弁護士のイギリス留学”準備”体験記#9│ビザ申請/渡英
こんにちは。
お読みいただきありがとうございます。
前回はこちら。
今回は、ビザの申請と交付、それから渡英するまでを振り返ります。
2022年6月② ビザの申請・交付
本人は、学生ビザ(student visa)を申請
イギリスのロースクール(修士課程)で学ぶ人が申請するのは、基本的に、学生ビザ(student visa)です。
学生ビザに関する説明が載っているイギリス政府のWEBサイトです。
分かりやすいとまでは言えませんが、必要な情報は全て載っていたので、IELTSを受験して英語に慣れている弁護士であれば、難なく読めるはずです。
配偶者・子供は、帯同ビザ(dependent visa)を申請 ※注意書きあり!!
帯同ビザの申請も、該当のページを見れば、必要な情報が取れます。
なお、以前のエントリーでも触れましたが、2024年1月以降に入学する修士課程の学生の帯同ビザは、許可されない方針に変更されました。
詳しい説明はこちら。
イギリス政府の案内を見ると、やはり、博士課程の学生、又は、research-basedの課程(これが一体何なのか分かりませんが)でないと、dependent visaは下りないと書いてありますね。
これを読んでくださっている修士課程の留学希望の皆さまは、条件にヒットしてしまうと思いますので、残念ながら、現時点では家族の帯同が困難だと思います。ご注意ください。
しかしながら、この方針がいつ変わるやも分かりませんので、その時に備えて、ぼくの妻と子供のビザ申請についても、記録に残しておきます。
提出書類は?
上記のイギリス政府のWEBサイトに記載されているとおりです。
ぼくは、次の書類を準備しました。
ぼくのビザは○、妻のビザは■、子供のビザは△のマークが付いている書類が必要になります。ぼくのビザに限って言えば、パスポートとCASナンバーのみでOKというわけですね。
パスポート ○■△
戸籍謄本 ■△
翻訳者の証明付の戸籍謄本の翻訳 ■△
同意書(letter of consent) △
CASナンバーが必要!
まず、前提として、パスポート以外の書類はPDFで提出します。なので、戸籍謄本と翻訳証明は、妻の分と子供の分で2通要るのですが、現物は1通で足りたように記憶しています。
次に、翻訳証明ですが、ぼくの場合は、SI-UKのコンサルタントさんに、翻訳業者を紹介してもらいました。
また、同意書ですが、これは、子供の帯同ビザの申請に必要なもので、①ぼくと妻が確かに申請者の親であること、②申請者の養育に責任を持つこと、③申請者と一緒に住む予定であること、をぼくと妻が確認することを内容に含む英文のレターを作成し、ぼくと妻で署名しました。
最後に、提出書類ではありませんが、入学先の学校から発行されるCAS(confirmation of acceptance for studies)ナンバーをビザ申請の際に入力する必要があるため、これがないと申請ができません。
コンサルタントさんによれば、コース開始の3か月前から発行され始めるとのことでしたが、2022年は、ウクライナからの難民のビザの処理を優先していたために、処理が遅れていたようです。
ぼくは、7月下旬から始まるプレセッショナルに参加予定でしたが、5月末日時点で、そのCASナンバーを未受領でした。
そのため、ぼくは、CASナンバーを受け取り次第申請ができるよう、上記の書類を準備していました。
2022年6月17日 学生ビザを申請
この日の午後に、KCLからようやくメールが来ます。
そして、メールをスクロールしていくと、次のような記載が。
どうやら、プレセッショナルとLLM課程をまとめてCASナンバーを発行してもらえたようです(事前に言ってほしかった)。
早速、ぼくの学生ビザの申請に取り掛かりました。
申請はこちらのページから行います。
弁護士はこの種の手続に慣れていると思います。ぼくも、特に情報を入力する際に困る点はありませんでした。
強いて面倒だった箇所を挙げると、過去10年間に訪れた国、目的、期間を入力しなければならなかったことです。弁護士になる前の会社員時代、海外に頻繁に出張していたたため、古いパスポートを見返して、出入国の記録を確認するのにめっちゃ時間がかかりました。
あと、家をどうするのか、という質問には、当面の間ホテルかAirbnbで滞在先を確保しつつ、家を探しますと正直に入力しました。それでビザが下りているので、問題なかったのだと理解しています。
また、正確なタイミングは覚えていないのですが、ビザの申請に際して、申請料に加えて、IHS(Immigration Health Surcharge)を支払う必要があります。合計で、ぼく一人分で、これぐらい払いました。かなりの額ですよね。
最後に、BRPカード(日本でいう在留カード)を渡英後にどこかの郵便局で受け取ることになるので、その受取場所を指定します。ぼくはAirbnbの滞在先の近くに指定しましたが、学校の近くの郵便局にした方が便利だったなと思っています。
2022年6月22日 ビザ・アプリケーション・センターに行く
申請が終わったあとは、ビザセンターのアポイントメントを取る画面に転移します。とにかく早くビザを発給して欲しかったので、空いている日程のうち、最速の日程を選びました。
ビザセンターは、東京と大阪にあり、東京のセンターは新橋にありました。受付を済ませると、必要書類の確認があり、その後、指紋と写真を撮って、パスポートを提出します。全部で2時間もかかりませんでした。
最後に、窓口のお姉さんから「今はウクライナの難民処理を優先しているため、発給までの時間が読めない状況なので、政府の情報を随時確認してください。」と言われました。
ビザが間に合わない?
