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法務部の仕事をサッカーで例えてみる話その2(戦術の回)

はじめに

前回の続きで、自分が考える法務部の仕事の戦術について、サッカーに例えながらまとめてみます。前提も前回と同じです。

寒くなったので衣替えしました

戦術(具体的な行動・指示)

情報を取る【プル型】

取締役会、経営会議、その他会議体に陪席し又は議事録を確認し、重要パーソンと1on1などで個別に接触し、情報を取得して法務部内で共有し、次の動きを先読みしましょう。
法務部としてプレーする大前提として、社内外の情報収集、その理解と共有はリーダーの仕事です。リーダーは、自分のため・チームのために、情報に接する機会を作り、死守する必要があります。

相談の仕組みを作る

法務相談システムを導入し、社内ワークフロー上も法務相談番号の入力を必須にすることで、取引前の事前質問を当たり前にしていきましょう。早めの法務相談というムーブが事業部としてスマートである、というイメージを作って行きましょう。
法務相談システムは、相談者が問題を一次整理することになるため、法務にとっては対応の難易度が下がる(≒ 易しいパスになる)、という効果もあります。

情報を発信する【プッシュ型】

全体に発信をする
良く出てくるイシューは、ニューズレター的に社内発信しておくことで、「聞いたことがある問題」化しましょう。ニューズレターの発信は、法務のプレゼンス向上にも繋がります。
ちなみに、社内チャットツール(Slackなど)で発信する場合は「フロー」情報としての最適化を図りましょう。読み手ニーズが最優先です。複雑にせず短文化・ニュースネタ中心・イントラ情報の紹介(ストックの活用)など、形式や内容を常にアップデートする意識が必要です。結局のところ、使われてなんぼ、なので。

個別に共有する
他部署が必要そうな情報は、その部署に向けて良いパスを出しましょう。良いパスとは、つまりは、易しい・優しいパスです。
特に、バックオフィス部門は情報把握の遅れが生じやすい部署です。法務から良いパスを出すことで信頼を高めることができ、違う機会に他部署からパスをもらえることに繋がることもあります。

部員自身にプレーさせる

部員は、自ら出場してプレーする機会がないと経験できず、成長できません。可能な限りボールを回し、自分でプレーさせましょう。ただしリスク判断はリーダーの責任なので、最後はカバーできる自信がないときはボールを回すのを控えましょう。

外部(法律事務所など)もチームに加える

例えば法務部が語学が得意でない場合、現地とのやり取り(英語や中国語)や個別の法律問題の発見・解決などの得意プレーは彼らに委ね、価値を出してもらいましょう。この場合、法務は彼らのマネジメントに徹します。この連携を継続的に行うためには、適正なフィーの支払と、社内の納得を得るための説明が必須です。

まとめ

自分が考える法務部の仕事の戦術を、サッカーに例えながらまとめてみました。個社特有の事情もあるとは思いますが、こんな動きができる・考え方ができる法務がいたら、会社(チーム全体)は嬉しいのではないでしょうか。


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