弁護士のイギリス留学”準備”体験記#1│準備開始/留学エージェントに相談/IELTS初受験
こんにちは。お読みいただきありがとうございます。
イギリスに留学中の弁護士です。
ぼくは、2022年にキングス・カレッジ・ロンドンのロースクール(LLM課程)に入学し、'23年に修了しました。現在は、ロンドンの法律事務所に出向中です。
イギリスに留学する弁護士は多くなく、留学の準備を進めていた当時、情報の少なさに大変苦労しました。
そこで、イギリスへの留学を考えている方の参考になればと思い、ぼくが渡英するまでのことを、時系列に沿って書きたいと思います。
「体験記」の形をとっているのは、できるだけ客観的な情報をお伝えしようと思っても、このエントリーには、どうしても個人的な経験が混ざってしまうだろうと考えたからです。
ぼくの体験は、文字通りぼくの体験でしかありませんので、情報を取捨選択の上、利用しやすいところだけ参考にしてもらえればと思います。
前置きが長くなりましたが始めます!
2020年秋頃 留学準備の開始
当時、弁護士3年目のぼくは、焦っていました。
同期や先輩・後輩はみんな優秀で、事務所の仕事もきっちり処理しつつ、どんどん自分の仕事をこなして、お客さんを増やしていました。一方、ぼくはパートナーから振られた仕事を処理するのに必死で(しかも沢山捌けているわけでもない)、自分のお客さんと呼べる人も全然いませんでした。
多くの事務所がそうだと思いますが、所属弁護士は、どこかの段階で、仕事を処理する側から、仕事を取ってくる側に回ることが期待されています。大手事務所の場合、そのタイミングは10年目、15年目にやってくるのかもしれませんが、中規模事務所だと、割とすぐにそのタイミングが訪れます。
要するに、これから弁護士として、ちゃんと飯を食っていけるのか不安だったのです。
実はこの頃、妻が翌年春に出産を予定していました(なお、無事生まれています!)。そうなると、いよいよ、将来お金が稼げなくなってしまった場合に、ぼく一人の問題では無くなってきます。
どうすれば、ぼくにお客さんがついてくれるのだろう、、、。
人から好かれやすくて、対人スキルの高い人であれば、事務所の仕事をしていく中で、自然とお客さんが増えていくのかもしれません。でも、ぼくのお客さんは自然と増えていないので、残念ながら、ぼくはそういうタイプではないのだろうと思います(笑)
そこで、ぼくは、専門性を身につけようと思いました。ぼくの脳みそに入っている情報に価値があれば、人柄はさておき、お客さんもぼくの仕事に価値を見出してくれるだろうと考えたのです。
よし、留学しよう!!
専門性を身につけるために留学、、、思い返すと安直な感じが否めませんが、それぐらい当時のぼくは焦っていました。
こうして、ぼくは留学することを決意します。
入所以来、海外留学の希望を持っていることはパートナーに伝えていたものの、英語の勉強を全くしていませんでした。なので、さすがに2021年に留学することは厳しいと思い、2022年に留学することを目標に定めました。
2020年12月 留学エージェントに相談へ
なぜ、イギリスのロースクールなのか
「イギリスのロースクールへ留学する」という大枠は、あまり迷うことなくすんなりと決まりました。
まず、「イギリス」という留学先について、メインストリームからは外れつつも、変化球過ぎないところが、ぼくの感性にフィットしました。個性を出しつつ案件の守備範囲を狭めすぎない感じがちょうどよかったのです。
他にもいろいろと理由はあるのですが、詳しくはこちらを。
次に、海外に留学する場合に「ロースクール」で学ぶことは、ほぼ当然の前提でした。MBAや他の専門職大学院については、ぼくの力量では帰国後に経歴を生かせるイメージが湧かなかったので候補に挙がりませんでした。
というわけで、イギリスのロースクール留学に向けて本格的に準備を始めることにしたものの、イギリス留学を経験した弁護士は身近におらず、ネットの情報も意外と少なく、困り果てたことを覚えています。
留学エージェントを探す
ひとまずネットに頼ります。
ググってみると、アメリカのロースクール受験に特化したコンサルはいるようですが、イギリスのロースクール受験に関して同様のサービスを提供しているところは、残念ながら見つけられませんでした。
ぼくが調べた限り、イギリスへの留学全般に関してサポートを提供している有名どころは、以下の2社です。
SI-UK
beo
この2社にコンタクトを取り、SI-UKの方が早くアポイントがとれたので、さっそく無料相談に向かいました。
コンサルタントさんとの面談
コンサルタントさんからは、イギリスの大学院留学に向けたスケジュールを教えてもらいました。また、相談時に、ぼくの学部時代の成績表とGPAの計算を持参したところ、狙える学校のレベル感も教えてもらえました。
なお、イギリスのロースクール受験は、学部の成績でほぼ決まります。この点は、また追って書く予定です。
SI-UKでは、出願書類の作成サポートと出願の代行をやっているとのことで、それなりの金額でしたが、お願いすることにしました。今になって思えば全部自分で出来た気もするのですが、それは一度出願を経験したから言えることで、当時のぼくには必要な出費だったと思っています。
コンサルタントさんと話しあい、出願が始まる2021年秋頃までにスコアを取ることを当面の目標にすることにしました。
家に帰って、さっそくアマゾンでIELTSの公式問題集(黒と紫のアレ)を注文するとともに、テストセンターでの受験を申し込みました。
2021年1月 IELTSの初受験
年末年始は、IELTSの勉強を頑張りました。この年はラッキーなことに、大型訴訟の起案や年を跨いだDDがなかったので、割とのんびり過ごせました。
IELTSのスコアメイキングに関しては、ぼくのスコアがたいしたことないので、グッとくる情報はお伝えできませんが、IELTSの公式問題集は過去何年分かはやっておくべきだと思います。WritingやSpeakingのお題が本番でもそのまま出たりするので、場合によっては簡単にスコアが取れます!
初めてのIELTSは、日比谷のテストセンターで受けました。Speakingが全くできなかったことしか覚えていません。特にPart 2のスピーチは、何を話せばよいか分からず、意味があるようでない文章を2, 3個呟いて終わりました。
試験結果はこんな感じ。
Readingが思いのほかよかったので、それっぽいスコアで安心しました。実は、今回のスコアはビギナーズラックに過ぎず、ぼくはこの後、約一年以上、スコアが取れない状況に苦しむことになります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
第2回に続きます!
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