【英国LLM留学】プレセッショナル・コースの中身を詳しく紹介します
こんにちは。
お読みいただきありがとうございます。
ぼくは、2023年にキングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のロースクールを修了しました(LL.M.)。カリキュラムは’22年9月下旬から始まったのですが、ぼくは、その前にプレセッショナル・コースと呼ばれる準備コースに6週間参加しています。
以前、プレセッショナル・コースの概要、そして良いところと留意点を紹介しました。
今回は、もう少し細かく、いったいプレセッショナル・コースでは何をやるのかという点を、スケジュールとともに振り返りたいと思います。
はじめに:ご注意ください
ぼくは、2022年夏に、KCLの6-weekプログラムに参加しています。ここで紹介するスケジュールは、あくまでぼくの経験に基づくもので、①学校、②年度、③実施期間が異なれば、当然プログラムは異なると思います。
特に、①については、学校が違えばかなり違うのではないでしょうか。
その意味で、このエントリーは、KCLのプレセッショナル・コースに参加を検討している方向けと言えるかもしれません。とはいえ、ぼくもコースを取るまではどんなことをやるのか全く想像できなかったので、ざっくりとイメージを持って頂くには良いのかなと思います。
前置きが長くなりましたが始めます。
基本的な枠組み
4技能を鍛える
プレセッショナル・コースは、Reading, Listening, Writing, Speakingの4技能を向上させる目的でプログラムが組まれています。
これはIELTSやTOEFLなどの英語テストと同じですね。
1週間のコマ割り
各週のことを書く前に、1週間の授業がどんな感じで組まれているのかを見る方が分かりやすいと思います。各週ちょっとずつ内容は変わりますが、基本的に、この予定を6週間繰り返しました。
ぼくはnoteで表がうまく使えないので、エクセルで作って貼り付けたのですが、ちょっと小さくて見づらいですね。
すみません、拡大してください!
この他に、KCLのポータルサイトにセルフラーニングのページが設けられており、毎週課題が課されます。
(大声では言えませんが、やらないときもありました。)
修了テストがある
プレセッショナル・コースは4技能を鍛えるプログラムが組まれていると書きましたが、それぞれの技能について、コースの終盤にテストが課されています。このテストの結果をもとに、コース修了の可否が判断されることになります。
後ほど詳しく説明します。
モジュールは全部で4種類
プレセッショナル・コースは、おおまかに言って4種類のモジュールから構成されています。少し前の表を見ながら読んで頂ければと思います。
Academic Workshop(赤)
名前のとおり、グループワークが中心の授業です。1クラス30名ぐらいで、テーブルごとに更に小グループを作ります。
スピーキングのイロハ、建設的なディカッションの仕方、アカデミックライティングの手法といったものを、グループワークを通じて学びます。
Academic Principle(青)
どちらかというインプットに焦点を置いた授業です。こちらも1クラス30名で、大学の中教室で行われます。
これのもうちょい狭い感じの部屋の前の方に集まって授業をします。
インプットが中心という建前であれえど、実際は、Academic Workshopとグループワークの量は変わらず、正直言って、あまり、両者の違いは分かりませんでした。
違うとすれば、ライティングの比重が大きかった気がします。
Lecture(緑)
これは大講義室での講義ですね。KCLのプレセッショナル・コースでは、社会科学・人文科学・自然科学の3つ専攻に分けて、グループが作られます。ぼくのようなロースクールへの入学予定者は、社会科学のグループに振り分けられ、Lectureについても、社会科学に関するものが行われました。
具体的には、公共政策の教授が授業をしてくれました。
ただし、内容はあまり覚えていません(笑)
Tutorials(黄)
イギリスの大学院のカリキュラムに言うTutorial(又はSeminar)は、少人数のゼミなのですが、プレセッショナル・コースでのそれは、少し毛色が異なります。
