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【漫画】BLUE GIANT EXPLORE(9)(完)石塚 真一/NUMBER 8

 「世界一のジャズプレイヤーになる」。主人公である宮本 大はそれだけを目指して旅を続けている。そんな彼の一区切りが『BLUE GIANT EXPLORE(9)』で描かれている。
 とはいってもまだまだ先は長く、本当に一区切りといった終わり方であったし、同時に続刊の『BLUE GIANT MOMENTAM(1)』が発売されている。

 本シリーズでは、アメリカを横断しながらライブを続ける大一行。フロリダでのライブを終え、ニューヨークを前に一度ボストンでライブを行うことに。ボストンにはバークリー音楽大学があり、初代『BLUE GIANT』の主人公の一人である沢辺 雪祈が紆余曲折を経てそこに通っている。ジャズプレイヤーとして完全な無名とは言えなくなった大がそこでライブをするとなれば、再会は必至だが、大は一時的にバンドを組んだ彼を日本に置いてきて、さらに連絡も取っていないことに引け目を感じ、どこか上の空でボストンへ向かうことになる。そして数回のライブの後、大は雪祈と再会することになるが、このシーンがね…。いいんですよ…。
 大が「雪祈だったら、きっとこうなっているはずだ」と思い描いていた通りの雪祈に会えて涙が止まらないといったシーン、普段はジャズ一本でよく言えば全力投球、悪く言えば周りを顧みない大だけれど、やっぱ思うところがない訳ではないんだなぁと感じてしまいましたよ。

 BLUE GIANTは割と不意打ち感動シーンが多いのだけれど、今回はアントニオと雪祈の会話シーンがそれでした。同じピアニスト同士、感じるものがあるんだろうなと思う一方で、アントニオが持っている「相手のためを思うような嘘は口に出さないが、尊敬に値する真実なら素直に言う」一面が突然前面に出てきてくるものがありました。

 すっかり長編シリーズものとなってしまった『BLUE GIANT』ですが、新章に入ってまだまだ楽しませてくれそうな感じ。というか既に次巻も良かったのでまだの人は是非。

 ではまた。

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