ビザセンターからの帰り道で早速調べてみると、お姉さんが言っていたとおり、「ウクライナ関係のビザを優先しており、発給までに6週間かかる」と書いてあります。
7月下旬に決め打ちでフライトを取っており、AIrbnbの宿も確保していたのですが、これだとプレセッショナル・コースの開始に間に合いません。
テンパったぼくは、SI-UKのコンサルタントさんにメールします。すると、他の学生さんの情報を共有して頂けました。
ギリギリ間に合いそうです。
もし、この情報がなければ、焦って飛行機を取り直したり、Airbnbをキャンセルしたりしていたと思います。どこかのエントリーで、留学の準備は一人で出来たかもしれないと書いた記憶がありますが、全然そんなことなかったですね(笑)コンサルタントさんのおかげです。
もし、みなさまが、ぼくと同じく慌てやすい性格だと自覚されているなら、お金を払ってでも第三者のサポートを受けるべきかもしれません。
2022年7月 いよいよ渡英
2022年7月8日 学生ビザ発給・帯同ビザの申請
バタバタしてしまいましたが、結局、ぼくの学生ビザは、3週間を待たずに発給されました。
ぼくはビザセンターでの受取ではなく、郵送サービス(有料)を選択したので、提出していたパスポートに、ビザのシール(vignette)が貼られてれた状態で返送されてきました。
同日中に、妻と子供の帯同ビザの申請も行いました。
なお、この日まで帯同ビザを申請していなかったのは、申請の根拠となる学生ビザがないと申請できないだろうという、ぼくの勘違いによるものです。
具体的な手続は分かりませんが、学生ビザと帯同ビザは同時に申請できるようです。一緒に申請していれば、二度もビザセンターに行かなくてよかったので、これは、ぼくが専門家を使わずに申請したことの弊害ですね。
2022年7月某日 いざイギリスへ!!
帯同ビザについては、早々に家族でビザセンターを訪れて妻と子供のパスポートの提出を済ませました。いよいよ、残る準備は、ぼくの身体がイギリスに行くことだけです。
フライト前日の夜は、家族で羽田空港近くのホテルに泊まりました。でも、緊張でほとんど眠れなかったことを覚えています。
そして、迎えた当日の朝、家族に見送られて保安検査場に向かいます。
いよいよぼくの留学生活が始まるわけですが、高揚感というよりは、前日寝られなかったせいで疲れていました。
そこから約14時間のフライト、、。
おかげさまで、機内ではぐっすり眠れて、あっという間にヒースローです。
こうして、ぼくのイギリス留学は始まりました。
ぼくのイギリス留学”準備”体験記は以上です。
ここまでお読み頂いた皆さま、ありがとうございました。
一回につき3500字ぐらい書いたので、全9回にわたるこのエントリーは3万字を超える計算です。修士論文より分量が多いですね(笑)
もし、イギリス留学を考えているどなたかにとって、ぼくの体験記が参考になっていれば嬉しいです。
引き続き、弁護士の留学に関するアレコレを発信していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします!
追記:各記事のインデックスも兼ねて、まとめ記事をつくりました。
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