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「上流階級富久丸百貨店外商部」[2巻]を読んで
[2巻]上流階級 富久丸百貨店外商部
著者:高殿 円
オーディブル版を読んで
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上流階級 富久丸百貨店外商部 1巻を読み終えて、主人公の鮫島静緒や同居人である枡家のその後が気になってしまいました。
主人公の鮫島静緒が、富久丸百貨店外商部で働き始めて1年を過ぎ仕事に慣れてきたころからの物語です。ひょんなことから同僚の枡家と同居するようになったことからの展開も面白く、今まで見えていなかった登場人物の内面がみえてくる。
たとえば、外商王子といわれている枡家も様々な問題を抱えていて生きている。最近耳にするようになった「LGBTQ」のあり方や上流階級であるからこその周りの反応など、生きていく上でのさまざまな葛藤が印象に残った。
主人公以外の登場人物それぞれを個性的に描きかれていて、この人はこれからどう生きていくのだろうと展開が面白い。
百貨店の仕事もさまざまあり、従業員としてお客様とのかかわりがあるのは当然。しかし、外商員の仕事として暴力団幹部の愛人の相談にのったり、顧客の孫の成長のためとはいえ、海外に赴いての添乗員のような役割までこなしている。
業績をあげるための催事の企画立案など、ビジネスパーソンにとって参考になる内容も盛り込まれています。
百貨店の外商員の仕事内容や接客を通しての人間関係の考え方など勉強になる小説でした。