世襲制世代交代顛末記(最終回)
姉に対するパワハラがエスカレート
会長も入退院を繰り返して 新社長として頑張らなければならない時にそんな事はお構い無しに長男社長は監査役姉に対してのパワハラをエスカレートさせて行きました。
会長不在で歯止めが利かなくなったワガママ長男王子は
「姉を追出す為なら手段は選ばない」
状態になったのか 全社員が認識出来る程に露骨な嫌がらせを始めました。
立ち塞がって 姉の通行を邪魔したり腕を掴んで脅かしたり 肉親で被害届は出されないであろうと言う考えからか、犯罪行為にあたる様な暴力行為もパワハラに含まれる様になってしまいました。
会社には次男も3男もいるのですが
「兄は話を聞かないから」
と逃げてしまい 責任感のカケラもありません。
監査役姉が退職を決意
流石にこのめちゃくちゃな状況の中で 監査役姉が退職を決意します。
元々生活に困っていた訳でも無く
「会長(父親)に頼まれたから入社してやった」
感の強かった長女にとってこの会社は特にこだわる程の物では無かった様です。
ただ長男との意地の張り合いがエスカレートしてお互い引くに引けない状況に陥った感じが濃厚でした。
創業社長の家族って
後から本人に聞いた話ですが 長女姉が経理関係を受け持つ事になり仕事内容を入院中の会長に教わりに行くと
「こんな物みっともないから持って来るな!」
と会長に追い返されたそうです。
「どう言う家族なんだ?」
娘を育てる為ならばその時の対応は圧倒的に間違っています。
不思議でめちゃくちゃな家族関係でした。
確かに長女が入社直後まだ何も問題が起きていない頃に
「〇〇家(会長家族)ってみんな食べるの速いの?」
と聞いた事があります。
次男3男が5分もかからずに弁当を完食する姿を見ての質問でしたが長女の解答は
「兄弟達と一緒に食事した記憶が無いんで分からない」
と言う物でした。
子供が5人居る7人家族で
「家族揃って食事をした記憶が無い」
状態で育った家庭の歪みの様な物が問題の根底に潜んで居たのかも知れません。
ここからは私の勝手な推測になりますが 会長とプライベートに話して推し量れる家庭の様子は こんな感じだったかも知れません。
日本の家庭にありがちな
「家庭の事はお前に任せたから」
と言って 家族の事 子育ての事から逃げて
「俺は仕事してるんだから」
と言い訳して
休みの日も自分の遊びばかりで家庭には滅多に関わらない旦那
加えて 会社の 女帝お局様との関係も家族関係に影を落としていたのかと思います。
そんな家庭環境で育ってしまった兄弟達が 会長の後を継いで会社役員に就任しても 従業員の家庭を守る責任なんてものは微塵も感じていなかったのかもしれません。
定年退職した今 思い起こせば細かな周辺状況を推察する事も可能ですが
在職中は 目の前の「歳食ったガキ共」の喧嘩を仲裁するだけで手一杯でした。
まだ今現在 会社の蓄財も底をついていないだろうと思いますが、今後絶対に金銭的に苦しくなると思いますので その時に兄弟達が 変わることができるのか 社員達の生活を守ると言う経営理念が出て来るのか?
今の所 予測できない状況であると言えます。
世襲制の会社に創業社長の子供達4人が入社して引き起こした事件の顛末は以上になります。
お付き合いいただきありがとうございました。
(全部 実話です!)
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