2021年WCSにおけるDFMの強さの考察①
2021/10/7 深夜 WCSプレイインステージにて、DFMがC9を破り日本史上初のグループステージ突破を決めた。
同グループになった他の4チームは、歴史のある強豪チームが揃っていた。
始まる前の下馬評は、「どこが一位になってもおかしくない」というものであった。
しかし、終わってみたら4勝1敗というかなりの好成績で、唯一の負けたC9戦も選手たちのインタビュー曰く「B/Pでミスがあった」ということであった。
そのC9に対しても昨日深夜、タイブレークで1位を争い、DFMが勝利しリベンジを果たしたと言うわけである。
今までの世界大会で日本は散々期待されながらも、四年連続でプレイインステージは1勝止まり、ファンの期待には到底及ばない結果に留まっていた。
記憶に新しいのがようやくプレイインの次の段階、プレイイン2次予選に進んだ2018年大会であるが、その時は中国の強豪EDGに3-0で敗北を喫した。
はっきり言ってその内容は散々なものだった。
今までLJLでほとんど無敵だったCerosのハイマーをBANもされずに打ち砕かれ、EviもYutaponもレーンで潰されていく。
得意の集団戦フェーズに行く前に試合が終わってしまう。
当時はEviやYutaponがハイパーキャリーを、Cerosがカルマやガリオをピックし、とにかくレイトゲームの自分達が強くなるのを待つと言うスタイルが主流であった。
Cerosがハイマーやジグスを扱う理由も、ウェーブクリアを早々にし、なるべくハイパーキャリーの元へ素早く駆けつけようということだったのであろう。
私はこの時のDFMを見ていながら「なぜCerosは“使える”のに他のチャンプを使わないんだろう」と考えていた。
昔のCerosは様々なチャンピオンを使用していた。そもそも皇帝というあだ名が付いているのだってアジールを使ってアウトプレイを決めてからである。
アジール、ルブラン、ゾーイ、サイラスなど。
様々なキャリーを扱えるのにも関わらずやはり最後の馬として決めたのはハイマー、ジグスであった。
LJLでは太刀打ちできるプレイヤーは存在せず、BANされ続けていたが、その当時世界中探してもハイマー、ジグスを使用していたのはCerosだけ。
やはりピックされないのには理由があったのだろう。
EDGは、ブリンクのないハイマーを使用するCerosのレーンをとにかく潰し続けたのである。
それも当時ミッドでメタだったルブランやアカリ、シンドラなどをピックされて、である。
私はこの試合が終わった時、「MIDのプールがもう少し広がったらなあ」と終始考えていた。
当時のツイッチの公式配信のコメントは酷い言葉で溢れかえっていた。
Cerosを叩く声ももちろんあったし、Cerosのためにカバーの動きをしてファームが遅れ、結果として負けてしまうJGのStealすらも叩かれていた。
非常に心苦しいものであった。
(これに関しては正直「日本代表としてとんでもないプレッシャーと戦ってるのになんで負けたからってやっきになってそんな叩けるねん」って思っていたが。)
しかしながらやはり今でも思う。Cerosが他の普通のメタチャンプを使用していた世界線が見てみたいと。
確かにハイマーやジグス、カルマやニーコなども強いピックだとは思うが、他の強豪チームがピックしないのには明確な理由が必ずあると思う。
そんな試合から3年が経ち、2021シーズンに彼はやってきた。
大エース Ariaの登場である。
つづく