかかわらず、しっかりとしたアウトプットが出せていないのは、必要なところに必要な資源が配分されていないからです。

終身雇用制度などというのは、その典型的なケースと言ってもいいでしょう。

たとえば、多くの大企業で経営幹部になる人は、何歳の時点で選抜されているかご存じでしょうか。30代です。つまり30代の時点で、すでに経営幹部になれるかどうかが決まっているのです。
しかし、「君は将来の経営幹部だ。頑張ってくれ」などと、本人が30代のうちに知らされることはありません。

そのため、40代後半から50歳前後で部長に昇進した人のなかには、「自分も経営幹部になれるかも」といった淡い期待を抱きながら50代半ばになり、いきなり役職定年を突き付けられてしまうのです。

役職定年になったときには、すでに年齢もかなり高くなっていますし、少なくともその企業においては役職者としての権限がなくなってしまいます。高齢の平社員になってしまうのです。こうなると、もう余生をそこで送るしかありません。

でも、30代の時点で「君は残念ながら経営幹部にはなれない。この会社で働いても部長止まりだ。もちろん、それを承知のうえで働き続けてもいいし、他の企業に移籍して、実力を発揮してもらってもかまわない」と言われれば、早めにキャリアチェンジをすることができます。
経営幹部の道は閉ざされても、大企業に入って活躍できるだけの実力はあるわけですから、他の会社でのその実力を発揮できる可能性は、十分にあります。

特に、優秀な人材を大量採用している大手金融機関などは、最近は50歳の時点で役職定年を迎えるケースも少なくありません。そこから10年以上、余生のような会社員生活を送るのはあまりにも忍びないことですし、これはある意味、優秀な人材を飼い殺しにしているのと同じです。

それならば、もっと早い段階で「どこまで出世できるのか」をしっかり伝え、自分をより活かせる新天地で働いてもらったほうが、その企業というよりも、日本全体のためになります。
失業だって同じです。必要のない業種・部署で働いていた人が失業し、必要とされる業種・部署に移籍する。それによって最適再配分が実現するのです。

ただし、同じ業種・部署に入り直すのは、会社は変わっても単なる転職であり、これでは最適再配分にはなりません。
大事なのは、ある知識や経験を持っている人が、そういう部分の劣っている会社に再就職することです。まったく別のセクターに行くことが、人材の最適再配分が機能するうえで必要になります。
(引用終わり)

自分もこの考えに100%賛同します。但しその為には、経済面における自らの安心安全を一定程度確保しておくことが重要であり、個々人のキャリア戦略と資産形成、そして日本全体の活性化と資産形成は、切っても切れない関係にあると思うのです。

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