10カ月140万円の世界一周旅行 2.ベトナムでコーヒーを
ベトナムと言えば何を思い出すだろう?ベトナム戦争?フォー?コーヒー?最近は出稼ぎ労働者かな?
私はベトナム言えばコーヒーかな?ベトナムは世界第二位のコーヒー生産地。ベトナムコーヒーは独特だと思う。というかこれは10年以上も昔の話なので、現在では独特だったと言った方が良いかもしれない。現在では上の写真のように出され、昔は下の写真のように出された。アルミ製コーヒーメーカー?がカップに乗って出てくる。氷と砂糖、オプションでミルク(練乳)付にもなった。チタチタとコーヒーがカップに落ちる間、目の前を歩行者が歩き、バイクが通り過ぎていく。これからどこに行こうかとか何をしようかとか考えているとワクワクしてきた。出来上がったコーヒーに砂糖を入れて溶かし、ミルクを入れたあと氷を入れ、スプーンでぐるぐる回したあとの一口が最高だった。しょっぱいようなキャラメルのような味がした。聞くところによると焙煎の時ニュックマム(魚醬)を少々かけるらしい。あの時代(とき)の至福の時間が懐かしい。
2023年6月、久々にハノイでコーヒーを飲んだが、もはや昔のスタイルのものではなかった。きっと、どこかにはあるだろうと思い、ホアンキエム近辺の繁華街を歩き回ったり、バスで市内中を走り回った。だがどこにも見つけることは出来なかった。そして、残念なことに今ではほとんどの店がお茶を付けなくなった。寂しくなったものだ。なぜに良き伝統を無くしてしまったのか。
次はフォー。昔ベトナムに数週間滞在したとき、毎食のように食べた。フォーは安いしうまい。そして、私の中ではフォーは健康食だった。ベトナムから帰ってきて血圧を測ると、正常に戻っていた。渡航前は160-100ぐらいあったのが渡航後は130-85ぐらいになっていたのを思い出す。たくさん好きなものを食べてビールを飲んだにも関わらずだ。フォーの何が健康に良いかとというと、たぶん薬味として付いてくるベトナムハーブだろう。汁の中に入れてたくさん食べていたことを覚えている。ベトナム人に百貫デブがいないのはこのせいかもしれない。
他には、ブンチャが最高だった。麺の他に肉も野菜も付いてきた。フランス?パンのサンドイッチ、バインミーも良く食べたなあ。今回の旅行では初めて海鮮麺を食べた。
さて、世界一周旅行の話に戻る。ハノイには5回訪問している。特別な思いはないが、たぶん此処が気に入っているのだろう。アジア最貧国の一つであるのに、昔からここには浮浪者がいなかった。人々は皆一生懸命生きている。働く人も必死、騙す人も必至。良いと悪いが混在している。来るたびに街が変わっている。
ハノイでは友人二人に会ってきた。私は南寧にある広西民族大学で中国語を学んだ。彼らは一緒に中国語を学んだクラスメート。男友達の名前はチュンと言い、女友達の名前はワンと言った。二人は現在は結婚していて、今ではかわいい子供も二人いる。
授業のとき、彼等とはいつも一緒にいた。俺たちは計4人のグループで遊びに行ったり買い物に行ったりご飯を作って食べたりした。チュンはワンに片思いだった。ワンはいたずらっ子でよく俺にちょっかいを出してきた。なんだかんだ彼女とじゃれあっていると、チュンはやきもちを焼いて彼女と私の前に立ちはだかった。一方彼女は当時彼をあまり好きではなく、常に冷たくあしらっていた。「彼に彼女のどういうところが好きなのさ?」と聞くと、「みんなでご飯を食べるとき、俺の皿に食べ物を取ってくれるから」と言った。ベトナムでは食べている最中に自分でつまんだ食べ物を人の器に置いて食べさせる習慣がある。これがベトナムでの愛情表現らしい。私も何度か経験した。使用済みの箸を使っているというのに、なぜか気分は悪くなかった。彼女はどう考えていたか分からないが、どうやら彼はこのとき彼女から深くて大きな愛情を感じたらしい。それからというもの、ゾッコンになってしまった。彼はいつも彼女の周りにいた。大学のキャンパスで突然大雨に降られたときは、彼女のためにびしょ濡れになって寮に戻り傘を取ってきた。俺には出来ない。