学問に関することをやるのではなく、大学院生活を始めるにあたっての心配ごとを共有したり、ちゃんとプレセッショナル・コースについていけているかというを相談するというチームビルディングの機会になっていました。
修了テストの内容
4技能の評価方法
ぼくの通ったKCLの6-weekコースでは、こんな感じでした。
つまり、Wiriting技能はショートエッセイでの評価が全て(100%)であり、Listening技能については、リスニングテストの評価の70%とプレゼンテーションでの評価の30%の合算が、評価となるわけです。
合格点は確か各技能70/100点だったと思います。でも、採点基準は分からないので、点数自体にあまり意味は無いのではないかと思います。
ショートエッセイ
正確には、Extended Writingと名付けられていました。3つのテストの中でも一番手間暇がかかったものでした。
細かい要綱は手元に残っていないのですが、まず、第1週目のオリエンテーションで、お題の発表と3つの論文が配布があります。最終的には、これに自分で探してきた論文を2つ追加して、合計5つの論文をソースにして約1200Wordのエッセイを書きます。
第2週目にエッセイの枠組みを書いたプランを提出し、第4週目に細かいところを詰めた詳細プランを提出します。最終版エッセイの提出は、第5週目の木曜日でした。
ぼくたち(社会科学グループ)に与えられたお題は、次のとおりでした。
上に書いたAW(赤)とAP(青)の授業は、お題に対するエッセイの主題(thesis)を検討し、エッセイの枠組みを理解し、ソースの引用法を学び、、、といった具合に、授業を進める中でエッセイが完成できるようなカリキュラムが組まれていました。
体感としては、プレセッショナル・コースの50%は、このショートエッセイを完成させるための授業だったように思います。
お堅い文章を書くのは慣れているつもりだったのですが、実際にプレセッショナル・コースを受けてみると、欧米のアカデミックライティングの作法を全く知らなかったことに気づかされました。
ぼくは、ロースクールで提出したエッセイは、修士論文含めて全てDistinction(優)を貰えたのですが、これはプレセッショナル・コースのおかげだったと思っています。
リスニングテスト
約7分の英語での講義やスピーチを聞きながら12問の4択問題に答えるのを2セットやります。音声を聞きながら問題を読めるので、IELTSに似ているかもしれません。
第4週目の金曜日に実施されました。KCLのポータルにテストにアクセスするためのURLが時間になると表示され、それにアクセスしてテストを受ける形です。
会場に集まるのではなく、各々が自分のパソコンで好きな場所でテストを受ける仕様でした。本人認証もなかったので、ネイティブの人に代行してもらえば100点取れそうだなあ、と思いながら一人で部屋で受験しました(笑)
難易度は分かりませんが、さすがのぼくも70点は取れていたと思うので、IELTSのListeningが6.5‐7.0あれば、苦労しないだろうと思います。
プレゼンテーション
5人グループを作り、一人当たり2分で、上記のエッセイのお題について自分の意見を発表します。全員の発表が終わったあと、10分ぐらい使って、お題についてのディスカッションを行います。
第5週目の木曜日に実施されました。喋るお題は決まっているので、十分に準備ができます。また、個別に試験時間と場所が通知されるので、誰とグループを組むことになるのかはテスト会場に行くまで分からない仕組みです。
、、のはずですが、中国人の生徒は自慢のネットワークを使ってグループを把握しており、ディスカッションで話す内容を事前に取り決めているようでした(笑)
テストに落ちることはある?
以上のように、IELTSよりもかなり緩い試験です。
Tutorialのときに、落ちた例があるのか必死に聞いている人がいましたが、講師たちはのらりくらりとかわすばかりでした。
どうなんでしょう、落ちることはあるんでしょうか。
大学側も受からせようとするテストなので欠席とかドロップアウトではない限り、受からせてくれると思いますが、実際のところは分かりませんよね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
イギリスの大学院への留学を検討しているどなたかの参考になれば、とても嬉しいです。
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