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世襲制世代交代顛末記(1)


女王的絶対権力者

その会社にはお局様の女王様が居た

事務方最高勤続年数の女帝であり ついでに社長の愛人的な存在であった。

中途採用の私は 社長とお局様の振る舞いから入社半年後の会社イベントで社長の奥様にお会いするまで、お局様が社長の奥様だと思って対応していた。

イベントで
「これ うちの奥さんと長女
と 社長に紹介頂いた時 直ぐに状況は理解したのだが自然に反応出来ずに悲しいまでのロボット対応になってしまい
「変なヤツだな」
と思われたのは間違い無いだろう。

旅行の多い会社だった。
今なら「行く行かないは個人の判断で」なんて感じで旅行に否定的な社員達も居たのだろうが その時全員で10人程度しか居なかった会社で 旅行不参加をする雰囲気にも成らずほぼ全員参加だった。

少なくとも年2回 1番多い時は年4回旅行があった。
さすがに年4回の年は 妻にも
「アンタの会社 真面目に仕事してんのか?」
と疑いの目を向けられたが 私には「やましい事」は無かったので「社長が直ぐに旅行行きたがるんだワ」と事実を述べてやり過ごしていた。

後から考えると 「やましい事」があったのは
社長とお局様ご両人であったのだろう。

手溶接

ガンコ職人定年退職
息子達入社

会社にはベテランのものづくり職人が居た。

私から評価すると、以前の記事でも度々記した「ガンコ職人」に分類される 決して褒められない勤務態度の人だった。

当時 会社には、驚くべき事に就労規則の様な物は存在しなかった。

全てが社長との口約束の様な会社に よく入社したなと思われるだろうが 前職を会社とのトラブルで突然退職して来た私にとってはとりあえず家族の生活を維持する為、目先の収入にすがりつく状態になっていた事は否めないだろう。

文書が存在しないのだから 定年の規定も口約束だけで非常に曖昧だったのだが
突然そのガンコ職人に
「定年退職して下さい」
との通知がされ、突然の事に驚いて居たガンコ職人も社長との退職金の話合い後に
「定年退職じゃしょうがねーな!」
と1ヶ月後に退職していった。

そこから
在職していたら多分 パワハラ上司になったであろう ガンコ職人を定年退職させた意味がハッキリと分かる状況
すなわち
息子達の入社ラッシュが始まったのである。

 3兄弟全員入社

まず登場したのが お局様の長男
他人に厳しく自分に甘い お母様の寵愛の元に大事に育てられた甘ったれでしたね。

直ぐその後に社長の次男
その後 長男
そしてその後 3男が入社
いきなり甘ったれ役員ばっかりになってしまった!

      つづく


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