7年前、再びハノイへ遊びに行った。二人とは連絡を取り合っていた。二人は、お互いの家を行き来してはいるものの、まだ結婚はしてなかった。理由は2つあった。一つはチュンがワンを攻めきれていないこと。もう一つはワンの父親がまだ結婚を許さないことだった。
チュンは俺をワンの住む田舎に連れて行った。何とかして俺に仲を取り持ってほしいらしい。行く前に、どうしたら彼女のハートが射止められるか聞いてきた。この時俺はワンは俺に香水をプレゼントとして持ってくるように言われていた。なので、俺の買ってきた香水よりも良い、そしてワン好みの香水を私と同じ日にプレゼントすることを勧めた。彼はデパートに俺を連れて行き、桜の花の香水を買った。日本円に直すと8千円程度だが、ベトナムの当時の物価に直すと3万2千円となる、かなり高価なものだった。それは彼の月給の半分余りだった。それでも、彼は有り金をはたいて香水を買った。香水を渡すとき、ワンに「香水を見ればどれだけチュンがワンを思ってるかわかるだろ?」と私は付け加えた。その時彼女は幸せそうな満足げな笑みを浮かべていた。
もう一つの原因はチュンの父親が結婚を許さないという件。私はワンの家に行ったあと、チュンの家に食事に呼ばれた。まあ、つまりはめられたわかだが。彼の父親と話をし進めているうちにはっきりとした理由がわかった。彼は風水を信じていて、それによると息子は今年はまだ結婚する時期じゃないのとのことだった。私は「風水は中国の占い。ここはベトナム。関係ない。ふたりは結婚を望んでいる」と反論した。信じている父親にとっては大きなことなのかもしれないが、そうでない二人にはどうでも良い事なのだから。話はしばらく平行線だったので、「ならば、来年になったらワンは俺がもらう」と口にした。すると「そんなの不可能だ」と反論した。「ならばワンに聞いてみ。ワンはだれかとの結婚を望んでいる。」と俺。ワンとはあらかじめこのことは打ち合わせ済だった。
二人は次の年、とうとう結婚となった。私は結婚式に呼ばれたが、行けなかった。パスポートが切れているのと、恥ずかしいことに金欠状態だった。二人は、断ったあとも、何度も何度も誘ってきた。相当うれしいのだろう。そのたびに「今はいけないけど、いつか行ってお祝いをするよ。」と言った。懐かしい思い出だ。それが今回の旅行でとうとう実現したわけだ。二人とその家族に祝福あれ!
豆知識
品物を買うとき、また飲食をするとき、交渉術がないのならスーパーマーケットやコンビニに行くべし。値札の提示されていない露天商で買うとぼられる可能性がある。ベトナム人は、露店で物を買う前にその値段がいくらなのか勉強してから買う人が多い。この国では値段を決める交渉術が必要らしい。友人の買い方を見てると、正当な値段よりも安い値段を言ってからしばらく交渉し、だめなら帰るという買い方をしていた。すると、帰り際に店主が引き留めて商品を言い値に近い値段で売っていた。読者の中には「どうせボラれたってちょっとだろう」と思うひとがいるだろう。だが、なかに40倍の値段を吹っかけてくる人もいるので気をつけるに越した方はない。宿の近くにはサークルKやMini Martなどのコンビニがあり、地元の人たちが利用するスーパーもある。宿の従業員に聞けば教えてくれるだろう。
ハノイにはイオンが進出している。日本並みの質を求める買い物ならここへ行くべし。イオン銀行のATMがあり、手数料200円+引き出すお金の3%でドンが引き出せる。
交通手段は市バスとGrabというバイクタクシーがおすすめ。私は市バスを利用したが、乗り方が面倒であればGrabが良いだろう。ただ、市バスに比べると高価だ。Grabは東南アジアのUberのようなもの、アプリをダウンロードしネットで行先を予約、そして支払いをする。とても安全。
ハノイでの滞在費
航空券 13,880円(成田ーハノイ)Trip.comでVietJetのものを予約
宿泊費 約650円(1泊食事付)Booking.comで予約
食費 約200円弱(1食)