2021年WCSにおけるDFMの強さの考察②
2021春、AriaはCGAからDFMにやってきた。
SNSでは衝撃が走った。
「Cerosはどうなるの?」…
答えは単純だった。Cerosはサブに回ったのである。
Cerosの弱点であったチャンピオンプールの面は完璧にクリアし、ただでさえ強力なDFMが今まで以上に戦略の幅を増やしたのである。
Eviがレーンで勝ち、Yutaponがファームをしてハイパーキャリーするのを待つというのが基本線だったが、Ariaの加入によりミッドキャリー、ミッドとジャングルが同時に動いていくというムーブが可能になった。
そもそもCerosの使うハイマーやジグスなどは、機動性に欠ける部分が多く、ローミングには向いていなかったのだが、Ariaの加入により、ルブランやサイラス、TFなどのサイドスプリットが強力なチャンピオンを置けるようになった。
Ariaになり、最も変わったのはStealへの評価であろう。
どうしてもCeros時代はミッドにブリンクのないチャンプをピックするため、カバー中心の動きを求められており、そのせいで経験値差が付くことが多かった。
しかしながら、Ariaになった瞬間、それがなくなり、一層Stealの素晴らしいジャングリングが目立つようになった。
例えば低レベル時のトップへのタワーダイブなどは分かりやすい例である。
Ariaが先にプッシュしてStealと共に寄り、そもそもレーンで基本有利を持つEviのスノーボールを加速させることで試合を序盤から優位に動かせるのである。
そもそもStealが加入してからというものの、コミュニティでのStealの評価はあまり高くはないという印象を私は受けていた。
しかしながら選手間のインタビューなどで「誰が一番うまいか?」と問われると、選手間では必ずStealという名前が上がっていたのを鮮明に記憶している。
ここの乖離は一体なんなんだろうと思っていたが、Ariaがミッドになったことでようやく理解できた。
イレリア、サイラス、ルブラン、アジール、アカリ、ヨネ、ルシアン、オリアナ、シンドラ、レネクトン…
あまりに広すぎるAriaのチャンピオンプールは、誰にも止められない。
BANされようとまた次のチャンプが出てくるのである。
このような選手が1人いるだけで相手からしたらB/Pが一段と難しくなる。
あまりにも素晴らしい補強だったと言え、WCSにおける強さの最大要因だったのはAriaの加入と言っても過言ではないかもしれない。
しかしながらCerosも、様々な動画を見て分かる通りメンバーのメンタルケアや、Kazuコーチとのミーティングや話し合いの場には必ず現れている。
コーチ兼サブ選手、と言ったような感じなのだろうか。
国内外問わず経験豊富なCerosは、まだ経験の浅いAriaにとって大変心強いメンバーだったのは容易に想像できる。
③では本題に入る。
DFMがなぜ勝てたのか?負けるとしてどんな時か。