前立腺生検を受けた感想:定期健診の重要性を実感して
健康診断は、日々の健康を守るために欠かせない習慣です。しかし、実際に異常を指摘された場合、多くの人が不安や疑問を抱えるものです。私自身、1年前の定期健診で「前立腺の肥大」を指摘されたことをきっかけに泌尿器科を受診し、半年前のPSA値4.3という数値を「少し高い」と感じつつも様子を見ることになりました。
その後、PSA値が急上昇し、MRI検査や生検を経て、改めて定期健診の重要性を実感しました。特に前立腺がんは、自覚症状がほとんどなく進行するケースが多いため、定期的な検査が早期発見に繋がります。今回は、私が実際に前立腺生検を受けた体験と、その過程で感じたことを詳しくお伝えします。そして、同じように健康管理を考えている方々へ、定期健診の重要性を再認識していただくきっかけになれば幸いです。
1年前の定期健診での指摘から始まったプロセス
定期健診での「前立腺肥大」の指摘
1年前、いつも通り受けた定期健診で「前立腺の肥大がみられる」との指摘がありました。その時点では特に症状がなく、医師からも「年齢とともに前立腺は肥大しやすくなるため、泌尿器科でのチェックをお勧めします」との助言を受けた程度でした。
この時点では特に不安を感じることもなく、「念のため」という気持ちで泌尿器科を受診しました。
PSA値4.3での経過観察
泌尿器科では、前立腺がんの早期発見に重要なPSA(前立腺特異抗原)検査を受けました。結果は4.3ng/mLで、基準値の4をわずかに上回る数値。医師からは「少し高めですが、すぐに心配する必要はありません」と言われ、6ヶ月間の経過観察となりました。
PSA値11への急上昇とMRI検査の指示
ところが、その後の検査でPSA値が11に急上昇していることが判明しました。医師からは「この数値の上昇は気になるので、念のためMRI検査を受けましょう」との説明を受けました。この時点で初めて、「もしかして前立腺がんの可能性もあるのでは」と、不安な気持ちが強まりました。
MRI検査での結果と生検の必要性
MRI検査の結果
MRI検査を受けた結果、前立腺そのものが特別大きいわけではありませんでした。ただし、前立腺内に影が見られ、左右で形状に差があることが判明。また、家族歴として父が前立腺がんを患っていたこともあり、医師から「より精密な検査が必要」と言われました。
生検の必要性
MRI検査だけでは前立腺がんの有無を確定できないため、経直腸的前立腺生検を受ける必要があるとのことでした。この時点で、自分の体に針を刺して細胞を採取するという生検の手法を初めて知り、不安と恐怖を感じましたが、早期発見のためには避けられない検査だと受け入れることにしました。
経直腸的前立腺生検の体験
1. 検査の概要と準備
経直腸的前立腺生検は、肛門から超音波装置を挿入し、前立腺を観察しながら細胞を採取する検査です。細胞は前立腺の10か所から採取され、検査結果は2週間後に判明します。検査は1泊2日の入院が必要で、私の場合は部分麻酔(仙骨麻酔)で行われました。
2. 検査中の痛みと不快感
肛門に「痔」があったため、超音波装置の挿入時に激しい痛みを感じました。さらに、生検針を刺す瞬間にも予想以上の痛みがあり、精神的にも肉体的にも辛い検査でした。ただし、麻酔をしているため、全体を通じて耐えられないほどの痛みではなく、終わった後には「ようやく終わった」と安堵しました。
3. 生検後の経過と退院
生検後は4時間の安静が必要で、その間は点滴を受けながら体調を観察されました。検温や尿の量、血尿の有無などを看護師さんがチェックしているようでした。私の場合、合併症の症状(発熱、血尿、感染症など)は出ず、翌日には無事に退院することができました。
前立腺がんの早期発見の重要性
自覚症状がないからこそ検査が重要
前立腺がんは初期段階では自覚症状がないことが多く、発見が遅れるケースが少なくありません。私自身もまったく症状がなく、定期健診がなければPSA値の異常に気づくことはなかったでしょう。
日本での前立腺がんの増加傾向
日本では、高齢化や食生活の欧米化により前立腺がんの罹患率が増加しています。特に50代以上の男性ではリスクが高まり、PSA検査の普及により早期発見のケースも増えています。
定期健診のすすめ
1. PSA検査の重要性
50代以上の男性は、定期的にPSA検査を受けることを強くお勧めします。PSA検査は血液検査の一種で、簡単に受けることができます。早期発見が命を救う可能性が高いため、健康診断に追加して受けることを検討してください。
2. 家族歴のある人は注意が必要
私の場合、父が前立腺がんを患っていたことが、検査を受ける大きなきっかけとなりました。家族歴がある方は、特に注意して定期的な検査を受けることをおすすめします。
3. 異常がなくても継続的な検査を
1回の検査で異常が見つからなくても、数年後に異常が出る可能性があります。健康診断は毎年欠かさず受けることが大切です。
おわりに:前立腺生検を通じて感じたこと
今回の経験を通じて、健康診断の重要性を改めて実感しました。早期発見が可能な病気であれば、治療の選択肢も増え、生活の質を保ちながら回復を目指すことができます。
前立腺がんは、自覚症状がない分、発見が遅れがちな病気です。しかし、定期的な検査を通じて早期対応ができれば、命を守ることができるのです。
これを機に、健康診断を定期的に受けること、そして異常があれば医師の指示に従い適切な検査を受けることを、ぜひ多くの方に考えていただければと思います。そして、同じような不安を抱える方々が少しでも前向きな気持ちで検査を受けられるよう、この体験を共有することでお役に立てれば幸いです。