生存バイアスによる「主観的成功論」よりずっと客観的なのがFXという話
「そんなのお前にしか出来ないだろ!」
と、思わず言ってしまいたくなるような成功論を言っている人っていますよね。
ホリエモンが「仕事が嫌なら辞めればいい」みたいにいくら言ってても、それぞれの事情を鑑みるとなかなかそう簡単にはいかないもの。
どんな分野のビジネスであっても、いわゆる「成功論」というのは結局「自分がこうやって成功した」という主観論になってしまうところはどうしてもあります。
実際、その「成功者」と同じことをしているのに上手く行かずに日の目を見ない人間というのも少なからず存在しています。
YouTuberなんかはそれが顕著に出ていますよね。
やっている内容は登録者数百万人くらいいる「成功YouTuber」と大して変わらないのに、全然日の目を見ない人達って探すと結構出てきたりします。
YouTubeは動画として残っているので可視化しやすくなっている部分はありますが、恐らくどの分野でも同じように日の目を見ない人達と居るのはいるはずです。
そして、実は成功者自身にも具体的に一体何が成功の要因となったのかは完全には分からないブラックボックスなのです。
「自分はこうやって成功した!だから皆も同じようにやれば成功できる」
と声高に叫ぶ・・・これは、”生き残った者のみが評価される”という「生存バイアス」と呼ばれるものです。
この生存バイアスによって露出が多くなっている情報というのは厄介で、著名人が言っていたり、多くの人に支持されていたりといった社会的証明の観点からさもそれが正しいかのように思えてしまいます。
しかし、実際には人間というのはそれぞれ価値観、性格、家庭環境などが異なる中で
「万人が等しく共通して成功できる方法」
というのはほぼ皆無ではないかと私は思います(0%と断定はできないものの)。
そもそもあらゆる前提条件が全く異なるので、それは当たり前と言えば当たり前なのですが。
それどころか、生存バイアスによって露出が多くなっている情報に踊らされて「自分と全く合わない成功論」であるにもかかわらず愚直に続けてしまってかえって成功から遠ざかってしまうことすら有り得るのではないでしょうか。
「自分にとっては当たり前に出来ること」を、当たり前に出来ない人というのは必ずいますし、逆もまた真なりで「他人が当たり前に出来ること」を自分も出来るとは限らないのです。
そもそも人の心なんて分かりません
私は生きてて一番難しいのは、「人の心を理解すること」だと思います。
正直言って「人の心なんて分かるわけないよ!」と、開き直ってすらいます。
でも、社会の中で生きていこうとすると「わからない」じゃあそこで話が終わってしまうし、それじゃ済ませられないんですよね。
例え100%は理解できなくとも、少なくとも「分かろうと努力する姿勢」は周囲から求められるわけです。
まあ、私はトレーダーなんてやってるものですから普通の人よりそれが求められる機会は少ないですが…
で、特に何かのビジネスで成功しようとすると(つまり、FX以外の道でということ)、人の心というのが重要なファクターになってきますね。
例えばYouTube投稿で副業収入を得ようとしている方であれば、視聴者がなるべく多く見るであろう時間帯に合わせて投稿時間を調整するなど、見ている相手のことを考えて「心」にフォーカスする戦略が必要不可欠です。
私が思うに、ビジネスの成功論というものを突き詰めると
「人の心」
というとても曖昧なものにフォーカスしなければならないところがあると思います。
ビジネスというものはどんなジャンルであれ
・商品やサービスに対して興味を持ってもらう
・商品やサービスのメリットを知ってもらって信用してもらう
・商品やサービスを実際に購入する
という順番を辿って対価を得るものなわけですが、どの過程であっても必ず”人の心を動かすこと”というのがキーポイントになってきます。
しかし、人の心というのはとても曖昧で、不安定で、移ろいやすく、非常に厄介なものの代名詞とも言える存在です。
昨日考えていたことと今日考えていることがまるっきり正反対というのも珍しくはありませんし、自分が一番わかっているはずの”自分の心”ですら時に分からないことすらありますよね。
そして、趣味嗜好、性格、家庭環境、時勢、流行り廃り、体調・・・といった具合に、ありとあらゆる要素によって変わってくるのが人の心というやつです。
仮に対面でのビジネスにおいて人の心を動かそうとすれば、単純に「話し方」や「プレゼン力」だけを上げれば良いという話ではなく声のトーン、身振り手振り、表情、相槌、自分と相手の席位置などあらゆる要素にフォーカスして「人の心」という曖昧なものにアプローチをしていかなければなりません。
少なくとも、私にとってはこれは「曖昧で難しすぎる」というのが正直なところでした。
FXは「儲けたい」「損したくない」という心だけにフォーカスすれば良い
ところがFXというのは、”人の心”を相手にするというのは他のビジネスと変わらないのですが、FXにおいては
「儲けたい」
「損したくない」
という単純な経済的動機のみにフォーカスすれば良く、その他の要素を考える必要は全くありません。
しかも、その「儲けたい」「損したくない」という心理はチャートに”事実”として刻まれます。
これは通常のビジネスでは有り得ないことではないでしょうか。
なぜなら、ビジネスにおいて見込み客や顧客自らが
「自分はこういう要望・不満を持っている」
と明らかにしてくれる機会などほとんど無いか、それを上手に引き出すために高度な技術を必要としますよね。
対して難易度が圧倒的に易しいと言えるのではないでしょうか。
しかも、この「儲けたい」「損したくない」という心理は性格など個人の状況に関わらず誰しもが少なからず等しく持っているものですから、チャートで人の心を読み解くスキルを一度身に付けてしまえば、例え時代が変わっても稼ぎ続けることが出来るというわけです。
・人の心の経済的動機のみにフォーカスすれば良い
・人の心の揺らぎはチャートに事実として全て現れる
という条件下で行えます。
しかも、FXにおいては何をしようと「最終的に勝てば正義」なわけですから、”カンニング”だろうと”後出しじゃんけん”だろうとやりたい放題です。
それほど成功しやすい条件が揃っているうえに、きちんと勉強すれば凡人でも億を稼ぐことも不可能ではないわけですからこれほど「成功しやすいビジネス」は他に無いのではないかと思います(決して「FXは簡単」などと言うつもりはありませんが)。